今月はエッセイ多め。読書傾向に偏りがあるなー。
131.うずまき猫の探し方/村上春樹
■内容
アメリカのケンブリッジに住んだ93年から95年にかけての滞在記。
ボストン・マラソンに向けて昴揚していく街の表情、「猫の喜ぶビデオ」の
驚くべき効果、年末に車が盗まれて困り果てた話。毎度おなじみ水丸画伯と
愛妻、陽子夫人が絵と写真で参加した絵日記風エッセイ集。
■感想 ☆☆☆
「やがて哀しき日本語」の後日譚にあたるエッセイ集。と書かれていましたが
「やがて~」よりかなりくだけた感じで読みやすくなっています。
耀子夫人の写真も瑞々しくて印象的。夫婦の仲の良さが写真からも
文章からも伝わってきました。
132.さようならラブ子/よしもとばなな
133.おとなの水ぼうそう/よしもとばなな
134.なにもかも2倍/よしもとばなな
■感想 ☆☆☆*
感想が長くなったため、
コチラにアップしました。
135.天野祐吉のことばの原っぱ/天野祐吉
■内容
近ごろ、ことばは元気がない。正しい日本語よりも、美しい日本語よりも、
いきいきとした日本語がいい。ことばをめぐる58編のエッセイ。
■感想 ☆☆☆
朝日新聞でテレビCMに関するコラムを長期連載している著者。
コラムがとても面白いため、エッセイにも手を出してみました。
まとめて読んでみて、私は彼の軽やかな考え方、地に足つけて
生きようとする姿勢が大好きなんだな、と実感しました。
楽しく読み進めていると、随所に共感できる言葉があって
読み終えた後、なんとなくすっきりしました。
136.窓際OL会社はいつもてんやわんや/斉藤由香
■内容
お台場某社より実況中継する赤裸々爆裂エッセイ。
年末年始に強行された社屋のドタバタ引越、精力剤「マカ」をめぐる
珍妙な出来事、あっと驚くOL夜のナイショ話、フジテレビをはじめと
するマスコミの実態。ニッポンの会社ってどこもこうなの?!
会社や仕事に悩んだ時、ビジネス書を読む前に手にとってほしい1冊。
■感想 ☆☆☆☆
著者は作家、北杜夫さんの一人娘。父親を見て育った娘は「絶対に
作家にだけはなるまい」と決意し、サントリーへ入社。会社員生活を
送っていますが、サントリーさんが大変自由な社風のようで、
こういったエッセイ連載もOK、エッセイでの赤裸々な会社暴露話も
OK、となんでもありの模様。そんな自由な社風の中でのびのび
楽しく会社員生活を送っている由香さんが素敵でした。
窓際OLと謙遜しているものの、エッセイを読む限り、
かなりの愛社精神、かなりの働き者っぷり。歩く広告塔として、
恐れを知らない広告塔としていろんなところに顔を出し、
顔を出した先々でVIPに、有名人に、無名人に、
多くの方々へ精力的に自社製品を宣伝されています。
ぜひ他のエッセイも読んでみたい!
137.しあわせ/レイフ・クリスチャンソン
■内容
「しあわせ」ってどんなもの?
欲しい物を手に入れること?欲しい物を探し求められること?
