太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

大風・風邪に与作どん

2017-02-16 09:25:34 | 日記
満月の夜から、ものすごい風だった。

我が家周辺は緑が多いので、木々が大風にあおられてたてる音が

まるで地鳴りのように響き渡る。

人間ぐらいの大きさの枝がぼこぼこ落ちている。

根元から倒れる木もある。

板塀が吹き飛んでしまった家もある。

いったいこの大気のどこに、こんな力があるのだろう。

誰かが、意志をもって、

なにかを吹き飛ばそうとしているようにみえる。

そしてお決まりのように、頻繁に停電する。

ハワイの停電の多さは日本と比較にならないほどで、

でも知人が17年前に移住してきたときは、毎日30分以上停電していたというから

ずいぶんよくなったのか。



大風にともなったのか、私は突然風邪をひいた。

ある早朝、強烈な喉の痛みで目が覚めた。

私は熱があるとわかると心が病気になるので、熱ははからない。

風邪のとき、1番調子が悪いのは朝で、仕事に行って体を動かしていると少しいいような気がする。

仕事にいくと、会う同僚たちに

「風邪?」

と聞かれる。どうやら顔も風邪をひいているようだ。


風邪をひくと、首にタオルを巻くのは私の実家だけかしらん。

「首と名前のつくところは冷やしてはいけない」

と母は言う。

実家の両親は、風邪でなくても冬には、首にタオルを巻いて寝ている。

その与作どんのような姿は、私はすっかり見慣れたけれど

夫は最初のうちはギョっとしたらしい。



今日は休日。

夫を送り出したあと、二度寝して、

どこかに行きたくても車はないし、風邪はひいているし

首にタオルを巻いて鼻をかみかみ、コラージュをこつこつやっている。






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人生「ふと」がサイン

2017-02-14 08:59:42 | 不思議なはなし
ワイキキのギャラリーを辞めた翌週、

まるまる自由に使える休日が嬉しくて、さっそく美容院の予約をした。

美容院に行く前夜、寝る前に ふと 

『マイクが近くに住んでいたな、暇だったら美容院のあとでお茶でもするか』

と思い、メールをしたらすぐに返事が返ってきて、会うことになった。

マイクは、私に絵を売ることを教えてくれた画家で、ワイキキを紹介してくれた人でもある。



私が行く美容院は、ワイキキのはずれのホテルの中にある。

マイクと会い、ランチでもしようということになり、

同じホテルの中にあるレストランに向かって歩いていると、誰かがマイクを呼んでいる。

見れば、ギャラリーの入り口で女性が手を振っている。

彼らは古い知り合いで、久しぶりに会ったようで近況を話しているうちに、

マイクの絵をここで売ったらどうか、という話になった。

するとマイクが私の背中を押して

「この人もアーティストなんだよ。なにか作品の写真あったら見せてあげてよ」

と言うので、携帯電話に入っていた作品を見せた。

「あら、いいじゃない?作品持ってきてよ、オーナーに見せるから」



いい話になるといいなあと思ったが、ほうっておいた。

するとまず、マイクの作品がそこで売られるようになり、私はマイクにせっつかれるようにして

ギャラリーの彼女に電話をし、私の作品サンプルを持っていった。



そして10日後。

私の作品もそこで売ることになった。

それも私にとって都合のいいことばかりである。


・前のギャラリーのように週に1日店番をする必要がない

・売れた際の私の取り分が、前よりも高い

・マイクとは職場で毎月曜日に会うので、作品の補充は、近所に住むマイクが代わりにやってくれる





ふと思うこと、ふと頭をよぎること、

それが直感であり、正解である。



しかしそれは本当にかすかな思いで、しかもそう思う理由がない。

それをキャッチしても、まごまごしているとすぐにエゴがワーワー出てきて

そうしないほうがいい理由や、そうしなくてもいいようなことを言い立てるので

ついエゴの言いなりになってしまう。



来た道を振り返っても、いつでも大事なことはことごとく「ふと」降りてきた。



美大を受けようと思ったのも、

離婚しようと思い立ったのも、

再婚するならガイジンにしようと思ったのも、

夫を見た瞬間、この人だ!と決めたのも、

ハワイに来て、本屋で働こうと思ったのも、

今の職場に転職したのも、

ワイキキのギャラリーを辞めようと思ったのも。





「ふと」降りてきたそれを採用しようと心に決めると、

それを助けてくれる人に必ず出会う。



人生の転機だけじゃない。

そのギャラリーに作品を置いてきたその日、せっかくホノルルまで来たから

日本食スーパーに寄っていこうと思い、その駐車場に乗り入れるときに

ふと2階のパーキングに停めようかな、と思った。

しかしすぐに、まあいいや、1階のどこかにとめたほうが楽だし、と思い直したその10秒後、

私の車は1階駐車場のコンクリ柱に激突し、無残なことになったのだった。


考え方はいろいろある。

私にどうしても起こるべきことが起きたが、自損というラッキーに恵まれて最小限で済んだ。

もし2階に停めていたら、事故は免れたかもしれないが、

その起こるべきことはまた別の場所で起きたかもしれない。とかね。





直感を採用する練習は、いろんな場面でできる。

お店でデザートを決める時、真っ先にチョコレートケーキが美味しそう、と思ったらそれにする。

でもカロリーが高そうだからパンナコッタにしておこうかな、とか

