のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

人それぞれ

2006年01月20日 23時32分40秒 | 日常生活
大阪の貴公子さんが帰省するという連絡を受け
本日、お食事をしてきました。
帰省するたびにきちんと連絡をくださる
律儀な貴公子さんですが、
いつもいつも二人で会うのもワンパターンだな、と思い
今日は思い切ってトモダチの輪を広げてみることに。

大学時代の友人も交えて3人でのお食事です。

・・・のはずでした。

昨夜遅く、貴公子さんから突然メールが届きました。

「明日、後輩が混ざりたいって言ってきてるんやけど
 いいかいな?至急、連絡ください。」

・・・そりゃまた、強引な後輩だねぇ。
でも、もともとのりぞうも貴公子さんの知らない人を
連れて行くわけで、そんなのりぞうが強気で
お断りなんてできません。「よいよー。」と愛想良くお返事。

今の時代、男女問わず、度胸と愛嬌は必需品ですものね。
どーんとこーい!

すると、今朝、またもや貴公子さんからのメール。

「ちなみに後輩は私より顔が濃く
 テンションが高いので、あなたがひかないか、ちと心配。」

・・・・それを早く言ってよー!!
それって一番大切な伝達事項じゃなくって?
とりあえずお返事を返しておかなければ。

「ガンバリマス。


 ・・・・頑張れん可能性大。
 そのときはフォローよろしく。」

顔が濃くても、まったくもって問題ありませんが
高すぎるテンションについていける自信があるはずもなく。
びくびくしながら待ち合わせ場所に向かったのりぞう。

現れたのはいつもとまったく変わらない貴公子さんと
思いがけず好青年の後輩君でした。

ちょっと!?
どこが「濃い」の?
どこが「テンション高い」の?

最悪の状態を想像し続けたのりぞうは
おもいっきり拍子抜け、肩透かしです。

おかげでごくごく普通に楽しい晩御飯となりました。
当初、ややぎこちない雰囲気だった3人も
徐々に打ち解け、映画や旅行やキャバクラの話で大盛り上がり。

ふと気がつくと、金曜日も終わりを告げる時間。
そろそろお開きです。

と、貴公子さんがにやにやしながらおっしゃいました。

「今日の会合をのりぞうがどんなふうに
 ブログに書くか、楽しみやねぇ。
 俺、明日、即効、チェックするよ。」



・・・・書くことは決定なんですね。

ていうか、その微妙なプレッシャーのかけ方は何?
何か素敵なことを書く必要があるのかしら?
「貴公子さんは相変わらず男前でした」みたいなやつ?
と、無言で混乱していると

「いやぁ、俺、ネタにされるの結構すきなんよね。
 ネット上でさらしものにされてるかんじ?
 あれ、いいよねー?」

心なしか恍惚とした表情だし。。。。

まあ、そんなに喜んでいただけて何よりですわ。
こんなブログでよろしければ、
いつでもさらされちゃってください。

お金より愛情

2006年01月19日 23時58分36秒 | 日常生活
のりぞうの部署にはお客様が多くいらっしゃるため
甘いものやおせんべいが割とたくさん回ってきます。
週に1回は15時のおやつがもらえるような快適な環境♪
席を外していてもお土産だけは
ちゃんと机の上においていてくださる
素敵なセンパイや後輩とお仕事をしています。

そんな職場で、本日、のりぞうの机の上にあったのは・・・・






味付け海苔。




・・・・・なんじゃ、こりゃ?
思わず松田優作ちっくなつっこみをしちまいました。
周囲のセンパイ方に尋ねても
どなたのお土産なのか
いつ置かれたのかちっとも分かりません。

あまつさえ、いただいたのはのりぞうのみ、という
見事なまでの怪奇現象っぷり。
ちっとも事情が飲み込めないまま
机の上に味付け海苔を置いて午後の業務開始です。

黒い味付け海苔が
チョッピリお洒落なオブジェに見えなくもない。
・・・・見えるわけもない。

ていうか、なんで味付け海苔が
のりぞうの机の上にあったのかとっても気になるっ!
気になりすぎて仕事になりません。
・・・勿論、八つ当たりなのは承知の上。
仕事がはかどらないのはいつものことです。

と、のりぞうの机の傍を通りかかった部長が
のりぞうの味付け海苔に反応されました。

「おや、これは?」

そりゃ、そうだよね。
普通、味付け海苔食べながら仕事なんてしないもの。
職場とはミスマッチな食べ物だもの。
これがチョコとか飴とかガムならば、
かわいらしい女の子の心の友っていう感じですが
味付け海苔は・・・・ねぇ?

