佐々木幸綱選の中で、私がいいなあと思った短歌はありませんでした。ほかの選者も選んでいたスピノザのレンズ磨きの歌ですが、私は無知でスピノザがレンズ磨きで生計を立てていたという逸話は知りませんでした。調べたら、それは嘘のようです。
高野公彦選
世の中はどうあれここに豆御飯ひすい煮初夏の旬を楽しむ 熊本市 桑原由吏子
とにかくおいしそう!私も、食べることしか興味がなくなりました。あまりにも世の中がおかしいからです。さて、今回も、お子ちゃま短歌が幅をきかせていますが(佐々木幸綱氏以外、全員お子ちゃま短歌を選んでます)、これでいいのでしょうか?
永田和宏選
中止には勇気がいるが実施には蛮勇がいる東京五輪 東京都 北條忠政
毎日、オリンピック出場が決まったとかスポーツニュースを見るたびに、本当にオリンピック開催するの?と疑問だらけです。報道も、当たり前のようにこういうニュースを流しているけれど、開催反対の声はもみ消されてしまうのでしょうか。
馬場あき子選
図書館へ美術館への習慣が一年途絶え眼の衰へぬ 岐阜県 金子秀重
子をもてば鴉も母親声からし鳶に抗う春の青空 佐世保市 近藤福代
一首目、本当にそうですよ。美術館や映画館に行かれないのはつらい。先日、八王子夢美術館に行きました。なるべく密にならないように気をつけながら「北斎展」を楽しみました。彼の絵に文字がはいっているものをもっとよく見たかったのですが、残念。今度行くときは仮名文字の一覧表を持参して解読したいと思います。二首目、害鳥扱いの鴉だって必死ですよ。応援したくなりました。