旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

名古屋鉄道の旅終える 犬山線・各務原線を完乗!

2020-03-14 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 深紅の6両編成が、かつての鉄道道路併用橋・犬山橋を渡る。流れるのは木曽川だ。

 名古屋から各駅停車に乗って2つ目、東枇杷島は犬山線の起点。
電車が東枇杷島を発ち、庄内川を渡ると、名古屋本線と犬山線は左右に振り分かれる。

全線複線、ときおり高架、快速特急も空港特急も走る犬山線は輸送容量が大きい。

6両編成の急行で、小牧線、広見線を集めて犬山駅、さらに1つ先の犬山遊園で途中下車。
犬山城、モンキーパーク、木曽川うかい、観光地最寄り駅には全ての列車が停車する。

 木曽川河岸の小高い山上の犬山城天守に登城、一望する濃尾平野の眺めが素晴らしい。

木曽川上流方向に目を転じると、たっぷりと雪を抱いた御嶽山が望める。
信州から見ると山々の連なりの中のひとつだけれど、濃尾平野から見ると雄大な独立峰、
なるほど厚い信仰と畏怖の念の対象であることが頷ける美しい山容だ。

犬山城を降りて、最後の1区間は豊橋から走って来た特急に乗車する。

新鵜沼駅は犬山線の終点であり、各務原線の起点でもある。
2001年まではJR線に直通し、名鉄名古屋から高山まで走る特急列車が運行されていた。
故に隣接するJR鵜沼駅との間に連絡線があったのだが、今は撤去されている。

各務原線の区間は新鵜沼~名鉄岐阜であるが、全ての列車は犬山線から乗り入れる。
岐阜行きに乗車して1つめが鵜沼宿駅、その名の通り中山道の宿場町だ。

鵜沼宿は中山道のうち、日本橋から52番目の宿場町。
脇本陣など景観建造物の保存改修、水路の復元がなされ、宿場町の雰囲気を味わえる。

新鵜沼から岐阜までは、急行で25分、各駅停車で30分のいずれにしても短い旅になる。
名鉄岐阜駅では名古屋本線と線路は結ばれず、5・6番線は車止めで行く手を塞がれる。

岐阜駅周辺には、昼から飲めそうな店が点在している。
東海道本線を延々帰る前に「大衆酒場ホームラン」で軽く一杯。

"かつおたたき" にレモンを絞ったら、先ずは、神泡ザ・プレミアム・モルツ生を呷る。 
地酒は美濃太田の "御代櫻"、冷でよしぬる燗でよし、キレ味の鋭い辛口の純米酒。
アテに択んだ "こうや豆腐玉子炒め" は美味いというほどではないが腹は膨れるね。

 旅の終わりに岐阜駅前で見かけた名鉄の岐阜市内電車、モ510形と云うらしい。
大正ロマン香る「丸窓電車」は、空襲を乗り越え2005年まで走っていたそうだ。
キレイにお色直しを終えたモ513は、ここ岐阜駅前広場に昨秋から展示されている。
旧い名鉄の路面電車に対面して、名古屋鉄道全線444.2kmの呑み潰しを終えるのだ。

名古屋鉄道・犬山線 東枇杷島~新鵜沼 27.4km
     各務原線 新鵜沼~名鉄岐阜 17.6km 完乗

不思議なピーチパイ / 竹内まりや 1980