昨年末の暴風時に店内に避難していた紅白の南天を外に出しました。やはり空の下が似合いますな。
屋内で乾燥気味だったからか、いささか色味や艶があせたようですが、それでも自然の風に吹かれて気持ちよさそうにしています。
さて、昨日のブログでLINE用のQRコードを貼り付けたのはよかったものの、「スマホで観てくださっている人はそこに表示されたQRコードを読み取れないのでは!」と、私にしては早く気づきまして、これは皆さんにお詫びせねばと思った次第です。
が、スクリーンショットとかをやれば読み取れると分かりましたのでひと安心。よろしければどうぞご活用くださいませ。
そして昨晩の教材は「にごり酒」。
「金鶴・純米活性にごり酒」を1年間保存しておいたものです。新鮮さが特徴のお酒を長期保存するのはナンセンスと思う人がいらっしゃることは百も承知の助。ですがいつも申しておりますように、どのように飲むかは買ってくださったお客さんの自由なのです。そしてその自由さから日本酒の可能性が広がることもあるはずなのです。ですから一般論の枠にはまった考え方ばかりしていては日本酒を窮屈な飲みものに成り下がらせるつまらない酒屋で終わってしまうのですよ。
あくまでも勉強のためですので何をどう感じたかは内緒ですが、ひと言だけ言わせてもらえば「燗が良かった」ですわ。新酒の「活性にごり」を燗にしたときは向いてないと思いましたが… やはり熟成もひとつの技術ですな。ここにも新たな可能性がありました。
25年以上前から造り続けられているこの「にごり酒」。斬新さはありませんが冬の定番として毎年たくさんの人が楽しみにしてくださっています。新商品を出す前に今あるものにより磨きをかける、それこそがものづくりの肝だと思いますねぇ。このお酒もそういった中のひとつと言い切って間違いないですわ。
真味只是淡 しんみただこれたんなり
至人只是常 しじんただこれじょうなり
素朴でごく普通に感じるもの(人)の中にこそ本当に優れているもの(人)がある… 中国古典に書かれたことは今にも通じますな。いえ、いつの時代にも。
腕の良い杜氏はお酒がカタチになった後、どれくらいの期間でどのように変化していくかを察して造っていると聞いたことがあります。それは数ヵ月から数年先まで、醸造技術の上に時間を味方につける術までも体得した人の酒造り。憧れますねぇ。でもそういう人たちってあまり知られていないんですよ。自ら目立とうともしなかったでしょうし、目立とうとする暇があったら腕を磨く時間に費やしたでしょうから。
なんだかんだと長くなってしまいました。田舎酒屋の戯言とお聞き流しくださいませ。
それでは普通のお酒の旨さに感謝しながら 本日も日本酒で乾杯!