「これ。今日、取締役と泊まった旅館の
 朝ごはんに出てた海苔だよ。
 取締役に聞いてこらん。」

な、なんですとー?!
犯人は、・・・もとい、お土産を下さったのは取締役?!
おそるおそる伺うとにっこり笑いながら頷かれました。

「そうそう。それ、おいしいらしいんよー。
 あげるけんねー。」


・・・・・ありがたいっす。
お土産って気持ちが大切ですよね。
しっかり受け取らせていただきました☆

なんてったって一番嬉しかったのは
味付け海苔がなぜここにあるのか
味付け海苔を置いた方はどなたなのか
このふたつの謎がすっきり解けたこと。

ふぅ。今日もすっきりした気分で一日を終われそう。

近江商人の教訓

2006年01月17日 23時02分19秒 | 日常生活
長崎から帰ってきた翌日、つまり昨日は大分に出張。
連日の移動で疲れが出たのか
昼過ぎから急激に寒気がし、気分が悪くなり、
仕事どころではない状態に・・・・。
出張先の方にも、そして今日は仕事を休んだため
職場の先輩方にもご迷惑をおかけしてしまいました。

うう・・・。
新年早々、何をやっているのやら。
しかし、一日ゆっくり眠ったため、既に全快☆
先週、職場の先輩がインフルエンザで倒れたため
かなりびくびくしましたが、単なる風邪でした。
よかったぁ、とほっと一安心。

というわけで一日半眠りこけて
どなたとも接触せずに過ごしていた今日は
以前、ブログで読んで感銘を受けた言葉のご紹介。

先日、バトンも渡させていただいたおそらさんのブログ
教えていただいた「近江商人の教訓」です。

1 商売は世の為、人の為の奉仕にして、
  利益はその当然の報酬なり。
2 店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも
  品の如何。
3 売る前のお世辞より売った後の奉仕、
  これこそ永遠の客をつくる。
4 資金の少なきを憂うるなかれ。
  信用の足らざるを憂うべし。
5 無理に売るな、
  客の好むものも売るな、
  客の為になるものを売れ。
6 良き品を売ることは善なり、
  良き品を広告して多く売ることはさらに善なり。
7 紙一枚でも景品はお客を喜ばせるものだ。
  つけてあげられるもののない時は笑顔を景品にせよ。
8 正札を守れ!
  値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ。
9 常に考えよ、今日の損益を。
10 今日の損益を明らかにしないでは寝につかぬ習慣にせよ。
11 商売には好況、不況はない。
  いずれにしても儲けねばならぬ。

すごいなぁ、と感銘を受けたのは
自分の仕事への徹底したプロ意識と誇り。
自分の仕事に誇りを持っているからこそ
お客様にも堂々と薦められる潔さ。
自分の(お店の)利益も勿論大事。
但し、そのためにお客様を騙すなんてもってのほか。
お客様が必要なものであれば売りなさい。

こういう考え方って「仕事観」というよりも
自分の生き方に対する考え方であり、
もはや「人生観」といってもいいぐらいの
壮大なものだと思うのです。

そりゃ当たり前だよね。
働いている人にとって仕事をする時間は
一日の八割以上を占めるわけであり
それだけの時間を費やす仕事に対しては
むしろ積極的に「人生観」のような心構えで
臨むべきなんでしょう。

そして、それだけの時間を費やすからこそ
仕事をする以上、

自分に恥じない仕事をしたい
誰かの役に立てる仕事をしたい
誇りを持って仕事に就きたい

そう思うのは自然なことなんでしょう。
むしろそういう覚悟をもって仕事をしたい。
自分の不注意で体調を崩した日だからこそ
そういうことを真面目に思ってしまいました。

・・・ま。こういう決心を
宵越しに持ち越せないところが
のりぞうの最大の欠点なんですけどね。

おそらさんのブログでは「三方良し」という
素敵な言葉も紹介されています。
ぜひ、おそらさんの温かい言葉でお読みください。

イメージバトン☆

2006年01月15日 22時54分07秒 | バトン
エビマユさんより、イメージバトンなるものが
まわってきました!
いやぁ、バトンが回ってくるのって
3回目ぐらい?4回目ぐらい?

