安物輸入海老や成型肉に牛脂加えたステーキを高いカネ支払って食べさせられたとて、消費者側がそれを堪能出来ていたのなら、今更被害者ぶって「騙された!」と大騒ぎする事もないんじゃないの~??
現在世を騒がしている「食材偽装表示事件」に関する原左都子の感想を冒頭でいきなり述べるならば、
「どっちもどっちだよ。」
まったくもって加害者側・被害者側共々低レベルで馬鹿らしく、私にとってはどうでもよい話題ではある。
そうとは思いつつ今回のエッセイに於いては、現在世を騒がせている「食材偽装表示事件」に関する私論を展開する事にしよう。
大阪の名門ホテルに端を発した「食材偽装表示事件」はその後高島屋、東急ホテルズ、そして昨夜のニュースでは伊勢丹等の大手デパートにまで偽装範囲が拡大しているようだ。
更には本日夜のニュースによると、ホテルオークラまでもが平成18年より偽装を実施し続けていたとの驚くべき事実だ。
ここで原左都子の私論を少し述べよう。
そもそもこの事件とは“内部告発”により事が発覚したようだ。
へえ~、そうだったんだ。 私はてっきりそれを注文した顧客側から、ホテルのテーブルに出された料理を食した直後にレストラン現場でクレームが出たものとばかり思っていた。
と言うのも、一応名門ホテル(とやら)で高額のカネ支払ってその種の食材を利用したメニューを注文する顧客とは、それが美味しいことを十分承知の上か、あるいはその評判を周知しているが故にその行動を取るのではなかろうか? そうした場合、運ばれてきたディッシュを一見すれば、輸入安物海老や成型肉などその形態や色彩上、この料理嫌いの私でも見抜けるような気もするのだが…。
いやそうではなく、オードブル段階で出されるワイン等の酒を堪能してメインディッシュが運ばれて来る頃には酔いが回り、視覚では食材の信憑性を捉え損ねたのかもしれない。 それでもいくら多少の酔いが回っているとは言え、テーブル上のメインディッシュを実際に食せば、国内産の伊勢海老や黒毛和牛の霜降ステーキと比し偽装食材は大いに風味が異なることなど、この原左都子とて実感可能と思うのだが…。
ここで私事に移ろう。
上の続きだが、たとえ料理嫌いの私が家庭内で出す食材とて“偽装”したならば家族皆に即刻バレるのだ。
遠い昔のある時、スーパーで売っていた安物の成型肉サイコロステーキを夕食メニューの一品としたところ、「これ、まずいよ!」と一瞬にして亭主に叩かれるではないか! それに娘も同調する。 やむを得ず「これ、成型肉よ…」と暴露する私に、「今後は勘弁して」と両人から訴えられてしまった…。 私自身も家族2人の意見から、確かに成型肉とは妙に油がベタつき気持ち悪い風味である事を自分の舌で実際に悟った。 その後は特に肉をステーキ状態で出す場合は、たとえ安物とて本物の肉に頼る日々である。
もしかしたらホテルレストラン現場で出された食材を、これは偽装であるとホテル側に訴えた顧客も存在したのかもしれない。 ところが、まさかホテル側が弱小立場の顧客の訴えになど耳を傾けるはずもなかったとの論理か?
