シアトルに、夫の叔父叔母が住んでいる。
夫の母は4人姉妹の長女だが、どちらかというと気難しくてシリアスな母に比べ、
あとの3人の妹達は、開けっぴろげでおおらかな性格だ。
中でもシアトルに住む叔母は、飛び抜けて明るく奔放で、叔父も似たもの夫婦である。
その叔母の家に、猫がやってきた。
クシャミを連発する猫で、たちまちコカインと命名された。
コカインの粉を鼻から吸っている常習者は、鼻がグズグズしているに決まってんじゃない、
と叔母は言うのだが、本当かどうかは怪しいものだ。
コカインは、可愛がられて暮らしていたが、
クシャミは治らないまま。
猫にだって何かアレルギーがあるんじゃないの、と放っておいた。
そんな、ある日。
ポーチで本を読んでいた叔父が、隣のソファにいるコカインの鼻から
何か緑色のものが出ているのを見つけた。
近づいてよくよく見ると、1センチほどの長さで紐のようにも見える。
叔父はピンセットでそれをつまんで引っ張ってみた。
それがスルリと出てきたのと同時に、コカインがクシャミを2連発し、
それ以来、コカインのクシャミはぴったりと止んだ。
緑色のものは、芝生に似た草だったという。
クシャミもしないのに、コカインはコカインのまま、生涯を終えた。
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夫の母は4人姉妹の長女だが、どちらかというと気難しくてシリアスな母に比べ、
あとの3人の妹達は、開けっぴろげでおおらかな性格だ。
中でもシアトルに住む叔母は、飛び抜けて明るく奔放で、叔父も似たもの夫婦である。
その叔母の家に、猫がやってきた。
クシャミを連発する猫で、たちまちコカインと命名された。
コカインの粉を鼻から吸っている常習者は、鼻がグズグズしているに決まってんじゃない、
と叔母は言うのだが、本当かどうかは怪しいものだ。
コカインは、可愛がられて暮らしていたが、
クシャミは治らないまま。
猫にだって何かアレルギーがあるんじゃないの、と放っておいた。
そんな、ある日。
ポーチで本を読んでいた叔父が、隣のソファにいるコカインの鼻から
何か緑色のものが出ているのを見つけた。
近づいてよくよく見ると、1センチほどの長さで紐のようにも見える。
叔父はピンセットでそれをつまんで引っ張ってみた。
それがスルリと出てきたのと同時に、コカインがクシャミを2連発し、
それ以来、コカインのクシャミはぴったりと止んだ。
緑色のものは、芝生に似た草だったという。
クシャミもしないのに、コカインはコカインのまま、生涯を終えた。
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