太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

下着の捨てどき

2018-09-02 19:22:25 | 日記
「もし、救急車で運ばれるようなことがあって、こんな下着を着ていたら恥ずかしい」

そう思うことがある。

ブラとショーツは必ずセットで、

いつ誰に見せても大丈夫な下着しか持ってない、という人もいるだろう。

ウラ若き時代には、私にもそういう時もあったが、

今はもう、見せるよりも、心地よさ優先になっている。

言い訳ではないが、セットのブラとショーツを買おうにも、私のサイズを探すのは難しい。

同僚達を見ても、みんなメロンのような胸を揺らしている。

ブラ売り場には、帽子かと見まごうブラがズラリと並び、

私のサイズはジュニア売り場に行ったほうが早いのだ。



キャミソールにしても、ショーツにしても、

見た目がくたびれてきたぐらいの頃が、肌に馴染んでくる。

特に、いつ買ったか忘れてしまった、オレンジ色のコットンのキャミソールは、

適度な薄さといい、肌触りといい、絶妙な丈といい、大の気に入りだ。

肩紐も少しヨレ気味になってきて、

素性の知れない茶色いシミがついてしまって取れないのだが、着心地がいいので着ている。

たとえばこれを着ていた日に、どこかに運ばれてこれを見られたら・・


夫の下着も、そうだ。

穴があき、穴の数が3つを超えても、捨てさせてはくれない。

「だって肌触りがいいんだもの」

それは私もわかるけど、こんな下着をはいた日に、どこかに運ばれて見られたら・・・

シュートメによると、夫の父も同じだそうで、これはDNAだ。



そういえば、昔、母も言っていた。

「私が死んだら、人が見る前にここにあるもの捨ててね」

その時見せたのは、引き出し半分以上あった下着類だった。

今捨てればいいのにと思ったが、

私の母は、どんなものも捨てられない人なので仕方がないと思って黙っていた。

ということは、私もDNAの作用によるのだろうか。




救急車で運ばれるのは、普通は人生のうちで1度あるかどうかだろう。

83の父が、湯あたりで救急車に初めて乗ったと興奮していたぐらいだ。

万一、そういうことがあったとしても、病院関係者は

患者がなにを着ていようが動じないプロフェッショナルなはずだ。

それでも、人に見せたくない下着を着るとき、「今日、救急車はマズイなあ」と思う。

それなら潔く捨てて、誰にでも見せられる下着だけにすればいいだけなのだが、

そして、そうしようと思って古い下着を手にするのだが、

その柔らかな肌触りや着心地のよさを思い、

「もう少しだけ」

と引き出しに戻してしまい、結局捨てどきがわからないままなのである。













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