こういう企画モノにたまに参加すると
自分もブログに参加できてるのねぇ
としみじみ物思いにふけります。

なにせネットの中でさえ、ひきこもり気味ののりぞう。
こういうバトンもめったに巡ってきません。
エビマユさんは透明感あふれる文章で
日々の出来事や本や音楽についての雑感を綴っている
のりぞうのとっても貴重なブログ仲間です。
のりぞうは、淡々と綴っているのに
くすりと笑わせてくれる彼女の文章の大ファン。

というわけで、イメージバトンも
謹んで受け取らせていただきました。

★ルール★
イメージでつながっている言葉(キーワード)の最後に
自分で1つ新しく付け加え、それを新たに『3名様を指名』する。

フレンドリー→地元→田舎→山→寒いブルブル{{{o|(ミ´_`ミ)|o}}}ワラ
→雪→白い→ティッシュ→鼻水→風邪→パブロン→薬→まずい
→トマト→サラダ→ドレッシング→ゴマ→みそ→マルコメ→
はげ小僧→生まれたて→馬→牧場→アイス→デザート→ケーキ
→誕生日→プレゼント→クリスマス→ サンタさん→トナカイ→そり
→雪→白い →お砂糖→粉→片栗粉→とろみ→めかぶ→海草→昆布
→酢→お産→養育費→ゆとり教育→ドラゴン桜→阿部寛→濃い
→エスプレッソ

と続いている模様。
途中、季節ネタが入っていて、
「その頃、回ってきたのね」と推理してみたり
「阿部ちゃんは、やはり濃いのね・・・」と
くすりと笑ったり。人の連想で楽しんでしまいました。

さて、エスプレッソからワタクシが連想する言葉は

「お洒落さん」

でしょうか。。。

エスプレッソを飲む人って
断然、お洒落さんが多い気がするのです。
なんたなくカジュアルなイメージのおしゃれさん。
殿方であれば、めがねが似合うインテリお洒落さん。
喫茶店の窓際で本を読みつつ飲んでるイメージ。

女性であればシニヨン(お団子頭)が似合う
ほっそりとした美人さん。勿論、色白!
カフェで画集を眺めながら・・・・
と創造は膨らむばかり。

空想大好きっコですから・・・。

さてさて、このバトン。
ぜひ、↓この3名の方に受け取っていただきたいです。

いつも素敵な写真をアップされているはぐれ雲さん
シュールな時事ネタを紹介してくださるタメゾーさん
そして、元気になる言葉を教えてくださるおそらさん

決して「絶対」ではありませんので
気が向いたら受け取っていただけるとうれしいです☆
三人がどんな想像の翼を広げてくださるか興味津々。

ハウステンボス応援キャンペーン

2006年01月15日 22時24分21秒 | 日常生活
携帯での初投稿でご報告したように
週末を利用してハウステンボスに行ってまいりました。
・・・が。それっきり、携帯は活用されませんでした。

ほら、旅行中って携帯の存在を忘れるし。
何より、携帯を使ってまで更新したいと思うような
時事ネタにはめぐり合うことなんてありませんから。

いつでもどこでもひそやかに
のんびり生きていくのがモットーです。

しかし、今回は声を大にして言いたいことが。

ハウステンボス素敵でしたー!!

今、「光の街」なるキャンペーンをしているようで
19時になったら園内に光が灯されます。
何せやや辺鄙なところにあるため
周囲は真っ暗なんですね。
その真っ暗な地域に灯される光は
本当に幻想的で神秘的。
うっとりと見とれてしまいました。

普段は味わえない非日常の世界を堪能。
母も大感激の様子。
「街並み全体が素敵よねぇ・・・。」
とうっとり。
何せ家族でもっともオトメ度の高いお方なので。

そして、ハウステンボスの経営不振場話に
憤慨する母。

「やあよ!なくなって欲しくない!
 ほら、あんたたち、いろんな人に
 ハウステンボスの良さを紹介しなさいっ!
 リビング九州(→老舗のフリーペーパーです)
 とかに投稿しいよ!
 いいところやけん、皆さんも訪れて!って
 お願いしてみり。」

必死に応援キャンペーンを推進する母。
応援方法が若干アナログなうえに
草の根運動的で効果の程は疑問ですが
熱意は十分伝わりました。


・・・母だって訪れたのは
14年ぶりぐらいのくせに・・・。

でも、母の言うとおり素敵な街ではあるのです。
なんていうか緩やかに流れる時間がいとおしい空間。
他のテーマパークみたいに
せこせこ動かなくてもいいのが最大の魅力でしょうか。

そしてお泊りはぜひ全日空JRホテルを。
どの従業員の方も親切丁寧で感じのよい方ばかり。
温泉もあって大満足!のホテルでした。

運命?

