太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

恐怖のヘアピン

2013-12-22 08:07:32 | 日記
昨夜のことだ。

そろそろ寝ようと、ベッドに入りかけたとき、

すでに本を読んでいた夫が、私の顔を見て言った。



「ヘアピンして寝るの?」



日頃から私はヘアピンはつけない。

私が怪訝な顔をすると、顔を近づけた夫がいきなり私の前髪を指で払った。

羽音をたてて何かが飛び去った。



「なに、なになになに???」


「○ック○ーチだった」




気味が悪すぎてフルネームで書きたくもない。

状況描写もしたくない。

が、あえてやってみる。




日本語でいえば ○キブ○ が、ヘアピンよろしく私の前髪にとまっていたというのだ。




「ギャーーーーーーーーーーーーッ!!!




頭をかきむしった。

既に飛び去ったというのに、まるでまだそこにいるかのように気持ちが悪く

鳥肌が足からあがってくる。



何が嫌いといって、あれほど私を恐れさせる生き物はいない。

妹が高校生ぐらいの頃だったろうか。

夜中にトイレのドアから出た妹が、 じゅる っという感触とともに何かを踏みつけた。

それが あれ だったことはいうまでもない。

「あの感触が忘れられないんだよぅー」

幸いだったのは、それが冬で、妹が靴下をはいていたことだ。



こんな話もある。

姉が東京で一人暮らしをしていたとき、仲間を呼んで鍋パーティをやった。

こたつに座り、さあ食べようというときになって、菜ばしがないことに気づいた。

姉が取りに立とうとすると、仲間の一人が


「あ、あったあった、ここにあったからいいよ」


と言って、ビンにさした菜ばしを台所の片隅から取るやいなや鍋に投入した。

しかしその菜ばしは、 あれ が出てきたときに退治した死骸をつまむ専用箸で

姉はそれを言い出すこともできず、非常な罪悪感に苦しんだという。


そういえば、姉が寝ていたときに、ふと気配を感じて目をあけると

ちょうど姉の真上あたりの天井をめがけて あれ が這っていた。

なぜかヨロヨロと頼りなく這っており、姉は必死で

「落ちてきませんように、落ちてきませんように・・・」

と祈ったが、しばらくヨロヨロと進んだあと、意に反して それ は姉の真上で力尽きた。

「そのあとは頭が真っ白で覚えてないんだよね」



とにかくだ。

ハワイはいいところだけれど、常夏だけに年がら年中 あれ がいる。

あれ天国なのだ。

レンタカーにも住んでいることがあるらしいというのは、たんなる噂ではないかもしれない。


家族の中でも異様に気味悪がるのは私だけで

北海道より緯度が高い場所で生まれ育ったからか、夫の両親はまったく恐れない。


家のどこかにいるのは許す。

許すから、どうか私に姿を見せないでくれと願うばかりである。








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