太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

トイレ災難

2013-05-29 21:23:43 | 日記
私が子供の頃、今ほど水洗トイレが普及していなかった。

家を建て替える前の我が家のトイレも汲み取り式で、

定期的に衛生車がやってきた。

匂いを我慢しながら、汲み取っているホースが、時折生き物のようにボヨンと動くのを眺めたりしていた。


あれは1年か2年生ぐらいの頃だ。

トイレに入った私に、災難が降りかかった。

便器をまたごうとしたら、私には大きすぎる大人用のスリッパがもたついて、

片足が着地するはずの場所より手前に着地した。

手前といっても、そこは「穴」しかなく、当然私の足は穴の中へ落ち、

やせっぽちだった私の身体も、あっというまに落ちた。



かと思いきや、私の両肘が便器のふちをガッシ!とつかみ、すんでのところで落ちずに済んだ。



日頃、小学校の うんてい という遊具で腕を鍛えておいてよかったと思った。


奈落の底、という言葉があるが、

私が人生で初めて「奈落の底」を見たのは、このときであった。

普段から、汲み取り式トイレ(私は ぼっとんトイレと呼んでいた)の穴の中を見ないようにしていた。

そこは暗くて、奥のほうから風が吹いてきたりすることもあって、

臭くて、なにかよからぬものが潜んでいるようで怖かった。

その穴に、今自分の身体が半分落ちかけている。


その恐ろしさときたら、言葉では説明がつかない。

とりあえず、肘で支えているから落ちずにいるが、いつまで肘がもつかわかったものではない。

ところで、

人はなぜ、見てはいけないとわかっているものを、あえて見てしまうのだろうか。

映画のシーンで、恐ろしい雰囲気の中で、物音がする方を確かめようとする登場人物。

高いビルの壁にぶるさがってしまい、見なければいいのに下を見る男。

あれはストーリーを盛り上げるための演出ではなく、人間の自然な行動なのだということも、

私は1年生の時に学んだ。




私は穴の中を見た。

暗い。臭い。ぬめぬめしている。こんなに近くで見ても、そこは奈落のブラックホールであった。

穴の中を見てしまってから、堰を切ったようにすさまじい恐怖がせりあがってきた。

助けを呼ばなくては、と気づき、声を出してみるが、

肘に渾身の力をこめているせいか、恐怖のせいか、喉が詰まったようになって大声が出ない。

それでもできる限りの声を振り絞った。


助けは来ない。

肘の力が尽きたら私はどうなるのだろうか。

幸い、汲み取りをしたばかりで底は浅いようだけれど、○○こまみれで窒息するなんてあんまりだと思った。

どうせ死ぬなら、別のことのほうがよかった。


肘がぶるぶるし始めた頃、祖母が私に気づいて助けてくれた。



それ以来、汲み取り式トイレが以前に増して怖くなった。

と同時に、なぜかトイレに関する災いがつきまとうようになったのも、この頃からだ。



災いとは、『行きたいのに、行けない』という状況にばかり陥るのである。

遠足のバスの中で、長じてからは、付き合い始めたばかりの相手とドライブしている車の中で、

旅先のマイクロバス並みの大きさのプロペラ機の中で、

それはもうバカみたいに、行きたいのに行けない、トイレがない、という状況を繰り返すのだ。

水分をあまりとらないようにして、乗り物に乗る直前には何度もトイレに行って、

そうして臨んだ車内で、あの感覚が下腹部を襲ってくると、もう泣きたいような気持ちになった。



30を過ぎた頃、ようやくその災難は去った。

しかしその災難の中で、私は奇跡を体験したのである。

その話はまた次の機会に。










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BISHOP MUSEUM

2013-05-29 07:56:33 | 日記


ファミリーフレンドのアニタに誘われて、ビショップ ミュージアムに行った。

昔からあるミュージアムだが、何年か前に大幅にリニューアルしてから大層評判がいい。

毎日この前を通って通勤するのに、なぜか1度も行った事がなかった。




建物も、なかなかいい感じ。

これはハワイ関連のものが集まっている建物。



中はこんなふう



犬の歯(!)で作った首飾り



ハワイ古代の楽器がいくつも展示されていて、

実際に音を出してみることができる。

ビデオの音楽に合わせて、あれこれ演奏してみる。



花の香り当てクイズ


容器を押すと香りが出てくる。



1800年代、移住した人達



こんな感じで楽しくて、あっというまに1時間以上たってしまう。

結局、このハワイ関連の建物しか見られなかった。

ここはガイドブックに載っているのかどうかわからないけれど、

ハワイを訪れたら、おすすめのミュージアム。






このあと、アニタと一緒にチャイナタウンで飲茶を食べた。

ハワイでは初の飲茶。

平日の12時前なのに、店は一杯だ。

中華料理店独特のわさわさした雰囲気の中で食べた飲茶は、とても美味しかった。

特に私は、ゴマをまぶしたお団子が大好きで、

これだけは絶対に飲茶には欠かせない。

この店のゴマ団子は、揚げたてのかりかりのホクホクで、ああもう大満足。









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