2006年01月12日 23時59分37秒 | 日常生活
本日は会社の先輩方との新年会。
勿論、一次会で終わるわけもなく二次会へ突入☆

「歌いましょうか。」という先輩の要望で
久々にスナックへ連れられました。
とっても人懐っこい先輩のおかげで
先客の方々とも和気藹々と飲み始め
二次会の後半では、いつの間にやら、
のりぞうの隣の席に見たこともないお方が座ってました。

しかし、話しているうちに、
そのお方の子供さんとのりぞうが同級生だと判明。
さすが、福岡。狭い町です。
俄然、のりぞうとおじ様の間に漂う親近感。
おじ様がにっこり笑ってのりぞうに握手を求めてきます。
手を握り、親愛の情を確かめ合うのりぞうとおじ様。

「よし、おじさんの息子と結婚しなさい。」
「・・・。」
「おじさんの息子じゃいやね?」

・・・いえいえ、滅相もございません。
でも、息子さんにも好みというものがありますのよ。。。

「大丈夫!おじさんが保障する。」

・・・・いや、何を保障されてるのかが
今ひとつ見えないんですが。。。

「ただね、残念なことに、おじさんの息子
 今はとんでもないところにおるんよ。」

・・・とんでもないところってどこ?
思わず好奇心が刺激され、わくわくしながら伺うと

「京都」と答えるおじ様。

もしもーし?おじさま?
京都の方々を敵に回すと怖いですわよ。
とんでもないところだなんて、失礼な。
京都にあこがれる方は多いんですよー。
素敵なところじゃないですか!?

と、必死でフォローするのりぞうに
おじ様はまたもやにっこり。

「よし、じゃあ、来週にでも京都に行ってみようか。
 息子に会わんね?観光もすればいいやんね。」

・・・・えっと。
まずは息子さんの女性に対する希望要望を
ちゃんと聞いてあげてくださいね。

「いや、おじさん、こういうのは
 すぐ分かるんよ。運命よ。
 あんたも分かったろうもん。」

いえ、分かりませぬ!
のりぞうにはちっとも分かりませんでしたとも!

・・・・は。
こうやって今までいろんな縁を逃してきたのかしら?

いやいや、酔っ払いのおじ様との会話で
思わず、今までの自分を反省してしまいましたわ。

映画を見るために必要なのは

2006年01月10日 23時09分05秒 | 日常生活
後輩から映画を見た感想メールが届きました。
彼女とは、映画や本の感想を言い合う情報交換仲間。

早速、私も週末に見た映画のご報告。

「私も週末は映画を二本見ましたよー。
 どちらもかなりお勧めです☆」

「いいですねー。私も観たい映画はたくさんあったので
 週末二本ぐらい見たいと思ってたんですけどね。
 ひとりじゃないと、そうそう動けないんですよね。
 ひとりっていいなぁ・・・。」

・・・・・くすん。
なんだか投げた爆弾が跳ね返ってきたような
そんな気持ちになったのは気のせい?

THE 有頂天ホテル / 2006年日本

2006年01月10日 23時04分32秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 舞台はホテル「アバンティ」。このホテルの中で大晦日の
 夜10時過ぎから年越しまでの2時間をリアルタイムで
 描く。
 登場人物は沢山の従業員達。総支配人、副支配人、
 アシスタント・マネージャー、客室係、ウェイター、
 ベルボーイ、ホテル探偵、表には見えない隠れた
 セクションで働く人々。
 そして様々な「訳あり」の宿泊客たち。汚職議員、
 自殺願望の大物演歌歌手、コールガール、家族の
 反対を振り切って愛人に会いに来た会社社長、訳ありな
 フライトアテンダント、副支配人の別れた妻。
 迷路のようなホテルの中で、それぞれの物語は同時進行して
 進む。2時間の間に、エピソードと別のエピソードが絡み合い、
 もつれ合い、最後は全員が力を合わせて、クライマックスの
 カウントダウンパーティーへ。

