太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

それは失礼だろう

2018-09-19 07:52:37 | 日記
職場のオフィスに物を取りに行ったら、デイビスとカラニがしゃべっていた。

デイビスは五十代の、年季の入ったゲイ。

カラニも五十代だが、ゲイかどうかははっきりしない(私は違うと思う)。

デイビスは彼氏と、カラニは母親と同居している。

私が部屋に入った時、どんな話からそうなったか、カラニが彼のルーティンを説明しているところだった。


「仕事のあと、家に帰って着替えて、食事をしてからシャワー浴びて、テレビを観て寝る。

朝起きたらシャワー浴びて、食事してランチを詰めて仕事に行く、終わったら家に帰って・・」


そこで誰かがカラニを呼び、カラニは部屋から出て行った。

部屋に残されたデイビスが、私を見てボソリと言った。



「カラニの話聞いたら、自分の人生、文句なんか言えないよな」



いやいや、それは失礼というものだ。



「んじゃ、デイビスの人生はもっと楽しげなわけ?」

「ま、そういうわけでもないけどさ。日曜は仕事のかわりに教会に行って、あとは同じだっていうんだもん」



そりゃデイビスには彼氏がいて、カラニは一人かもしれないけど、

そりゃ、ちょっとは孤独にみえるかもしれないけど。

それに私のルーティンだって、近いものがある。

そもそも、ルーティンっていうのはそういうものじゃないか。


「カラニを見て自分の幸せを感じるなんて、私はカラニが気の毒になるけどね」


カラニのことはべつに好きでも嫌いでもないけど、

おせっかいオバハンは言わずにおれない。














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