太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

一人ご飯

2016-04-22 20:54:42 | 日記
夫がフロリダに出張中のため、朝も夜も一人で食事をする。

これがどうにも苦手でならない。

どうやって一人で食べればいいかわからないのだ。

だから、土曜の夜と日曜のランチに友達と会う約束をしてある。



子供の頃から大家族で、一時期は父の会社の若い衆も何人かいたこともあり、

一人で食事をすることがなかった。

大人になってからも、東京の美大に通っていた2年間は、姉と一緒に暮らしていた。

前の結婚時代に、相手が単身赴任していた時期が2年ほどあったはずなのだけれど、

そのときのことを全く覚えていない。

覚えていないといえば、離婚したあと、2年間一人暮らしをしていたのだが、

このときのことも記憶から抹消されている。どうしたことだ・・・・

まるで過去世かと思うぐらいに、遠い記憶になっている。



一人だから、あり合わせで済ませるのは簡単でいいのだけど、

いざ食べる段になると、手持ち無沙汰で落ち着かないのだ。

私はテレビを付けながら食事をするのと、食事の時に相手が何かを読むのが嫌いだ。

うちにはテレビはないが、DVDは再生できるので、映画がついていても、それを止めてから食事をする。


音楽を流してみる。

猫に話しかけてみる。

それでも落ち着かないので、背に腹は換えられずに本を読むことにした。

あんなに夫にやめろと言っている手前、夫には言えない。

前の職場でも、今の職場でも、ランチのときには本を読む。

だいたい一人ランチが多いからというのもあるし、貴重な読書時間でもある。

それを家でもやっているというわけだ。


外ならよくても、家でこれをやると何やら侘しい気持ちになってくる。

独身や単身赴任のサラリーマンが、ひとりうつむいて食事をしているのと自分が重なってしまう。



出張なら、1週間かそこらで帰ってくるけれど、

もし夫が先立ったら、と思うと背筋がゾッとする。

残りの人生、ずーっとこんな侘しい気分で食事をするなんて耐えられない。

夫は8歳年下だから、私が先に逝く可能性が大きいが、うっかり超長生きしてしまったらどうしたらいいのか。

どうか一日でいいから、夫より先にお迎えがくるように祈るばかりである。







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先生と取巻き

2016-04-22 13:09:24 | 日記
話には聞いていたが、中国からの旅行客がとても多い。

他のみんなには、日本人と中国人の区別は難しいらしいが、

私もタイとベトナムの違いはわからない。

だいたい、中国の人は顔つき、服装、髪型でわかる。

それに、自分で自分を撮影する、カメラにつける棒を持っていたら、120%間違いない。


中国の旅行ツアーの一団がやってきた。

出てきたうちの一人から、目が離せなくなった。

蛍光絵の具をそのまま搾り出したような色の服を、それも色とりどりの服を全身にまとっている。

靴は蛍光イエロー、パンツは蛍光オレンジ、シャツはドピンクと赤のマーブル模様、

それに真っ赤なスカーフをぐるりと巻いて、極めつけはパーティグッズかと見まごう赤い派手なサングラス。

彼女を見たら、その残像がしばらく瞳孔に残っているぐらいなのだ。



同僚のピカケがやって来て耳打ちした。


「ねえねえ、ファッションデザイナーの先生だかが来ているわよ」

彼女が指差すほうを見ると、あの蛍光オンナではないか!!!

「他の人達はみんな先生のお付きらしいよ」

そう思って眺めると、蛍光オンナはちやほやされているように見える。

蛍光オンナが化粧品のサンプルを手に取ると、お付きの者たちがこぞってそれを手に取る。

蛍光オンナがナッツの試食をすれば、お付きの者たちも、我遅れじと試食に群がる。

試飲のコーヒーをうやうやしく差し出す抜け駆け者もいる。


「なんていう名前か聞いてきてくれない?」

「なんで?」

「だって有名かもしれないじゃん」

「だったら自分で聞いてきたら?」

「中国語知らないものー」

「ちょっと、私だって知らないってばよ」

「中国と日本、近いじゃないのー」


なんたる理屈。それじゃあアメリカとカナダは近いから、フランス語がわかるのかといいたい。

ピカケはウジウジと知りたがっていたが、聞かなかった。

あの蛍光オンナがどんな服をデザインして(たぶん見たままなんだろうけど)

誰がそれを欲しがるのか興味はあったけれど。




それにしても。



中国の人というのは、どうして相手が誰でもかれでも中国語で話しかけるのだろうか。

私は何度も、

「○×△&#@?」

と聞かれた。

わからないので、英語でそう言っても、同じ言葉を繰り返すのだ。

私が中国人に見えたのだろうかと思っても、他の同僚にも同じことをしている。


中国人は奥が深い。







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