ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇4月24日

2022年04月24日 20時41分44秒 | 短歌

高野公彦選

残念な生き物王座に輝くは戦争絶えぬホモサピエンス      川崎市 森八重子

 こんな悲しいことはありませんね。人類は、いつになっても戦争を起こし、それがほかの生態系にも悪影響を及ぼしているんですから。

永田和宏選

向日葵と小麦の大地に春近し銃を持つ手に種は蒔けない     日立市 加藤宙

ウクライナ見れば軍備は必要とこの友までが言い出すのかと   神奈川県 神保和子

戦場に掘られた穴に重なれり納体袋に納体袋が         観音寺市 篠原俊則

 一首目、ウクライナカラーが、この向日葵と小麦の黄色に、青空の青なのです。こんな国なのに、小麦を作ることが出来ない。そういえば、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの名画「ひまわり」も、ウクライナが舞台だったのです。その美しい国土が、ロシアの侵攻でこんな目にあうなんて、絶対に許せないことです。ウクライナの小麦は、世界の宝なのに、なんてことするのでしょうか。この先、パン屋は大変なことになると思いますよ。ロシアがやったことは、地球規模で不幸をもたらしています。この歌は、馬場あき子さんも選んでいます。2首目、そもそも、日本には憲法9条があります。戦争放棄です。だから、私たちは戦ってはいけない国民なのです。誇りをもって死んで行くしかないのではないでしょうか。そもそも、軍備や核を持つことで戦争を回避できない状況になっていますよね。さらにいえば、原発もテロや戦争の標的にされる、それがわかっていて再稼働なんてできますか?かくも持つことは許されないけれど、原発も、再稼働の危険は明らかなはずです。東日本大震災の教訓は、学ばなかったのですか?いまだに生活が戻らない人たちがいるんですよ。節電やいろんなことで、エネルギーを使わない方策を考えるべきなんじゃなくて?便利ということがすべて戦力に頼っている現実から離れましょう。自然に戻るというのは、大変なことですが、試してみる価値はあると思います。三首目、簡単に人が死んでこんな形になるなんて、想像できました?日本は火葬が標準なので、そのまま埋めるということに驚きました。アウシュビッツの悪夢を思い出します。観音寺市の篠原さんは別の歌を高野公彦さんが選んでいました。

馬場あき子選

ポンペイの灰に埋もれし死者たちに核戦争の未来重ねる    東京都 野上卓

 本当に怖いことです。でも、ポンペイは、火山灰で埋もれたのですが、おそらく核戦争だと、一瞬で人体が溶けてしまって、核の灰で埋まる以前に形がなるなると思います。ヒロシマでもコンクリートに人体の陰が残っていた、そんな状況なのではないでしょうか。一瞬にして地獄絵です、生き残っていても。そうならないことを祈るしかないです。

佐々木幸綱選

三度目の過ちとなる瀬戸際に晒されている大戦と核      尾道市 森浩希

 先の第二次世界大戦の後、戦争の裁判が行われました。ニュルンベルクと東京裁判です。この裁判は、二度とこんな戦争を起こさないために行われたものでした。ところが、今の状況は、どうでしょうか。ロシアが他国のウクライナに侵攻して戦争を続けている。こんなことはあってはならないことなのに、ですよ。21世紀に、こんな戦争が起こるなんて、とても信じられません。核抑止力も、今となっては意味をなさないようになっています。人類が地球を破滅させてしまうかもしれない、こんな傲慢なことをやっていいわけないですよね。人間の社会というのは、こんな破綻を招くことになるなんて、いっそ人類なんか滅びろと思いますよ。家畜やあらゆることで、生態系を壊している。人間の存在自体が罪なのかと、悲しくなります。

 

コメント (4)
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