太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

深く思い煩うことなかれ

2013-02-10 13:41:36 | 日記
職場で、さまざまな本と出会う。

仕事となると自分の興味のない分野の本も多く知ることになる。




『個性を捨てろ、枠にはまれ!』という題名の本がある。

『個性こそ最大の武器』という本がある。


『辞めるが勝ち』という本があれば、

『辞めてはいけない』という本がある。



矛盾する情報があふれているけれど、きっとどれも誰かにとっては正解なのだろう。

本を選ぶとき、人は、とんでもない答えを求めているのではなくて、

自分が求める答えが書いてある本を選ぶことが多いのじゃなかろうか。



若い男性が、「辞めるが勝ち」を買っていった。



たとえば彼が会社を辞めたいと悩んでいて、「辞めるが勝ち」を読んで辞めたとしても、

「辞めてはいけない」を読んで踏みとどまったとしても、ちゃんとそのあとに人生は続いてゆき、

必要な体験が待っている。



今でこそ30代で独身はごく普通だけれど、昔はそうじゃなかった。

30になっても結婚しそうになかった姉に対し、親は相当やきもきしていたから、

私までがそうなるのではないかと恐れていたようだ。

「誰と結婚したって同じだよ!」

あるとき母がそう言い放った。

「エリザベス・テイラーに言われるならわかるけど、お父さんとしか結婚していないお母さんが、なんでそんなことわかるのさ」

と私は猛烈に反論したものだ。



母の言ったことは、ある意味では、なんとなくだが正解だと今では思う。

むろん、誰と結婚するかで、まったく人生模様は変わってくるのは間違いない。

だからこそ、私は2回結婚したのだ。

しかし、あのとき離婚しなくても、さらには結婚そのものをしなくても、

あの学校に行かなくても、お見合いした相手と結婚したとしても、

私の人生は続いていき、そこで私に必要な体験をしたはずだ。

今が幸せだから、正しい道を選んだように思っているけれども、私が選ばなかった人生だって

そう悪くはなかったかもしれない。

それはわかりようがないし、それらの人生は今の人生と違うだけで、間違いというわけでもないと思う。



最近、ちょっと大きな決断をした。

基本的に私の気持ちは決まっていたけれど、

それは果たして正しいのかどうかという思いがあって、きっちり決めるまでに少し時間がかかった。

そこで若い男性が「辞めるが勝ち」を買い、

正しいことをやろうとしないで、思ったとおりにすればいいのだと改めて気づいた。今までそうしてきたように。



こうしたら、ああなって、こうなる。

というシミュレーションは、あくまでも私の頭の中でこしらえた想像に過ぎず、

そしてそれは大抵ハズレている。

そんなことは今まで腐るほどあって、思えばいつだって結局、私がしたいようにしかしてこなかった。

深刻になりかけたら思い出そう。

もっと軽く軽く、高く高く。








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