これで8ドルはあんまりだから、こっちにしておこうかとか、あとから出てくるエゴを無視。



ふと、がサイン。





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家計簿と貧乏神

2017-02-12 13:55:31 | 不思議なはなし
日本に帰省した友人がくれたお土産の中に、家計簿が入っていた。

どうして家計簿をくれたのか、しばしその意味を考えてしまった。

なぜなら、私は家計簿が不要だし、友人はそれを承知しているはずなのだ。

だから、これにはきっと深い意味があるのだと思った。

しかし先日、その友人に会った時、言ったのだ。

「お土産の中に家計簿入っていたでしょ、ごめんねぇー、私、間違えちゃったよ。

なんであなたに家計簿あげたのか、自分でもわからない」



私が家計簿をつけると、ろくなことにならない。

家計簿以前に、私に家計を任せると、あろうことか私は貧乏神になってしまうのだ。


お金はなくなるもの。

お金は貯まったと思えばろくでもないことに消えてゆく。


これは母から刷り込まれた、強力な呪い(?)で、

何度も手放そうとしたけれど、1番いいのは家計に手を出さないことだ。

前の結婚時代に、私はそれはそれは几帳面に家計簿をつけた。

月々の予算もこまかくたてたし、貯蓄計画だってたてた。

その結果、どうなったか。

これは何度か記事にしているが、

離婚するときに、我が家には驚くほど貯金がなかった。

家のローンを繰り上げ返済してはいたけれど、それにしても不っ思議ーー。


再婚してから、私はすっかり家計管理からリタイアした。

それでも日本に住んでいた間は、銀行関係は私がやるしかなかったので

おおまかにでもお金の出入りはわかっていたが

ハワイに来てからは、それすらもわからない。

私はキャッシュカードすら持っていない。

手元の現金がなくなってくると、夫にもらう。

私と夫の収入は、べつの口座に振り込まれる。

医療費やクレジットカードの支払いなどの小切手は、夫の口座から落ちる。





ここで余談。

日本では、ほとんどの人が公共料金やカードの支払いを自動引き落としにしているけれど、

ここでは、請求書を受け取り、小切手で支払っている人が多い。

引き落としにすれば楽なのに、と思うけれど、それは日本での話。

まず、アメリカの銀行には『通帳』が存在しない。

お金の出入りを確かめるには、ネットバンキングを使うしかない。

それがめんどくさい人は、小切手でその都度支払うほうが確実だ。


しかも、引き落としにしていて、なにか手違いがあったとき、あるいは、

引き落とすのを中止したいだとか、そういったことが起きたとき、

日本だったら、その対応が即座で確実なのは当たり前だけれど、ここではそうはいかない。


5ヶ月前に頼んだ網戸の修理に、悪びれることなく笑顔でやってくる国。

買った家具が3ヶ月たっても届かず、電話すると、その家具は在庫がなかったと普通に言われる国。

留守にする間、郵便をとめてほしい書類を出しても、ちゃんと郵便が届く国。

キャッシュカードを作った時、「総合口座」から落ちるようにしてと何度も頼んだのに、

なぜか「普通口座」から落ちるようにできあがっており、

それも催促してようやく手に入れた国(アメリカでも指折りの銀行なんだ、これが)。


だから、中止したはずなのに引続き引き落とされているとか、

手違いを認めたのに、いつまでも返金されないとかいったことは、容易に想像できる。


ネットバンキングも、夫の叔父の弟が、あるときチェックしようと開いたら

残金がゼロだったことがあった。

ハッカーに盗まれたのだったが、もちろん保障されて戻ってきたにしても、

「心臓が止まるかと思った」という彼の気持ちは真実だろう。


というわけで、我が家も支払いはすべて小切手を郵送しているのである。





とにかく、

私が家計管理をリタイアしたら、収入は前の結婚時代の半分であるにもかかわらず、

それなりにお金が残る。

不っ思議ーー。

家計簿をつけさえしなければ、私は貧乏神を卒業できるのである。







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トースター猫

2017-02-11 16:06:05 | 日記
朝、トーストを食べたい気分の日は、

普段は棚の中にあるトースターを出してきて使う。

熱くなったトースターにビーチタオルをかぶせると、

そこにチーズケーキ ボーイがヒョイと乗る。






ちょうど湯たんぽのあたたかさ。

日本で、猫のために座布団サイズのホットカーペットを買ってこようと思っていて

すっかり忘れた。

暖房器具のない我が家では、トースターは貴重な暖をとる道具なのだ。

チーズケーキ ガールのほうは、あまりこれが好きではないようで、

トースターは1台しかないので都合がよかった。


数週間前、ボーイのほうが異様に頻繁にトイレに行くことに夫が気づき、

観察していると、オシッコが数滴しか出ない。

あわてて病院につれていき、膀胱炎らしいということで薬をもらってきた。

走り回っているし、元気なので見落としていたけれど

ほうっておくと危ないのだという。

2週間、毎日薬を飲ませて、フードを替えて、

今はもうほぼ普通になった。

猫を飼うのは初めてで、学ぶことが多い。



猫がトースターであたたまりたいほど、ハワイはまだ冬である。






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