元町映画館で「いのちを楽しむ―容子とがんの2年間―」を観てきました。
元町映画館での上映は16日で終わりですが、まだ、全国のどこかで上映は継続中です。
乳がんからの転移で、余命1年と告げられた渡辺容子さんの最期の2年間を追ったドキュメンタリー映画です。
容子さんの主治医は慶応大学病院の近藤誠医師。『患者よ、がんと闘うな』の著者です。
容子さんは近藤医師の、すぐ切らない、抗がん剤を使用しない治療を選びました。
身体を急速に消耗させる治療より、ゆるやかにその時を迎える生き方を選んだわけです。
『容子語り』という生前追悼文集を作ったり、思い出の地を訪ねたり、講演会や脱原発運動にも参加していました。
やりたいことをやってきて、一生幸せだった。
映画は最後の最後まで、積極的に活動する容子さんを追います。
「死ぬことは、眠って永遠に起きないこと」なんていう容子さんの言葉は、死ぬことを徒に恐れる必要はないと思わせてくれます。
でも、映画はきれいごとだけで終わりません。
最後は痛そうで、辛そうです。
経営上の都合で、放射線科には入院ベッドがなく、毎日放射線治療に通院しなければならなくなります。
患者の負担は大きくなります。おかしな話です。
容子さんの遺骨は遺言どおり、生まれ故郷の福島県川俣町の牧場に散骨されます。
原発被害をこうむったところです。
緑豊かで、小川にはおたまじゃくしが群れ、水辺にはクリンソウが咲いていました。
容子さんのブログ暗川がまだ残っています。
(映画のスチル写真は映画.comから借用しました)