原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ずっと同年代だと思っていたら…

2018年01月20日 | 人間関係
 昨日、私は某所にて某女性に対し大変失礼な“もの言い”をしてしまい、未だに“ばつが悪い”思いで過ごしている。

 当該女性が「原左都子エッセイ集」を読まれていない事を願いつつの本日のエッセイ公開だが…


 某所へ通い始めてから10年足らずの年月が経過している。
 某女性(Aさんとしよう)は私よりも先に某所へ通われていた様子だ。
 当初より、お互いに単独行動タイプの似た者同士との感覚があった。 そして間近で対面すると挨拶をする関係でもあった。

 その関係がより進化したのは、半年程前からだろうか。
 私側が挨拶に加えて二言目を付け加えたことがきっかけでAさんもそれに好意的に反応してくれ、後の会話が弾むようになった。
 その後は某所内で会う都度長めの会話を楽しむようになり、その会話内容がプライベートに及ぶまでに進化した。

 Aさんに対する私の第一印象に関してだが、第一義として「同年代」がキーワードとして背景にあった。 そしてAさん側も同様の感覚がある事と確信していた。
 昨日以前までの会話内容に於いては、まさにお互いに「同年代」が共通項として背景にあるがために話題がブレず、長話が続行できた事に間違いない。

 そして、昨日のことだが。
 年が明けてAさんとお会いしたのは昨日が初めてだったため、お互いに「今年もよろしく」の会話の後、正月を如何に過ごしたかの話題となった。 Aさんはご主人とお二人でご主人のご実家がある九州に旅立たれたとの事だ。 

 その話題で一時会話が弾んだ後、私がAさんに問うた質問がそもそも“墓穴を掘る”きっかけとなった。 
 (参考だが、私の場合今となってはわざわざ混雑時期に旅に出る趣味が一切無い。 その時期に敢えて旅立つ人種とは、おそらくその時期にしか休暇が取れないのだろうとの感覚がある。 と言うことは、Aさん宅は未だ現役世代ではなかろうか??) 
 そのような憶測が脳裏に浮かんだ私は、Aさんに尋ねた。
 「ご主人は、現役世代の方ですか?」
 Aさん応えて、「はい、そうです。」
 その回答にかなり驚いた私は、「もしかしたらAさんも現役世代ですか??」
 Aさん、「はい。私も職業に従事しています。」
 そこまで聞いた責任をとるためにこちらも現状を伝えるべきと考え、「我が家の亭主は定年退職して既に6年近い年月が経過しています。」
 それに少し驚いたAさんが、「年齢が離れたご夫婦なんですか?」と問われる。 「いえ、さほど離れていません。」と私が応えると、「随分お若く見えますね!」と更に驚かれる。


 その後「そんな事はないですよ」等々しどろもどろに返答しつつ、私は反省しきりだ。
 上記の会話内容をすぐさま分析した私だが、そもそもお互いに「同年代」感覚がきっかけで会話を楽しむ関係を続けてきているにもかかわらず…
 心無い私の一言で最悪の場合その関係を“崩壊”に持ち込んでしまったのではないか!? なる悪い予感がするのだが。
 特に、相手は女性だ。 Aさんとしてみれば、ずっと高齢域の私側から同年代だと思われていた事実がとんでもなく痛手だった事だろう。 (私って、そんなに老けてみえるか!??)とAさんが今も嘆いておられる様子が想像可能だ。 


 とにもかくにも現代のこの世の中、庶民レベルに於いてすら「個人情報保護」に邁進せねばならないわ、ハラスメント観念が強靭となり過ぎるわ、の現状だ。
 その状況に配慮せねばないとの暗黙の圧力下に、人間関係の続行が困難な事態となり果ててしまっている、と感じるのが現在の我が私見だが。
 たかが庶民間の会話に於いてまでもそれらに留意せねばならない得体不明の拘束感が強靭で、お互いの氏名や年齢さえ聞けないし語れもない。 (未だに、Aさんのお名前を聞けずにいる私だが。)
 
 このような時代背景下に於いて、Aさんに対する我が問いかけは誤りだったのか?? と今現在尚悩んでいるのだが。
 私としては今後も通い続ける予定の某所にて、“似た者同士”のAさんとの会話を続行したい意向だ。
 もしもAさんが寛大な人材だった場合、それが叶うのかとも期待しているのだが…

 とにもかくにも、人間関係に於いて「窮屈」な時代背景を実感させられる。