太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

SKY

2013-12-19 19:22:56 | 日記
新しい家族がやってきた。





小鳥だ。




名前はスカイ。

羽根の色が晴れ上がった空みたいだから。だと思う。



思う、というのは、

夫の母の友人の鳥だったのだ。

その友人が病を得て、よりよい治療を受けるために本土に引っ越すことになったのだが

鳥は連れてゆけないので、我が家で引き取った。

彼女には小学生の男の子がいて、なにがどうでも元気になってもらわないと困る。



スカイは、かごの中にある鏡に向かっておしゃべりをする。


子供の頃に、手乗り文鳥がいた。

ヒナの頃に家に来て、父母がやわらかいエサを耳かきであげていたのを覚えている。

文鳥が天寿を全うしたあと、母がどこからか鳥をもらってきた。

文鳥のようであるが、頭の毛が抜けてぼそぼそして、みるからに貧相な鳥だった。

ご自由にどうぞ、と書いてあったんだか、どうだったか忘れたけれど、

とにかく

「私が連れてこなけりゃ、きっと誰も欲しがらないだろうと思ったから」

ということで我が家で飼うことになったのだった。


貰い手のない醜い鳥がどうなってしまうのか考えたら、やっぱり私でも連れて帰ってきたかもしれない。



ブンちゃんと名づけたその鳥は、いつまでたってもハゲたまんまで、お世辞にもかわいい鳥ではなかった。


ブンちゃんはどのぐらい我が家にいたのだろうか。

ある初秋の午後、なにかの拍子で開いたカゴの入り口から出て、どこかに行ってしまった。


「あんなかわいくない子、誰も飼ってくれないし、ひとりでエサだって見つけられないのに」

両親は、特に父が必死にブンちゃんを探した。

暗くなり、とうとうブンちゃんは見つからなかった。


庭から、空を見上げる父の目に、うっすら涙がたまっていたように見えた。

あんな父の顔は、それまで見たことがなかった。




さて我が家にやってきたスカイ。

ここで幸せになってくれるといいなと思う。







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