『書物も、ウェブ情報も、悲観論が多い中で、明るい未来を探したい 1』
—人間が団結して、AIと戦わず、管理・統制・共存しなければと祈念—
新年早々ですが、第5次中東戦争が勃発しかねない様相です。 先哲の書物や、他の情報・知識から情勢を理解している関係国のリーダー達の正しい判断で、戦争が回避・抑止されると信じています。
書物のジャンルはいろいろありますが、人文書や実用書等には、『世の中を良くする効力』をいろいろ期待したいものです。 書物・ウェブ情報での政治への影響も難しいようです。 身近な例ですが、政治を通して、世の中を良くしたいことの難しさを、日本の二人の作家がこのように、書いていたように記憶してます。
先ずは、『複合汚染』(レイチェル・カーソン著『沈黙の春』の日本版に例えられる名著)の著者・有吉佐和子氏です。 著書『日本の島々、昔と今』の取材を通じて知った、内航船舶燃料価格問題に関しては、『自分も少しは知られた作家ですが、政治には全く影響を与えられなかったことが判りました』と。
ウキぺデイアから引用
余談で今回のテーマとは関係ありません。 有吉佐和子氏の中国訪問時の当時の周恩来首相との会話です。和服を好み、外国訪問時には華やかな和装でしばしば周囲の注目を集めた。 国交回復前の中国に日本の作家団として招待されたときにも、派手な服装の自粛をすすめられたにもかかわらず、華やかな着物で訪問して歓迎され、周恩来首相に『今日の私の着物の柄が牡丹(中国の国花)でなくて残念です』と言ったところ、首相から『牡丹はあなた自身ですね』と返されていると。 ウィットに富んだ、社会派小説作家と周首相でした。
次に、『ウェブで政治を動かす!』の著者・津田大介氏です。 この本の中で言っています。 『どんな良いツールと実力も持っていても、個人自身が政治活動団体・グループに属して、その中で実力、信用・実績・地盤(派閥)を持たないと政治は、なかなか動かせない』と。
最近は、世界中で、表記のテーマのように未来に、不安と逼塞感でいっぱいです。特に日本は心配です。 最近、並行読みしている3人の学者・作家の数冊の本ですが、かなりタフな本ばかリですが,今回のテーマの理解に近づけるか、今後も頑張ってみたいと思っています。
カール・フォン・クラウゼヴィッツ氏(1780-7-1~1831—11-16)
プロイセン王国の軍人で軍事学者、最終階級は少将。 彼の死後1832年に発表された『戦争論』で、戦略、戦闘、戦術の研究領域において重要な業績を示した。特記すべき業績としては絶対的戦争、政治的交渉の延長としての戦争概念、摩擦、戦場の霧・重心・軍事的天才・防御優位性・攻勢極限点・勝敗分岐点などがある。
今は古典と言われ、かのヒットラーも読んでいた『戦争論』。 意外な驚きは、この本のお陰で多くの戦争が回避・抑止されたとも言われている。 この本については、ウェブ情報の中で、ここまで評価されている。
『同時代の研究としてジョミニの『戦争概論』があるが、これは普遍的な戦争の勝利法があると論じたものであり、戦争論とはその内容が大きく異なる。ジョミニの研究は実践的であり、後の軍事学に多岐に渡る影響を及ぼしたと評価されているが、一方でクラウゼヴィッツの研究は哲学的であったことからより分析的な軍事学に寄与し、政治研究にも影響を及ぼした。また『孫子』と対比されることがあるが、抽象性・観念論的な概念的な理解を中心とするクラウゼヴィッツの手法は、現在の政治学・安全保障・軍事・戦争研究においても幅広くその価値を認められる原因であり、その点が孫子とは大きく異なる』と。
現在の最も懸念される、核戦争・サイバー戦争も抑止・回避できるかに、ついても興味津々です。
ジャレド・メイスン・ダイアモンド(1937-9-10~)と、著書
アメリカ合衆国の進化生物学者、生理学者、生物地理学、ノンフィクション作家。 現在、カルフォルニア大学ロサンゼルス校(ULCA)社会科学部地理学科の教授。 人類とその歴史(自然破壊と戦争)とその未来についての多くの著書集。 昔は、小さな島規模(自然破壊と内戦)であったが、今の、地球規模の自然破壊を救えるかを問われている。
『銃・病原菌・鉄、1万3000年にわたる人類史の謎(上・下)』
なぜスペイン人(ユーラシア大陸の白人)は銃・病原菌・鉄を、いち早く持てたのか。 この問いに対して、人類の生誕から論理を展開していくという本になっています。 結論は、
❶たまたま住んだ場所が大量の人を養うことができる栽培に適した植物を育てやすい場所だった
❷たまたま住んだ場所に家畜化しやすい動物が住んでいた
❸大陸が横つながりで緯度が近い(環境が似通っている)
つまり白人が銃・病原菌・鉄をいち早く持てたのは遺伝子の優劣ではなく環境要因であった
『文明崩壊―滅亡と存続の命運を分けるもの(上・下)』
中米のマヤ、北米のアナサジ、東ポリネシアのイースター島、グリーンランドのノルウェー人入植地、かつて隆盛を極めていた社会はなぜ崩壊し消滅してしまったのか。数々の文明崩壊の実例を検証し、共通するパターンを導き出していく。 歴史上から消滅した社会が陥った恐るべき共通の崩壊要因とは?人類の謎といわれた古代、中世社会が辿った滅亡への道を解明する。
古代、中世社会が辿った環境破壊と戦争による滅亡が、島単位のように、ローカル規模から、地球規模になっていると警告している。
『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来(上・下)』
テーマは「昨日までの世界」の叡智(えいち)をいま一度たどり直し、現代の工業化社会に生かすことができないかを模索すること。
ユヴァル・ノア・ハラリ(1976年2月24日~)と、著書
イスラエルの歴史学者。 ヘブライ大学歴史学部の終身雇用教授。 著書では自由意志、意識、知能について検証している。
『サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福』
人類(ホモ・サピエンス)は空想的虚構をベースとした3つの革命(認知革命、農業革命、科学革命)により、現在の発展へと至りました。 ここで人類はAIと共存して輝かしい未来を継続できるかと問うています。
『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来』
ベストセラーの『サピエンス全史』に続く物語で、人類は神性を追求するが故、「データの神」に駆逐される未来を記載されております。
印象的な場面を引用しておきます。
人間至上主義が世界観を神中心のものから人間中心に変えることで、神を主役から外した。 データ至上主義が世界観を人間中心からデータ中心に変えることで、人間を主役から外すかもしれない。
『21 Lessons for the 21st Century』
『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』に続いて出版された新作はその名も『21 Lessons for the 21st Century』。 前2作で「過去」と「未来」を描いたハラリが「現代」の問題に取り組もうとするこの一冊のなかでは、これまで彼が取り組んできた「文明史」と「近代史」がせめぎあっている。 そこにはさまざまな発想が脈略なく利用される「現代」というものの複雑さが表れているのかもしれない。 今日の重大な課題や選択は何か? 私たちは何に注意を向けるべきか? 子供たちに何を教えるべきか?」と問いかけます。 AIと人類の関係の将来を心配して、『21 Lessons for the 21st Century』 で人類を救おうとしています。
SFの世界になりますが、人間が団結して、ビッグデータ・AIと戦わず、管理・統制ができれば、明るい未来が期待できるでしょうか、今後も見ていきたいと思っています。
(20200109纏め、20210131追補、#138)