のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ギミー・ヘブン /2004年日本

2006年02月06日 00時15分47秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 両親と死に別れ、養父母も次々に不審死をとげる
 麻里(宮崎あおい)は共感覚の持ち主。盗撮サイトを運営する
 新介(江口洋介)は、共感覚者のために恋人(小島聖)や
 親友(安藤政信)にも理解されない孤独を抱えていた。
 ある日サイトで異変が起きて以来、彼の周囲で不可解な事件が
 起こり始める。

■感想 ☆☆☆☆
 「共感覚」という症状を初めて知ったし
 そういった感覚が本当にあるのかもわからない。
 それでも全てに対しておびえるような視線を持ち続ける
 麻里はとても痛々しく「孤独」を感じた。

 ほかの人と話しても、何を言っているのかわからない。
 ミッキーやドナルドの姿も分からず、数字やひらがらさえも
 他の人と異なって見えている恐怖。

 世界でひとりぽっち。

 本当にひとりぽっちだと感じていたときに
 ようやくめぐり合えた「同じ世界を共有できる人」。
 彼女はそのとき、どれだけ安心したのだろう。
 どれだけ、彼と語り合いたいと願っただろう。
 どれだけ彼にすがりつきたかっただろう。

 「欲しいものができたから」

 常に言葉少なく、自分の気持ちも何一つ伝えない
 彼女が唯一語る「希望」が痛々しい。

 目の前に自分と同じ世界の仲間がいるにも関わらず
 自分を開示できない麻里。兄のゆがんだ愛情ゆえに
 よりいっそう深まっている孤独。

 宮崎あおいの何も語らずにじっと見つめる瞳の
 ものがなしさがとにかく印象的。
 ラストでようやく感情を解放する彼女の
 幸せそうな笑顔も。
 自分たちだけが見ることができる世界を
 自分たちの言葉で伝え合い、共有できる幸せ。
 その瞬間の世界の美しさがすばらしい。

 ただ、麻里に対して新介の孤独が
 今ひとつ伝わってこなかったのは少し残念。

 予断ですが、私にとって記念すべき初めての
 鳥肌さん出演作です。動く鳥肌さんです。
 ずっと見たかった人なので大興奮してしまいました。