原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ウクライナ侵攻と核

2022年04月24日 | 時事論評
 本日のエッセイテーマも、朝日新聞2022.04.23付書評ページ、NPO法人ピースデボ特別顧問・梅林宏道氏による複数の核に関する著書の書評「ウクライナ侵攻と核 二つの恐怖が問いかけるもの」より一部を要約引用しよう。


 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻には、当初から色濃く「核」の影が付きまとっている。 
 冷戦後、ウクライナはソ連邦の核兵器を放棄してロシアに移送し、非核国になることを選択した。 ロシアはそのウクライナを侵略したのみならず、核兵器使用の脅しを加えた。 その後の戦争は、一人の大統領の決断次第で核兵器が実際に使用され、米国を含むNATOを巻き込んだ核戦争に発展すると言う不安の中に世界を陥れた。
 ウクライナが核兵器を放棄した時の米国の国防長官葉ウイリアム・ペリーであった。 そのペリーは、こう述べている。 「冷戦の超現実的な恐怖がこの瞬間ほど生々しく感じられたことは後にも先にもない」。 そこでは700発の核弾頭が米国を今日的に一触即発の発射態勢におかれていた。
 ペリーと長年の協働者トム・コリーナは、とりわけ二つの喫緊の危険性を指摘している。 核戦争が一人の権利者の決定に委ねられている制度の危険性。 二つ目は、敵の核ミサイル発射を感知した警報が出た時、着弾までの10分間の間に報復核ミサイルを発射しなければならない警報即発射態勢の危険性である。 (中略)
 ウクライナ戦争は、もう一つの核との恐怖とともにある。 砲弾飛び交う線上には、4基の休廃止中の原子炉と15基の稼働中の発電用原子炉がある。 ロシア軍が砲火でチェルノブイリとザポリージャの原子力発電所を制圧した時、世界は1986年のチェルノブイリの悪夢を思い起した。 (中略)
 原子炉爆発、報道管制、当直者の家族の不安と混乱、大量被ばく者の刻々の病状、発生から22日で20人の死者、奇跡の生存者の22年後の癌死。 すべては原爆被害者の証言と重なる。  

 (以上、朝日新聞「書評」ページより一部を引用したもの。)



 話題を大きく変えるが。

 今朝から報道されている、北海道斜里町の知床半島西部沖を航行中の観光船が浸水した事故の一報を耳にした時。
 私の脳裏に一瞬戦慄が走った!
 (もしや、ロシア軍がウクライナのみでは飽き足らず、ついに北方領土4島に程近い日本の北海道のその地までをも侵攻にやってきたかと!!)
 これ本気で恐れおののいた私だ。

 その後当該ニュースをよ~~~~~~く見聞すると、そうではなくて事故だったことが判明したのだが。 (事故に遭われた26名の方々の生存を、心よりお祈り申し上げます。)

 その話を後に我が亭主にすると、またまたせせら笑われてしまった…
 「ロシアのプーチンが日本を攻めたところで、何ら得することはないよ。 いくら北方領土問題が両国間にあろうが、資源も何一つなく核兵器も抱えていない日本を、今現在侵攻のターゲットにすることはあり得ない。」 

 確かにそうだなあ、と思いつつも。
 あのウクライナの悲惨な現状を日々メディアを通して見聞する立場としては、自らの国とプーチン率いるロシア国家との今後の関係の在り方も探ってしまうのは自然の成り行きであろう。


 今回のテーマである「核」に関して述べると。
  
 我が国日本は、戦争により世界で最初に原子力爆弾による大殺戮被害を受けた国家であることには間違いない。
 故にその戦争被害県である広島・長崎に於いては、率先して「核戦争反対!」のスローガンが掲げられ続けている。
 今回のプーチンによるウクライナ侵攻に於いても、両県民の間ではその思いが切実なことであろう。


 実際このプーチンによるウクライナ侵攻が始まってから、既に2か月の月日が流れている。
 プーチンはそろそろ核を持ち出すのか?!? 😱 
 なる恐怖を、ここのところ私も抱かざるを得ない情勢となってしまっている。

 どうしてもそれだけは避けたい思いを、世界で最初に戦争により多大な原爆被害を受けた国に住む私としては。
 
 力足らずとも、訴えたい…