太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

フランス 9 ~パリで迷子になる

2022-06-23 07:56:09 | 旅行




シテ島とよばれている、セーヌ河の中州にあるセント・シャペルに行く。

1248年に、ルイ9世によって、キリスト受難の聖遺物を保存するために建築された。
このセント・シャペルと、隣のコンシエルジュリだけが、現存する最古のフランス王宮の建築物だそうだ。

ここで、ノートルダム寺院とのコンボチケットを買ったはずが、なぜかノートルダムではなくコンシエルジュリとのコンボパスを渡された。
ノートルダム寺院は2年前の火災のあとの復興中であることだし、ま、いいかと思って、コンシエルジュリに行った。
行くつもりもなく行ったけど、私はセント・シャペルよりも断然こちらのほうが印象的だった。
10世紀から14世紀までは王宮だったものを、1370年に牢獄として使用されるようになった。
もと王宮だけに、かなり豪華な網走刑務所か・・・

中に入ると、B6サイズぐらいのタブレットを渡される。
それを、建物内にあるQRコード的なものに照準を合わせると、当時のその部屋の様子とともに音声ガイドが流れる。
聞くだけの音声ガイドに比べて、これはおもしろい!タブレットを向けた位置の、昔の様子が再現されるなんて、どういう仕組み?
画面上をタップすると、その説明がポンと出てくる。
これがおもしろくて、写真を1枚も撮っておらず、ネットから拝借。
これはライトアップされた傭兵の間

ここでは3000人ちかい罪人がいたというのだが、当時の牢獄は有料で、お金があれば、家具などを持ち込んで優雅な牢屋生活を送ることができたらしい。
マリーアントワネットも、処刑されるまでここに幽閉されていた。

ノートルダム寺院は、2年前の火災で受けたダメージの復興中。
工事用のバリケードの壁に、火災の時の写真や、復興してゆく過程の写真がいくつも貼られている。
火災で失ったものも多いけれど、全焼しなくてほんとによかった。

フランスのユニクロ発見。
まさか買い物したんじゃ?と思うでしょうが、もちろん買いましたとも。ユニクロを見れば入らずにおられるものか。私はベージュの半そでニット。
夫はここでフランスで唯一自分のものを買った。
青と白の麻シャツを2枚。
ハワイにはない無印良品の店もあって小躍りしたのに、その日は閉まっていて残念。

夕食は、ラテン クォーターと呼ばれる地域で、モロッコ料理を食べた。
ここはギリシャ料理やモロッコなど、エキゾチックな食べ物の店が集まっていて、ジャズの生演奏を聴けるところもある。
雰囲気は原宿っぽくて、細い道の両側にぎっしりと店が並んでいて活気がある。
義両親と一緒だと、パスタやピザ、ムニエルやステーキといった食べ物が多くなって、違う味が恋しくなる。
モロッコ料理は初めて食べたけれど、美味しくて驚いた。タジンという、蓋が尖った鍋でシチューにしたマトンや、グリーンビーンのサラダ、トマトの前菜などどれも美味しくて、完食。
もっと驚いたのは、二人で30ユーロ(3400円ぐらい)!という安さ。夫は何か間違いがあるんじゃないかと聞きに行ったほど。
これをハワイで食べたら、3倍はする。


実は、夕食のあとは水上バスでホテルに戻るつもりだったのだけれど、乗りたかった時間のチケットが完売。日も長いことだし、疲れたらどこかでタクシーでも拾えばいいと、ルクセンブルク宮殿がある公園に行った。

芝生の上で寛ぐ人々。
すごい密度だけど、この日は土曜日だったからかも。音楽を流したりする人はいなくて、それぞれに持参したサンドウィッチをつまんだり、ワインを飲んだりしながら楽しんでいる。
公園のあちらこちらにたくさん椅子があり、そこで読書する人もたくさんいた。

さて、地図を広げてみると、公園からホテルまでかなり距離はあるが、歩けないというほどもでもなさそう。
昨日、シャンゼリゼ通りまで歩いたのと同じぐらい。

地図を眺めながら歩き出したのだけれど、なんかおかしい。あるはずの道が、地図にない。
スーパー方向音痴の私は、夫についてゆくだけ。夫は動物的な地理の勘があるはずなのだ。
バス停にある地図と照らし合わせてみたら、やっぱり違う。
私たちが持っていたのは、Rick Stevesという有名な旅行家が書いたガイドブックに付属していた地図で、義両親のおすすめだったもの。
ガイドブックは確かにわかりやすいのだが、地図はRick Stevesの主観で作られており、あるはずの有名な建物が書かれていなかったり、道が抜けていたり。
私たちのように歩き回らない義両親にはそれでいいのだろうけど。

歩けども歩けども、目的とは違う変な方向に行ってしまう。さすがに足も疲れてきた。昼間のように明るいが、8時近くなっている。
流しのタクシーを拾おうにも、なかなか空車がない。タクシースタンドでボタンを押すと、近くにいるタクシーが来るのだけれど、それも来ず。

途方に暮れていたとき、遥か向こうから1台のトゥクトゥクがやってきた。
「おーい!」
思い切り手を振って、トゥクトゥクに乗り込んだ。
タイでよく走っているトゥクトゥクは、人力車の自転車版。パリにはいろんなタイプのトゥクトゥクがたくさんある。
これは電動自転車に二人乗りの荷台をつけたシンプルなトゥクトゥクで、狭いパリの道をすいすいと走り、渋滞の車の横を抜けてゆく。
顔に当たる風の心地よさ。それにタクシーよりも速かったのでは?
思いがけず、すてきな体験をした。