結局、この事件は「内部告発」との勇気に満ちた(あるいは恨みつらみ、あるいは無謀)行動によらねば、解決不能だったとの事であろう。
食材偽装事件を起こした超本元である、名門ホテルやデパート側の責任ももちろん追及せねばならない。
ここで、朝日新聞11月6日社説 「客力で食を変える」 と題する評論の一部を要約する事により、その追究を試みよう。
ホテルで食事といえば、客にはハレの席。 高いお金を払って一流のものをという信頼を正面から裏切った罪は重い。 ホテル側は「偽装ではなく誤表示」などと弁明し騙す意図は無かったと弁明しているがピントがずれている。
今、多くの人はグルメブームを卒業し安全・安心な食を求めている。 そんな顧客の意識も逆手に取った今回の偽装の責任は重い。 ここは顧客側こそが、ブランド頼みと距離を置くチャンスだ。 イメージや宣伝に惑わされず「本当においしいか」を吟味するべきだ。 本来日本人とは繊細な味覚の持ち主だ。偽物を淘汰する客力で健康的で美味しい食の世界を育てたい。
(以上、朝日新聞11月6日社説より一部を引用。)
最後に原左都子の私論でまとめよう。
一般市民が現在ブランド志向を卒業して安全・安心な食を求めているとの上記朝日新聞社説内容が、そもそも私には信憑性に乏しく感じる。 ましてや、日本人が先天的に“繊細な味覚の持ち主”だったのかに関しても首を傾げざるを得ない。
私論としては、とにかく日本人とは過去に於ける「学校教育」の失策により個々人が主体性を失い、メディア情報に流され易い国民性を培っている事には間違いないであろう。
その主体性の無さは加害者側に於いてこそ顕著とも言える。
日本に名立たる名門ホテルないしはデパートが、長年に渡り食材偽装を繰り返してきた事実とて、「皆でやれば怖くない」との無責任な“集団心理”が業界内で蔓延っていた事が揺ぎ無い実態という話だ。
当然ながら、食材偽装を施した業者である加害者側がその責任を取るべきなのはもちろんの事だ。
ただ私論としても、この国の消費者どもの軟弱ぶりには辟易とさせらているが故に、朝日新聞社説論評と同様に暗雲が漂うばかりである。
自ら“グルメ”を名乗り世の一流処の食材を買い求めたり、名門ホテルのレストランを食べ歩きしているリッチ族にこそ物申したい。
貴方達に“グルメ”の自負があるのならば、即座に偽装食材を見抜きその場で加害者側と折衝してその愚行を阻止させるべきだったのだ。 それが叶っていたならば、今回の「食材偽装問題」もこれ程長年に渡って世間に蔓延り世を揺るがさずに済んだはずである。
結局それが叶わなかった元凶とは、実は被害者族側こそが“グルメ”とは名ばかりで実質舌が肥えていなかっただけの話じゃないの???
現在世を騒がしている「食材偽装表示事件」に関する原左都子の感想を冒頭でいきなり述べるならば、
「どっちもどっちだよ。」
まったくもって加害者側・被害者側共々低レベルで馬鹿らしく、私にとってはどうでもよい話題ではある。
そうとは思いつつ今回のエッセイに於いては、現在世を騒がせている「食材偽装表示事件」に関する私論を展開する事にしよう。
大阪の名門ホテルに端を発した「食材偽装表示事件」はその後高島屋、東急ホテルズ、そして昨夜のニュースでは伊勢丹等の大手デパートにまで偽装範囲が拡大しているようだ。
更には本日夜のニュースによると、ホテルオークラまでもが平成18年より偽装を実施し続けていたとの驚くべき事実だ。
ここで原左都子の私論を少し述べよう。
そもそもこの事件とは“内部告発”により事が発覚したようだ。
へえ~、そうだったんだ。 私はてっきりそれを注文した顧客側から、ホテルのテーブルに出された料理を食した直後にレストラン現場でクレームが出たものとばかり思っていた。
と言うのも、一応名門ホテル(とやら)で高額のカネ支払ってその種の食材を利用したメニューを注文する顧客とは、それが美味しいことを十分承知の上か、あるいはその評判を周知しているが故にその行動を取るのではなかろうか? そうした場合、運ばれてきたディッシュを一見すれば、輸入安物海老や成型肉などその形態や色彩上、この料理嫌いの私でも見抜けるような気もするのだが…。
いやそうではなく、オードブル段階で出されるワイン等の酒を堪能してメインディッシュが運ばれて来る頃には酔いが回り、視覚では食材の信憑性を捉え損ねたのかもしれない。 それでもいくら多少の酔いが回っているとは言え、テーブル上のメインディッシュを実際に食せば、国内産の伊勢海老や黒毛和牛の霜降ステーキと比し偽装食材は大いに風味が異なることなど、この原左都子とて実感可能と思うのだが…。
ここで私事に移ろう。
上の続きだが、たとえ料理嫌いの私が家庭内で出す食材とて“偽装”したならば家族皆に即刻バレるのだ。
遠い昔のある時、スーパーで売っていた安物の成型肉サイコロステーキを夕食メニューの一品としたところ、「これ、まずいよ!」と一瞬にして亭主に叩かれるではないか! それに娘も同調する。 やむを得ず「これ、成型肉よ…」と暴露する私に、「今後は勘弁して」と両人から訴えられてしまった…。 私自身も家族2人の意見から、確かに成型肉とは妙に油がベタつき気持ち悪い風味である事を自分の舌で実際に悟った。 その後は特に肉をステーキ状態で出す場合は、たとえ安物とて本物の肉に頼る日々である。
もしかしたらホテルレストラン現場で出された食材を、これは偽装であるとホテル側に訴えた顧客も存在したのかもしれない。 ところが、まさかホテル側が弱小立場の顧客の訴えになど耳を傾けるはずもなかったとの論理か?
