ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

「復活の日」を読んで、もやもや。

2021年03月21日 17時03分01秒 | 読書

 小松左京のこの小説は、まるで今のパンデミックの状況を描いているような感覚がありました。でも、相当昔の著作なので、ジェンダーに関してはもやもやするところが多かったです。とんでもなく毒性の強いウイルスに南極以外の人類が壊滅し、さらに核ミサイルで破壊された地球。生き残ったのは南極の各国の基地の人間だけ。集めて1万人。そのうち、16名の女性。

 子孫を残すためなのか、その16名の女性がまるで従軍慰安婦的な役割と妊娠をする。これって、どうよ?私は、16組の結婚があれば、残りは諦めてもらうほうがいいと思います。最大数で16組。当然、結婚しなくても自由でしょう。女性は、男性を慰め、子どもを産む道具なのか?冗談じゃないですよ。これに関しては怒りを覚えますね。

 なぜ、性行為は男性主体なのですか?女性が男性を「おもてなし」しなくてはいけないのか?そもそも、性交はどうしてもしなくてはいけないことなのか?人類は知性がある以上、他の生物とは違うでしょう。ほかの生物だって、選んで交尾しているはずでしょう。ああ、納得いかない。女性にも、選ぶ権利はありますから。もう、慰安婦なんてことはやってはいけない。それぞれの尊厳を重視しなくてはいけない。

 誰も、支配されてはいけないし、支配してはいけない。最大数16組の家族がそののち、子孫を増やせなくなっても、それは運命だと諦めるべきですよ。誰彼構わず性交して妊娠し、子供を産むなんて、絶対に許せない。私は嫌だね。日本はもっとしっかり性教育を充実させないと、本当にジェンダーギャップは埋まらない。女性にだけ犠牲を強いる社会は、絶対に間違っています。ああ、悔しい!

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朝日歌壇3月21日

2021年03月21日 15時43分49秒 | 短歌

高野公彦選

分解に四百五十年かかる使い捨てマスク海に増えゆく      岡崎市 西村愛美

この雛は江東三月火の十日くぐりし雛と持主語りき       我孫子市 松村幸一

 一首目、使い捨てマスクを海に捨てるなんて、絶対に許せない!可燃ごみで出せるのに~。二首目、東京大空襲を生き延びたお雛様、すばらしいです。

永田和宏選

日本史で習わなかった昭和史を半藤さんは教えてくれた     東京都 堂本明代

大坂がCome onと拳を握るときテレビの前でわたしも握る    松阪市 こやまはつみ

 一首目、半藤さんの追悼歌。彼の昭和史研究は、多くの人が学ぶべきものです。反戦の思いを後世に伝えなくては!二首目、今回は大坂なおみの歌が多かったようです。この気持ち、私も同感ですね。これを詠んだこやまさん、次の馬場あき子氏も別の歌で選んでいました。

馬場あき子選

亡き父をつまずかせしは酒なりきその酒をわれ今日も呑むなり   多治見市 野田孝夫

 アルコール依存は、ストレスもあるかもです。亡夫も相当の酒飲みで、飲んだら目が座り、酒乱になる。いい加減やめたほうがいいのにと思っていたら、肺がんで、お酒飲むどころじゃなくなった。どんなつまずきかたをしたのか、気になる所ですが、お酒の依存は遺伝だったら、ちょっと怖いです。ほどほどに、楽しいお酒であってほしい。私はうまく、ノンアルコールも使っています。この年齢だと飲み過ぎはすぐに体に悪影響ですもんね。

佐々木幸綱選

真夜中の地震に妻は湯舟より人魚のごとく飛び出して來る     仙台市 小野寺健二

長男は別人格ではあるけれど世間が見れば親子は親子       熊本市 柳田孝裕

 一首目、面白い場面だなあと思いました。まだお若い夫婦ではないでしょうか?中年過ぎたら、誰も「人魚」とは言ってくれない気がします。最近、本当に地震が多くて、たまらないですね。二首目、親子は確かに別人格。でもなかなか世間はそう見てくれません。私は子供がいないからよくわからないけれど、親は大きな存在でしたが、その当人たちは子育てに慣れているわけじゃないし、子どもがいるから親になったんじゃないかな。親の責任も二十歳まで、といっても選挙権は18歳からだから、その年まででしょう。ただ、今の社会では8050問題など、引きこもりでパラサイトの大きな子供が確実にいますから。引きこもりは、社会の不寛容さから生まれるんじゃないかと思います。世間はもっとあたたかいものであってほしい。

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