映画、小さいおうちを観てきました。
公開後日が経っていて、1日1回上映になっていたのが、出演者の一人、黒木華(はる)さんがベルリン国際映画祭で最優秀女優賞「銀熊賞」を受賞して、1日3回上映に復活、それがまた1回に減っていたものだから、ほぼ満員の盛況でした。
観客のほとんどがシニア料金世代^^。戦前のある程度収入のあるサラリーマン家庭や作家や学者の家庭に女中さんがいるのはよくあることだと知っている年代です。
黒木さんの女優賞に文句はありませんが、光っていたのは松たか子さんのほう。
帯締めを口にくわえて帯を締め、鏡に向かう姿は、さすが和服を着なれた梨園のお嬢さまです。
出演者は山田監督の前作「東京家族」とかぶってるし、吉岡秀隆さん、倍賞千恵子さんなど、山田組作といった趣きです。
原作の「小さいおうち」は2010年上半期の直木賞受賞作で、作者は中島京子さん。
私はその翌年に読んでいます。
中島さんは新聞の縮刷版や婦人雑誌のバックナンバー、昭和10年代前後に出版された本を参考に当時の世相をかなり正確に表現しています。
とてもうまく書かれた小説だと読み終えた記憶が残っています。
山田監督の映画は反戦、厭戦の思想をせりふやナレーションで説明的に加え過ぎだと感じました。