旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

人生のそばから 信濃町「仁の蔵」

2020-05-16 | 旅のアクセント

 長野から信濃町に抜ける県道37号は、快適にR18をショートカットするワインディング。
北信五岳(飯縄・戸隠・黒姫・妙高・斑尾)を眺めて走る高原の道は、美味いそばの道だ。
夏の日には、高原野菜の直売所が庇を延ばし、焼きトウモロコシの甘い匂いが漂う。
所々、県内外のナンバーが屯うのは蕎麦の名店に違いない。「仁の蔵」もそのひとつ。
30分ほど待って小上がりに席を占める。当然に "天ざるそば" を注文する。
高原野菜の天ぷらは、塩をぱらぱらふって、頬張ると甘さが口いっぱいにひろがる。
標高600m、昼夜の温度差の激しく霧が発生しやすい黒姫高原の「霧下そば」は香り高い。
艶やかなそばをズズっと啜る。鼻孔にほのかに香りが残る。信州を実感する瞬間だね。


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涼風 / 岩崎良美 1980