小松左京のこの小説は、まるで今のパンデミックの状況を描いているような感覚がありました。でも、相当昔の著作なので、ジェンダーに関してはもやもやするところが多かったです。とんでもなく毒性の強いウイルスに南極以外の人類が壊滅し、さらに核ミサイルで破壊された地球。生き残ったのは南極の各国の基地の人間だけ。集めて1万人。そのうち、16名の女性。
子孫を残すためなのか、その16名の女性がまるで従軍慰安婦的な役割と妊娠をする。これって、どうよ?私は、16組の結婚があれば、残りは諦めてもらうほうがいいと思います。最大数で16組。当然、結婚しなくても自由でしょう。女性は、男性を慰め、子どもを産む道具なのか?冗談じゃないですよ。これに関しては怒りを覚えますね。
なぜ、性行為は男性主体なのですか?女性が男性を「おもてなし」しなくてはいけないのか?そもそも、性交はどうしてもしなくてはいけないことなのか?人類は知性がある以上、他の生物とは違うでしょう。ほかの生物だって、選んで交尾しているはずでしょう。ああ、納得いかない。女性にも、選ぶ権利はありますから。もう、慰安婦なんてことはやってはいけない。それぞれの尊厳を重視しなくてはいけない。
誰も、支配されてはいけないし、支配してはいけない。最大数16組の家族がそののち、子孫を増やせなくなっても、それは運命だと諦めるべきですよ。誰彼構わず性交して妊娠し、子供を産むなんて、絶対に許せない。私は嫌だね。日本はもっとしっかり性教育を充実させないと、本当にジェンダーギャップは埋まらない。女性にだけ犠牲を強いる社会は、絶対に間違っています。ああ、悔しい!