結局、この事件は「内部告発」との勇気に満ちた(あるいは恨みつらみ、あるいは無謀)行動によらねば、解決不能だったとの事であろう。
食材偽装事件を起こした超本元である、名門ホテルやデパート側の責任ももちろん追及せねばならない。
ここで、朝日新聞11月6日社説 「客力で食を変える」 と題する評論の一部を要約する事により、その追究を試みよう。
ホテルで食事といえば、客にはハレの席。 高いお金を払って一流のものをという信頼を正面から裏切った罪は重い。 ホテル側は「偽装ではなく誤表示」などと弁明し騙す意図は無かったと弁明しているがピントがずれている。
今、多くの人はグルメブームを卒業し安全・安心な食を求めている。 そんな顧客の意識も逆手に取った今回の偽装の責任は重い。 ここは顧客側こそが、ブランド頼みと距離を置くチャンスだ。 イメージや宣伝に惑わされず「本当においしいか」を吟味するべきだ。 本来日本人とは繊細な味覚の持ち主だ。偽物を淘汰する客力で健康的で美味しい食の世界を育てたい。
(以上、朝日新聞11月6日社説より一部を引用。)
最後に原左都子の私論でまとめよう。
一般市民が現在ブランド志向を卒業して安全・安心な食を求めているとの上記朝日新聞社説内容が、そもそも私には信憑性に乏しく感じる。 ましてや、日本人が先天的に“繊細な味覚の持ち主”だったのかに関しても首を傾げざるを得ない。
私論としては、とにかく日本人とは過去に於ける「学校教育」の失策により個々人が主体性を失い、メディア情報に流され易い国民性を培っている事には間違いないであろう。
その主体性の無さは加害者側に於いてこそ顕著とも言える。
日本に名立たる名門ホテルないしはデパートが、長年に渡り食材偽装を繰り返してきた事実とて、「皆でやれば怖くない」との無責任な“集団心理”が業界内で蔓延っていた事が揺ぎ無い実態という話だ。
当然ながら、食材偽装を施した業者である加害者側がその責任を取るべきなのはもちろんの事だ。
ただ私論としても、この国の消費者どもの軟弱ぶりには辟易とさせらているが故に、朝日新聞社説論評と同様に暗雲が漂うばかりである。
自ら“グルメ”を名乗り世の一流処の食材を買い求めたり、名門ホテルのレストランを食べ歩きしているリッチ族にこそ物申したい。
貴方達に“グルメ”の自負があるのならば、即座に偽装食材を見抜きその場で加害者側と折衝してその愚行を阻止させるべきだったのだ。 それが叶っていたならば、今回の「食材偽装問題」もこれ程長年に渡って世間に蔓延り世を揺るがさずに済んだはずである。
結局それが叶わなかった元凶とは、実は被害者族側こそが“グルメ”とは名ばかりで実質舌が肥えていなかっただけの話じゃないの???