【甑倒し(こしきたおし)】
酒造りでお米を蒸すときにつかう大型の桶のような蒸し器のことを甑(こしき)と呼びます。
蒸した米に含まれている成分を麹や酵母などが共同作業でおいしいお酒にしてくれるように人間が誘導する行為が酒造りで、この「米を蒸す」~「酒が出来る」の工程をひと冬に何回か行います。
春が近づき「これが最後の蒸米だよ。」と蒸しあげる工程が完了すると甑の役目は終わり。まだ仕込みは続きますが今期の酒造りも目処がたったと蔵元が祝の宴席を設けることを「甑倒し(こしきたおし)」といい、この席では、「みなさんお疲れさまでしたね。」との意味を込めて杜氏率いる蔵人が上座、社長は下座になります。甑を洗浄するために横向きに倒すことからそう呼ばれるようになった行事だそうで。
「気がついたらもう3月、あっという間ですね。」
明日 無事に甑倒しを迎える酒蔵の杜氏さんが晴れやかな表情で言いました。外は雨、でも一気に明るい気持ちになりましたよ。
新潟市西区の老舗蔵、何事もなかったかのように振る舞って居られますが 周辺の状況を知っている同じ西区民の私どもからすれば例年とは違った大きな負担が蔵の人たちの心身にかかったであろうと容易に想像できます。それだけに「甑倒し」と聞いたときには「おめでとうございます!」と言う言葉がとても自然に、こころからの喜びとともに出ましたわ。
本当におつかれさまでした・・・って、まだお酒が完成するまでには工程が続きますけども。
心にも 花咲かせけり 桃の酒
どなたの句か思い出せませんが 今日の私の心境にピッタリでしたので使わせてもらいました。
それでは皆さん、金曜日の夜を楽しくお過ごしください。
本日も日本酒で乾杯!(^o^)丿
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