太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

因果

2014-07-18 18:53:09 | 日記
私の父は、ささやかな事業をやっていて、

ハワイに来る前、私はそこで総務事務として働いていた。


建設関係の仕事は残業が多い。

夜10時以降は、深夜手当がつく。

あるとき、Aが私に言った。

「Bが仕事のあとで下請けと一杯飲んで、そのあとで会社に戻ってきてタイムカードを押してるんだよね」

AとBは同期入社で、若手の中ではトップで仕事ができて、真面目な社員だ。

それが本当であれば、ゆゆしきことではあるけれど

証拠をおさえているわけでもなし、どうすることもできない。

しかしAは、何度も私に報告し、そのたびに言う。

「僕だけ真面目にやるのがバカみたいだ」

私に言わないで本人に直接言ったらどう?と私は言った。

「絶対にいやだね」




あの頃の私はなんにもわかってなかった。

同族会社に身をおくからには、他人よりも割りの合わない思いをしてちょうどいいと信じていたし、

かつ、全社員にこの会社に入ってよかったと思ってもらえる会社にしたい、

と心底思っていて、そのために私にできることを模索していた。

私は私が何とかしなくては、と勘違いして

AにもBにも満足してもらえるにはどうしたらいいのだろうと苦しかった。

会社の中をよくしようと思って、社員とも喧嘩したし、社長である父のことが大嫌いにもなった。




今なら、わかる。

私は、私のことだけをやっていればよかったのだ。

不真面目な他人を見て、真面目にやる自分がバカらしいという気持ちはわかる。

でも、Aの問題はAのものであって、他人の私がどうにかできることではない。

残業時間をごまかしているBもずるいけれど、

私が同族の一員だから、私に言えばトップに話が通ると期待しているAもズルイのだ。



そして、成敗するのは他の誰かじゃない。

人が蒔いたものを刈り取ることはできないし、その必要もない。





サンダルとボディボードを盗まれ、車のカバーを2回も盗まれて、思った。

盗まれたことはいまいましいが、

盗んだ人達は、必ずその行為をどこかで、なんらかの形で支払わなくちゃならないんだ。

エライこっちゃなァ・・・・





勘違いの理想を掲げて働いていた20年余。

あの頃に今の開き直りがあったら、もっとラクだったのにと思うけれど

公私ともに、あの時代の辛さが、私をこの場所に連れて来たのは確かだろう。

そう思えば、やっぱり無駄なことではなかったのかも。

ま、ちと長かったけども。








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