太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ツキ

2014-07-11 06:43:45 | 日記
ツキがあるとかないとか、

そんなものは気の持ちようだと高をくくっていた。

自分がツイてる、と信じればそうだし、

信じなければそうじゃないだけだ。

と、ひとりで豪語していたのであるが、そんな気持ちが揺らぐ数日間だった。



1.乾燥機がただの箱


始まりは、乾燥機。

ペットシッターしているこの家の乾燥機を回そうとしたら、スイッチごとポロリとはずれた。

外れた後には空洞があるだけ。

その日は仕方がないので、自宅まで洗濯物を持っていって乾かし、

夫がサンルームにロープを張って、洗濯物はそこで自然乾燥させることになった。

タオル類は自然乾燥だとゴワゴワになるから、最後の日には自宅で乾燥させるしかないだろう。



2.消えたボディボード


その2日後、休みの朝にいつものビーチに出かけた。

2枚のボディボードとビーチサンダル、ビーチバッグを木陰において、まずは波打ち際を歩く。

30分ほど歩いて戻ってきたら、ボディボードと夫のサンダルが盗まれていた。

ワイキキやダイヤモンドヘッドのビーチは、絶対に私物から目を離してはいけない。

でも、ここのビーチで何かを盗まれることなんかなかったし、みんな暢気なものだ。

しかたがないので、その日、新しいボディボードを買った。

あんなビート板みたいなものが、何万円もする。



3.ハゲに傷


翌日の朝、玄関脇でものを拾おうとした夫が、そばにあった木の枝で頭をくじいた。

瞬間怒った夫が植物をなぎ倒し、なんだか嫌な週明けの朝だった。

ハゲから出血していて、痛そうではあった。





3.閉まらないガレージドア


その朝、仕事に行こうとしたら、ガレージのドアが閉まらなくなった。

リモコンの電池切れかと思い、ガレージ内のスイッチで試してみても動かない。

電気的に反応はしているのに、まったく動こうとしない。

我が家のガレージだったら、うちは奥まった場所にあって人目につかないし、

半日ぐらいあけたままでもかまわない。隣家の人に頼んでいってもいい。

でもここはよその家で、通りに面していて、しかもガレージ内には高価そうな自転車や

釣りの道具なんかがいっぱいある。

閉まらないままでかけるわけにはいかないのだ。


どうすることもできないまま、既に職場にいる夫に電話をかけた。

月曜日のその日、夫は「最悪の週明け」を職場で過ごしていたらしく、非常に不機嫌。

電話で話していても埒があかないので、今から帰宅するという。

今度は自宅に電話をした。毎日が日曜日の両親がいるから、きっと助けに来てくれるはず。

義母が出て、状況を説明した。

「私たち、昨日からとても調子が悪くて、今すぐには行ってあげられないの」

昨日の昼間は元気だったのに、義母の声は弱弱しい。


仕事に間に合わないのは必至で、まずは社長に電話をかけ、店に誰かが来る時間を見計らって店に電話をいれた。


夫が来るまで30分はかかる。

肉体をもつ人間にはもう頼んだから、私にできることは、肉体をもたない存在たちに頼むだけ。

「もう誰でもいいから助けてよーーー!!」

誇張ではなく、叫んだ。

「神でも天使でも観音さんでもイエスでも釈迦でもミカエルでもいいから、ガレージ閉めてー」


神、いた。


誰かわからないけど、いた。何十回も試して閉まらなかったガレージが、ガラガラと閉まった。


家に向かっているであろう夫に電話をし、夫はトンボ返り。

自宅に電話すると、不調を押して義父が出かける用意をしていたところだった。

仕事には20分遅刻した。



4.下痢嘔吐


ガレージが閉まらなかったその日、どうも3時半ごろから胃がムカムカしていた。

すっきりしないので仕事終わりに、ゆず茶のアイスティを買って帰り、夕食はサラダを少し食べた。

夜中、下痢と嘔吐が始まった。

前の日、夫の両親が二人揃って同じ症状だったというから、何かわからないが同じウィルスか、

日曜に3人で食べた、お昼のハムがよくなかったのか(夫は食べなかった)。


吐くものがないからか、嘔吐はおさまって、翌朝はフルーツを少しだけ食べて仕事に行った。

動ければ仕事に行く。というのは私の信条。

せめて午後のシフトクルーが来るまではと思ったけど、お昼直前でギブアップ。

腰が抜けたような感じで力が入らないので、早退した。


その翌日は、お昼はフルーツしか食べられなかったけれど、しっかり丸一日働いたし、

調子も前日よりはずっとよかった。




たたみ掛けるように起きるプチ災難。


「もーーーーーッ(怒)!!!」


とひとしきり怒ったあと、それが手加減された災難であることに気づく。

乾燥機は使えなくても、自宅まで車で5分だ。

ボディボードと一緒にあったビーチバッグは盗まれなかった。

車の鍵が入っていたから、駐車場でクリックしたなら簡単に車は盗まれてしまう。

実際に昔、夫の友人がそうやって車を盗まれたことがあった。

ハゲの傷は皮がむけたにすぎず、出血がおおげさだっただけだ。

ガレージドアはともかく閉まったのだし、

私の下痢嘔吐も、昨夜からすっかり元通りになって、今夜のコンサートに間に合った。




ツキがあるとかないとか、やっぱりあるのかもしれないけど、

ツキがないように見える中にも、探せばツキはある。

やっぱりそれは気の持ちようなんだ。という、よくわからない結論。





にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村