ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇6月27日

2021年06月27日 21時17分23秒 | 短歌

馬場あき子選

「復興」の掛け声徐々に薄れきて「やるためにやる五輪」となりぬ        横浜市 白鳥孝雄

気にすれば大音響の蝦蟇の声気にしなければ不思議と聞こえず          菊池市 神谷紀美子

 一首目、この歌は永田和宏氏も選んでいます。まさにその通りです。日に日にコロナ感染者が増えていくこの現状で、どうしてオリンピックができると思うのでしょうか。海外からの選手団や関係者、大勢来るのに、空港で止められないとしたら、当然国内で蔓延してしまう。オリンピックの期間は絶対に人ごみに近づかないようにしなくては。きっと、歴史に残るオリンピックとなるでしょう、ああ、恐ろしい。復興なんてとんでもないくせにね。2首目、そういうものです。気にすれば気になる。でも、自然から来る音なら、気にならなくなるはずです。蝦蟇もここでは見ません。前の住居では、道路で傷ついた蝦蟇がいて、なんとか近くの池のある寺に頑張って運んだものでした。確かに、以前の住処の方が間近に自然がたくさんありましたっけ。こちらでは玉川上水はあるけれど・・・。蛙の大合唱も、ここでは聴こえない。人間が自然の音を消してきたってことです、悲しいですね。

佐々木幸綱選

「退却」をかつて「転進」「汚染水」いま「処理水」と変はらぬ欺瞞      長野県 山口恒雄

 あの戦争で、大本営は嘘をついてばかりいました。みんなだまされたのです。戦後も、汚染水を処理水といってごまかす、同じようなことを政府はしているんですね、汚いなあ。

貯蓄無き頭脳に知恵を借りるため図書館といふ銀行へゆく           村上市 鈴木正芳

 なるほど、そういう見方があるんですね。私も最近よく図書館を利用しています。家の本棚は小さくてもういっぱいなので、さらに買うわけにもいかず、図書館が頼みの綱です。人気の本はワクチン接種のようにずっと待たなくてはいけないようです。

永田和宏選

同じ月見上げていても解らない皆既月食 君との未来             東京都府中市 青木凪

 誰だって不安です。その不安があるからこそ、一緒になるんじゃないかなあ。君との未来を一緒に過ごしませんか?

コメント
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