■感想 ☆☆☆☆*
 しばらく映画から遠ざかっていましたが、新年早々
 三日連続、映画鑑賞。本日は試写会です。
 試写会会場の客みんなで大笑いしました。
 「腹を抱えて笑う」この言葉どおり。
 みんな身をよじって笑ってました。

 舞台を駆け巡る様々な人々。
 みんなトラブルを抱え、その問題を解決しようと
 必死で動きまわっている人々。
 それぞれが必死になればなるほど、その様相は
 滑稽味を増してくる。

 見栄とプライドのために右往左往する人たちが
 新年のカウントダウンを迎えるために、たまたま
 同じホテルに集まり、それぞれの人生にほんの少し
 影響しあう。ほんの少しのかかわりがたまたま
 隣り合った人の人生に大きな影響を与える。

 「なんのために大晦日があると思うの。」
 「新年になったら新しい気持ちでやり直すためよ。」

 どたばたコメディの果てにたどり着くカウントダウン
 パーティの爽快さは新年にふさわしい。
 歌いたい歌を歌って、体を動かして、思いっきり
 馬鹿騒ぎをして、元気になりたくなるそんな映画。

歓びを歌にのせて / 2004年スウェーデン

2006年01月09日 17時02分49秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 世界を舞台に活躍する著名なオーケストラ指揮者ダニエル。
 彼は過酷な公演スケジュールとプレッシャーの中、病のため
 第一線を退くことになり、生まれ故郷の小さな村に戻った。
 音楽にはもう関わらないと決めていたダニエルだったが、
 ある日、地元の聖歌隊の指揮を依頼される。心から音楽を
 愛する彼らの心に触れ、ダニエルは音楽の素晴らしさを
 思い出していく。
 一方、それぞれの人生に様々な問題を抱えていた村の聖歌隊
 メンバーも、ダニエルと過ごす日々の中で変わろうとしていた。

■感想 ☆☆☆☆☆
 「歌う」ことと「書く」ことはどこか似ている。
 自分の中の思いを外に吐き出すところ。
 自分自身と向き合わざるをえないところ。
 どこかもやもやしたものを形にするという作業。
 普段は何の気なしに聞いていた曲を歌うことで
 初めて歌詞の意味に気づくように。
 楽しかった出来事を書くことで、何が楽しかったのか
 どう楽しかったのか、なぜ楽しかったのかが
 具体的につかめてくるように。

 どちらにもその行為自体にカウンセリング機能が
 あるのだと思う。

 だからダニエルは村人たちに対して、
 歌い方の指導なんてしない。
 抱えている問題にもアドバイスなんてしない。

 彼はただこう伝える。
 「よく聴くんだ。」
 「自分の声(トーン)を掴むんだ。」

 そう、自分の人生を他人がどうにかしてくれるわけがない。
 どんなに辛くてもどんなに迷っていても
 自分で自分の人生を掴むしかない。
 そのためには、自分が何をしたいのか
 自分自身に問いかけ、心に耳をすますしかない。
 心の奥底に眠っている自分も気づいていない望みを
 はっきりと自分で掴み取るしかないのだ。

 コンサートで夫から暴力を受けているガブリエルは
 ソロで歌うことになる。自分に自信がなく
 夫に暴力を受けても抵抗できなかった彼女が
 高らかに歌い上げる曲は、強くまっすぐ私たちに訴えかける。

 「私の人生は私のもの
  生きてる喜びを心から感じたい
  私はそれに値すると誇れる人間だから」

 色々と悩んで泣いてわめいて人とぶつかって
 すぐに問題が解決するわけではない。
 問題は自分だけで解決できるわけではないから。
 人はひとりで生きているわけではないから
 自分の声を掴めてもすぐに美しいハーモニーが
 できあがるわけではない。不満は常に人の胸の中に
 くすぶっている。

 だから人は歌うのかもしれない。
 自分の声(望み)を人に訴えるために。
 だから私たちは聴かなければいけない。歌いながら。
 周囲の人はどんな声(望み)かしら?と真摯に。

 ラストの合唱は圧巻。
 これはぜひ映画館で見て欲しい。
 部屋で見るならば可能な限り音を大きくしてみて欲しい。
 人の声には大きな力がある。
 ひとりではなく多くの人の声と重なれば重なるほど
 その力は強く美しくなる。