■感想 ☆☆☆
シンプルな言葉で綴られた絵本。
白黒の朴訥としたラインで描かれている挿絵もシンプル。
大人のための絵本の「いいこと言うよー」という雰囲気が
とても苦手なのですが、この作品はそういった雰囲気なく
言葉にも余計な修飾なく、落ち着いた気持ちで読めました。
138.しあわせな葉っぱ/おーなり由子
■ストーリ
ある朝、目がさめると、頭のてっぺんに芽が出ていました。
葉っぱは、あっという間に大きくなり、プチンと抜いても、
すぐに生えてきます。いつもより喉も渇きます。
だけど、誰も気づいてくれません。
隠そうとすればするほど、勢いよく生いしげる葉っぱ。
他人には見えない葉っぱと暮らすひとりの女の子の切ない恋の絵物語。
■感想 ☆☆☆☆
作品1ページ目に記載されている文章
「かみさま どうかどうかハッピーエンドにしてください」。
読み終えた後、私も心から願いました。
どうか彼女がこれからも笑顔で過ごせますように。
どうか彼女が出会った大切な人同じ思いを共有できますように。
おーなりさんのあたたかいイラストがこの作品の雰囲気を
そのまま表現してくれています。
寒い冬に暖かい飲み物を飲みながら読み返したくなる作品。
読み返すたびにこの作品を好きだと思う気持ちが強くなります。
139.子どもたちは夜と遊ぶ(上)(下)
■感想 ☆☆☆☆☆
感想長くなったため、
コチラにアップしました。
141.あるキング/伊坂幸太郎
■感想 ☆☆☆*
感想長くなったため、
コチラにアップしました。
142.みずうみ/よしもとばなな
■ストーリ
いつの間にか私の家に住むようになった中島くん。みずうみの近くに
住む彼の昔の友だちを訪ねたのをきっかけに、彼の過去が明らかになる。
壮絶で悲しく、すべてを包み込む澄みきった優しさにあふれた小説。
■感想 ☆☆*
カバーの美しさに心ひかれ、借りた作品。深く静かな海の底のような
群青色に広がる無数の星。その星がカバーをより深みのある群青色にし、
じっと見つめたくなるカバー。
物語自体も、このカバーとよく合った深く静かな物語です。
弱弱しく細く生きていくのに精いっぱいの中島君と親を失ったばかりで
傷ついてはいるものの、基本的に生きる力に満ち溢れていてしっかり
しているちひろが出会って、徐々に距離を縮めていく日々を淡々と
描いています。中盤以降、やはり淡々と語られる中島君の過去は、
かなり悲惨ですが、その語り口が悲惨さを感じさせません。
けれど、大きな闇をまざまざと感じ、作者が世の中には残酷さや
悲惨さがごくごく日常的に存在すると思っていること、その中で
生きていかなければならないと思っていること、
そういった決意のようなものを感じさせました。
143.ぬしさまへ/畠中恵
■ストーリ
今日も元気に寝込んでいる大店長崎屋の若だんな、一太郎。彼の周囲には
なぜか妖怪がいっぱい。おまけに難事件もめいっぱい。幼なじみの栄吉が
作った饅頭を食べたご隠居が死んでしまったり、新品の布団から泣き声が
聞こえたり。でも、こんなときこそ若だんなの名推理が冴えわたる。
ちょっとトボケた妖怪たちも手下となって大活躍。シリーズ第2弾。
■感想 ☆☆☆*
前作同様、かわいらしいキャラクターがたくさん。彼らが生き生きと
ぼっちゃんの周りを駆け巡っていて、その様子を見て(?)いるだけで
心があったかくなります。
ぼっちゃんがねー、とにかくかわいらしい。
前作では甘やかされてかわいがられて、でもまっとうに生きている
ぼっちゃんを描いていましたが、今作では、まっとうに生きているどころか、
ちゃんと周囲が見えていて、自分の境遇も分かっていて、その中で
自分の存在意義を考えている大人のぼっちゃんが描かれていて、
本当にいい子なんだなぁ、としみじみ思いました。
144.幸せ最高ありがとうマジで!/本谷有希子
■感想 ☆☆☆☆
感想長くなりました。別途、アップします。
145.差別を超えて/臼井敏男
■感想 ☆☆☆
新書サイズの入門編。「」という言葉は知っているものの、
現状やその歴史的変遷についてほとんど知識がないため、
手にとりました。読んでよかった。
福岡県は全国でも「」が多い地域です。「」を普段、
意識することがないのは、「差別」がなくなっているから
ではなく、この問題が「触れてはいけないこと」として
目をそらされていることだから、という本書内の文章を読んで
自分自身を振り返り、納得しました。
146.あさひやま動物園
■感想 ☆☆☆☆☆
旭山動物園で自分へのお土産用に購入したフォトエッセイ集。
どの子も非常にかわいらしく撮れていて、また動物園に
行きたくなりました。何度も見返していますが、何度見ても
やはりカバが一番好き!あのもったりとしたお尻がたまりません。
147.とっても不幸な幸運/畠中恵
■感想 ☆☆☆
感想長くなりました。別途、アップします。