礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

法律学経済学研究叢書と経済学資料

2014-08-02 05:50:20 | コラムと名言

◎法律学経済学研究叢書と経済学資料

 グロッパリ著・高田保馬訳『社会学綱要』(有斐閣書房、一九一三)は、河上肇が編集していた「経済学資料」という叢書の第三冊に相当している。では、この叢書は、何冊まで出たのか。確実なところはわからないが、国立国会図書館のテータによれば、三冊以上は出なかったものと思われる。
 ところで、この当時、「経済学資料」と併行して、「法律学経済学研究叢書」というものが刊行されていた。こちらは、京都法学会(京都帝国大学法科大学内)が、編纂・発行していた叢書で、発売は有斐閣書房である。
 国立国会図書館のデータによれば、「法律学経済学研究叢書」として刊行されたのは、以下の二十一冊である。

 神戸正雄『国債償還論』1908 第1冊
 河上肇『人類原始ノ生活』1909 第2冊
 神戸正雄『穀物関税論』1909 第3冊
 河田嗣郎『家族制度ノ発達』1909 第4冊
 戸田海市『合同(かーてる及とらすと)』1910 第5冊
 河田嗣郎『資本主義的精神』1910 第6冊
 浅井虎夫『支那ニ於ケル法典編纂ノ沿革』1911 第7冊
 財部静治『ケトレーノ研究』1911 第8冊
 河田嗣郎・岡本一郎『史的研究 日本ノ経済ト仏教』1912 第9冊
 神戸正雄『土地増価税論』1912 第10冊
 溝淵孝雄『関東州ニ於ケル司法』1913 第11冊
 河上肇『輓近物価騰貴之一研究 金ト信用ト物価』1913 第12冊
 高田保馬『分業論』1913 第13冊
 岡松参太郎『法律行為論』1914 第14冊
 本庄栄治郎『西陣研究』1914 第15冊
 高田保馬『大数法論』1915 第16冊
 加藤繁『支那古田制の研究』1916 第17冊
 岡松参太郎『過失損害賠償責任論』1916 第18冊
 本庄栄治郎『江戸幕府ノ米価調節』1916 第19冊
 河田嗣郎『穀価ノ研究』1917 第20冊
 山本美越乃『我国民ノ海外発展ト南洋新占領地』1917 第21冊

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