太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

コカインという名の猫

2013-12-14 21:15:54 | 日記
シアトルに、夫の叔父叔母が住んでいる。

夫の母は4人姉妹の長女だが、どちらかというと気難しくてシリアスな母に比べ、

あとの3人の妹達は、開けっぴろげでおおらかな性格だ。

中でもシアトルに住む叔母は、飛び抜けて明るく奔放で、叔父も似たもの夫婦である。


その叔母の家に、猫がやってきた。

クシャミを連発する猫で、たちまちコカインと命名された。

コカインの粉を鼻から吸っている常習者は、鼻がグズグズしているに決まってんじゃない、

と叔母は言うのだが、本当かどうかは怪しいものだ。


コカインは、可愛がられて暮らしていたが、

クシャミは治らないまま。

猫にだって何かアレルギーがあるんじゃないの、と放っておいた。

そんな、ある日。

ポーチで本を読んでいた叔父が、隣のソファにいるコカインの鼻から

何か緑色のものが出ているのを見つけた。

近づいてよくよく見ると、1センチほどの長さで紐のようにも見える。

叔父はピンセットでそれをつまんで引っ張ってみた。

それがスルリと出てきたのと同時に、コカインがクシャミを2連発し、

それ以来、コカインのクシャミはぴったりと止んだ。

緑色のものは、芝生に似た草だったという。


クシャミもしないのに、コカインはコカインのまま、生涯を終えた。




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