新しい家族がやってきた。
小鳥だ。
名前はスカイ。
羽根の色が晴れ上がった空みたいだから。だと思う。
思う、というのは、
夫の母の友人の鳥だったのだ。
その友人が病を得て、よりよい治療を受けるために本土に引っ越すことになったのだが
鳥は連れてゆけないので、我が家で引き取った。
彼女には小学生の男の子がいて、なにがどうでも元気になってもらわないと困る。
スカイは、かごの中にある鏡に向かっておしゃべりをする。
子供の頃に、手乗り文鳥がいた。
ヒナの頃に家に来て、父母がやわらかいエサを耳かきであげていたのを覚えている。
文鳥が天寿を全うしたあと、母がどこからか鳥をもらってきた。
文鳥のようであるが、頭の毛が抜けてぼそぼそして、みるからに貧相な鳥だった。
ご自由にどうぞ、と書いてあったんだか、どうだったか忘れたけれど、
とにかく
「私が連れてこなけりゃ、きっと誰も欲しがらないだろうと思ったから」
ということで我が家で飼うことになったのだった。
貰い手のない醜い鳥がどうなってしまうのか考えたら、やっぱり私でも連れて帰ってきたかもしれない。
ブンちゃんと名づけたその鳥は、いつまでたってもハゲたまんまで、お世辞にもかわいい鳥ではなかった。
ブンちゃんはどのぐらい我が家にいたのだろうか。
ある初秋の午後、なにかの拍子で開いたカゴの入り口から出て、どこかに行ってしまった。
「あんなかわいくない子、誰も飼ってくれないし、ひとりでエサだって見つけられないのに」
両親は、特に父が必死にブンちゃんを探した。
暗くなり、とうとうブンちゃんは見つからなかった。
庭から、空を見上げる父の目に、うっすら涙がたまっていたように見えた。
あんな父の顔は、それまで見たことがなかった。
さて我が家にやってきたスカイ。
ここで幸せになってくれるといいなと思う。
にほんブログ村
小鳥だ。
名前はスカイ。
羽根の色が晴れ上がった空みたいだから。だと思う。
思う、というのは、
夫の母の友人の鳥だったのだ。
その友人が病を得て、よりよい治療を受けるために本土に引っ越すことになったのだが
鳥は連れてゆけないので、我が家で引き取った。
彼女には小学生の男の子がいて、なにがどうでも元気になってもらわないと困る。
スカイは、かごの中にある鏡に向かっておしゃべりをする。
子供の頃に、手乗り文鳥がいた。
ヒナの頃に家に来て、父母がやわらかいエサを耳かきであげていたのを覚えている。
文鳥が天寿を全うしたあと、母がどこからか鳥をもらってきた。
文鳥のようであるが、頭の毛が抜けてぼそぼそして、みるからに貧相な鳥だった。
ご自由にどうぞ、と書いてあったんだか、どうだったか忘れたけれど、
とにかく
「私が連れてこなけりゃ、きっと誰も欲しがらないだろうと思ったから」
ということで我が家で飼うことになったのだった。
貰い手のない醜い鳥がどうなってしまうのか考えたら、やっぱり私でも連れて帰ってきたかもしれない。
ブンちゃんと名づけたその鳥は、いつまでたってもハゲたまんまで、お世辞にもかわいい鳥ではなかった。
ブンちゃんはどのぐらい我が家にいたのだろうか。
ある初秋の午後、なにかの拍子で開いたカゴの入り口から出て、どこかに行ってしまった。
「あんなかわいくない子、誰も飼ってくれないし、ひとりでエサだって見つけられないのに」
両親は、特に父が必死にブンちゃんを探した。
暗くなり、とうとうブンちゃんは見つからなかった。
庭から、空を見上げる父の目に、うっすら涙がたまっていたように見えた。
あんな父の顔は、それまで見たことがなかった。
さて我が家にやってきたスカイ。
ここで幸せになってくれるといいなと思う。
にほんブログ村