■監督:神山征二郎
■ストーリ
1883年、生糸を産業とする秩父郡下吉田村では、世界的な
不況とデフレによる生糸価格の暴落で、人々の暮らしが
困窮していた。借金に頼る暮らしを余儀なくされ、高利の
取り立てに身代限りとなる農家も続出。生糸商家を営む
井上伝蔵は、人々の窮状に心を痛め、高岸善吉、落合寅位置、
坂本宗作と「困民党」を結成し、高利貸し取り締まり、
借金年賦返済の請願運動を始める。警察署、高利貸しへ
請願・交渉を行うが、事態は悪化する一方。もはや政府を
打倒するしかないと、困民党は、命を懸けた武装蜂起を決意する。
■感想 ☆☆☆*
恥ずかしながら、「秩父事件」自体、まったく知らないまま
この映画を見た。見終わって、あまりのやりきれなさに
「秩父事件」について簡単に調べてみた。
秩父事件は、税の軽減、高利貸しへの借金返済の据え置きなど
4項目の要求を掲げ、略奪や女性への暴行を軍律5か条で
厳しく禁じて行った武装蜂起。当初3千余名の軍勢だったが
最後には1万人にもふくれあがった。しかし、軍隊と警察により
9日後には鎮圧され、「暴徒」の「暴動」による事件として
12名が死刑宣告を受け、3千余名が懲役となったそうだ。
自由民権運動と政府との駆け引きや軍部の策略など
歴史の様々な面がきちんと描かれている。
決して娯楽で見る作品ではないけれど、歴史というものが
こういう名もない(もしくは、歴史の波にのまれつつある)
先人の苦労、努力で成り立っているのだと改めて教えてくれる作品。
なにより、この事件の中心となった人たちがみな
自分の利益ではなく、「自分たちの仲間のため」「義のため」
「将来の日本のため」に立ち上がる様子に心を打たれた。
勝ち目はないと分かっていても動かざるを得ない戦。
勝ち負けではなく、自分たちの意見を伝えるために
今の日本をほうっておいてはいけないという思いに突き動かされる
彼らの姿に熱いものがこみあげた。
「自分は命をかけるつもりでがんす。」
命をかける、という言葉を言葉の綾ではなく、
真剣に使っていた時代が確かにあったのだ。
「自分の人生は自分のもの」
ついついそう考えてしまう自分がいる。
勿論、その考えは映画を見た後も持ち続けているし、
正論だとも思っている。
けれども、今の自分のためだけに生きていていいのだろうか。
もっと大きな目を持ちたい。もっと大きな心を持ちたい。
その上で、自分ができることを自分にできる範囲で
無理することなく行い、「未来」を後悔することなく見たい。
そんな気持ちにさせられた。
圧巻はやはり8000人のエキストラ。
村人たちのやりきれない思いと暴動に走らざるを得なかった
エネルギーのようなものが伝わってきた。
ただひとつ残念だったのは、緒形直人さんの老け顔。
・・・それはちょっとやりすぎでしょう。。。。
■ストーリ
1883年、生糸を産業とする秩父郡下吉田村では、世界的な
不況とデフレによる生糸価格の暴落で、人々の暮らしが
困窮していた。借金に頼る暮らしを余儀なくされ、高利の
取り立てに身代限りとなる農家も続出。生糸商家を営む
井上伝蔵は、人々の窮状に心を痛め、高岸善吉、落合寅位置、
坂本宗作と「困民党」を結成し、高利貸し取り締まり、
借金年賦返済の請願運動を始める。警察署、高利貸しへ
請願・交渉を行うが、事態は悪化する一方。もはや政府を
打倒するしかないと、困民党は、命を懸けた武装蜂起を決意する。
■感想 ☆☆☆*
恥ずかしながら、「秩父事件」自体、まったく知らないまま
この映画を見た。見終わって、あまりのやりきれなさに
「秩父事件」について簡単に調べてみた。
秩父事件は、税の軽減、高利貸しへの借金返済の据え置きなど
4項目の要求を掲げ、略奪や女性への暴行を軍律5か条で
厳しく禁じて行った武装蜂起。当初3千余名の軍勢だったが
最後には1万人にもふくれあがった。しかし、軍隊と警察により
9日後には鎮圧され、「暴徒」の「暴動」による事件として
12名が死刑宣告を受け、3千余名が懲役となったそうだ。
自由民権運動と政府との駆け引きや軍部の策略など
歴史の様々な面がきちんと描かれている。
決して娯楽で見る作品ではないけれど、歴史というものが
こういう名もない(もしくは、歴史の波にのまれつつある)
先人の苦労、努力で成り立っているのだと改めて教えてくれる作品。
なにより、この事件の中心となった人たちがみな
自分の利益ではなく、「自分たちの仲間のため」「義のため」
「将来の日本のため」に立ち上がる様子に心を打たれた。
勝ち目はないと分かっていても動かざるを得ない戦。
勝ち負けではなく、自分たちの意見を伝えるために
今の日本をほうっておいてはいけないという思いに突き動かされる
彼らの姿に熱いものがこみあげた。
「自分は命をかけるつもりでがんす。」
命をかける、という言葉を言葉の綾ではなく、
真剣に使っていた時代が確かにあったのだ。
「自分の人生は自分のもの」
ついついそう考えてしまう自分がいる。
勿論、その考えは映画を見た後も持ち続けているし、
正論だとも思っている。
けれども、今の自分のためだけに生きていていいのだろうか。
もっと大きな目を持ちたい。もっと大きな心を持ちたい。
その上で、自分ができることを自分にできる範囲で
無理することなく行い、「未来」を後悔することなく見たい。
そんな気持ちにさせられた。
圧巻はやはり8000人のエキストラ。
村人たちのやりきれない思いと暴動に走らざるを得なかった
エネルギーのようなものが伝わってきた。
ただひとつ残念だったのは、緒形直人さんの老け顔。
・・・それはちょっとやりすぎでしょう。。。。