旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

赤電とEVANGELIONと志田泉と 遠州鉄道を完乗!

2022-09-17 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

「あかでん1日フリー切符」を求めたら、EVANGELIONのキャラクターが描かれている。アスカって言うらしい。
どうやらラッピング電車が走っているようなのだ。どこかで遭遇できるだろうか。世代ではないが楽しみだ。

遠州鉄道の終点駅は西鹿島、山小屋風の瀟洒な駅舎が印象的だ。
ここで天竜浜名湖鉄道に接続し、また東海随一の霊山を神体山と仰ぐ秋葉神社への路線バスにも乗り継げる。

西鹿島を発った赤い2両編成は、緩やかな下り勾配で勢いをつけると、軽快に三方原台地を滑っていく。
新東名高速を潜って、走り出しは農地と宅地が混在した田園都市の風景の中を往く。

新浜松と西鹿島の両端の駅を00,12,24,36,48分に始発する高頻度の運行をしているけれど全線が単線。
このため上下線の交換風景は多く見られる。各駅はほとんど跨線橋を持たず乗客は構内踏切を渡る。
カンカンカンと踏切が鳴って、積志駅に上り下りの赤い2両編成が入ってきた。まさに私鉄沿線の情景だね。

上島駅からは高架に上がって、赤い2両編成は都市の電車に変身する。右手にはYAMAHA本社が見えてきた。

終点まで500mを残して第一通り駅に降りたつ。この界隈に気になる酒場が点在しているからだ。
っで、西へ向かう繁華街の道路から1本目の裏路地に紛れ込むと「立呑やじゃんだら&LA・JANN」がある。

開店直後にもかかわらず店内は立錐の余地も無い。親切なご常連氏が僅かなスペースを空けてくれたけど
そこはこのご時世、丁寧に遠慮して少し寂しいけれど2階席へ。やはり立ち飲み、連れ立って来るには良い席だ。

冷たい生ビールで汗がひくのを待ちながら、短冊と黒板を交互に眺める。アテもなかなか凝っているようだ。
一瞬手の空いた姐さんに遠州の酒を尋ねる。“國香” と云うのが袋井の酒だと教えてくれる。然らばこれを一杯。

中汲み無濾過生原酒だからうすにごり、17.5度ある原酒だけどふくよか、ちょい辛でキレの良い純米酒。
うすにごりを舐めているうちに “炙りしめ鯖”が登場、〆鯖の美味さそのままに皮がカリカリっと食感が楽しい。

“志田泉” は藤枝だから駿河の酒、香り控えめ旨味しっかりと “開龍 純米原酒” も18度、力強い酒だね。
冷えた原酒がグラスから溢れて堪らない。そっと優しくお迎えにいこう。
黒板に見つけた “秋茄子の揚げ浸し” が気になるでしょ。秋茄子ばかりかツミレとししとうもカラッと揚がって
大根おろしにたっぷりとみょうが、美味い。地酒のラインアップにこのアテのクオリティ、魅力的なお店です。

日が暮れてさすがに2階席も譲り合い。灰皿から余ったコインを拾ったら、ここはきれいに席を辞したい。
ホームへの階段を上っていくとタイミングよく、っと最後に会えましたねEVANGELION電車、
ドア近くで切符に描かれた惣流・アスカ・ラングレーと対面して、妙な達成感を感じる遠州鉄道の旅の終わりだ。

遠州鉄道 西鹿島〜新浜松 17.8km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
夏をあきらめて / サザンオールスターズ 1982