太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ボヘミアン 前編

2015-10-08 19:26:20 | 日記
行きつけのヘアサロンが休業して、日本に戻ってしまってから

美容院をさがして放浪する日々であったが

やっと、ここなら何とかという店を見つけた。

その建物には、元・人間だった存在が住んでいて少々アレなのだけれど、

カットの腕は悪くないし、ワイキキといってもかなりはずれでもあり、私でも行ける場所にある。

そろそろカットの予約をしようとしたら、既にその店は閉店していた・・・



さあ、どうしよう。

またボヘミアンに逆戻りか。



そこに、数ヶ月前にオープンしたサロンの広告が目に入った。

場所をチェック。ワイキキといえども、アラモアナに限りなく近い。

日本人のスタッフで、しかも私が望んでいる種類のパーマができる。

さらには、料金がリーズナブル。





ここで、パーマの話をしておこうと思う。





私がかけたいパーマは、まだハワイでは導入しているところがとても少ない。

だから帰国したときにパーマをかけていた。

ところが、昨年ひどいめにあった。

サロンは東京青山にあり、地元が静岡である私は1日をかけて東京に行く必要がある。

昼間は東京在住の友人と会い、夕方からサロンを予約するというスケジュールにしていたのだけれど、

おととしは私一人で帰国したので問題がなかった。

昨年は夫も一緒で、私が施術している間、待ってもらわなければならない。

カットしてパーマだと、3~4時間かかる。

夫は写真を撮ったり、渋谷のタワーレコードでCDを買ったりして時間をつぶすというので

安心していたのであるが、

2時間半後、サロンに現れた夫はベロベロだった。

写真も撮った、タワーレコードにも行った、でもお酒も飲んだ、ということらしい。


「はーい、ガイジンでえす!」


そのサロンは友人経営で、友人もスタッフも夫とは面識があるのがせめてもの救い。

「あっはーー」

とか言ってる。

恥ずかしいったらない。

あと1時間ぐらいかかるというと、出直してくる、と言う。

私は夫に、「もう絶対に飲んじゃダメだからね」と、きつく念を押した。

「オッケイ、オッケイ、飲まないよ、もう」



果たして1時間後、夫はさらに酔って戻ってきた。

店の場所を忘れないのが不思議なぐらいだ。

私はヨレヨレの夫を引きずるようにして地下鉄に乗り、新幹線の切符を買い、

新幹線に押し込んだ。

さらに悪いことに、静岡に着いたら、改札で友人と会うことになっていた。

地下鉄の中では「むっふぅーー」とか言っていただけだったが

新幹線の中では、すっかり乗り物酔いだか酒酔いだかわからない状況になり、

ビニール袋を握り締めて、こみあげる吐き気と冷や汗と戦っていた。


なんとか吐かずに静岡に着いた。

私は前もって、改札で待っている友人にこの状態を知らせ、

今夜はこのまま帰宅するしかないと伝えてあった。


友人は、会社の同僚を連れていた。

酩酊状態の夫と挨拶だけして、タクシーに飛び乗った。



というわけなのである。





今年も帰国したときに、そのサロンに行きたいと思っていたのだけれど、

夫を3時間半も一人で待たせるのは無理だと悟った。

ただ暇を持て余すぐらいならいいけれど、ONとOFFしかボタンがない夫に、

「お酒を飲むなら適量に」と釘をさすのは無駄であることも知っている。


夫を静岡において、私だけ東京に行く、ということも考えた。

しかし、静岡にいたって同じだ。

ハワイと違ってどこでもお酒が飲める日本では、夫の暴走は止められない。

「大丈夫だよ、今年はもう飲まないから」

という夫の言葉を、どうして信じることができようぞ。



そこで私は気づいた。

そのサロンに行くこと自体が、もう無理があるのだということ。

だからハワイでパーマをかけようと決めた。

そのパーマがなければ、なるべくそれに近いもの。

そうした矢先に、その新しいサロンに同じパーマがあることを知った。


ここだ。


私はさっそく予約を入れた。





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