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書評 「政治家や財界人は『それを』恥じて欲しい」    文科系

2023年08月10日 00時51分55秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 中公新書ラクレから出た「日本の絶望ランキング集」という本を買って来た。著者が元国税調査官だということと、各国国政結果の比較が見えるという動機から。まさに出るべくしてついに出てきた本と思ったし、「まともな政治家がこれを読んで、まともに仕事をするようになって欲しいけど・・・?」などと、標記のことを思ったものだ。
 常々日本の政治家が外国との比較などを見て自国を考えようとしないのかなーと慨嘆していたから、現在日本の強みも含めて、学ぶところがとても多かったのである。今後への強みとして、日本の希望も見えたのだ。日本政府が保有する金融資産額が世界一だとか、対外純資産(「日本が外国に持っている資産」から「外国が日本に持っている資産」を差し引いた残額)が世界一だとか。
 もちろん、累積赤字など負債も多くて、さらに、こんな低ランキングは続々なのだが。GDPに占める公共事業費率は最高クラスだが、東京、大阪などは、ロンドンやパリに比べて無電柱率が10分の1以下、住民1人当たり公園面積は低いパリやソウルに比べても2分の1以下。90年代の公共建設ブームも後で閑古鳥が鳴いたハコモノばっかだったというわけ。

 読後感として、「あとがき」文中から、強烈に印象に残った一文を転載する。以下の文中この一言は、極めて新鮮、強烈であった。
『政治家や財界人は、それを恥じてほしいものである』

『 いまの日本で問題なのは金がないことではなく、金があるのにそれがきちんと循環していない、ということである。
 週に40時問まともに働いて、家族を養うどころか自分がまともに食うことさえできない国というのは、世界中そうそうあるものではない。
 政治家や財界人は、それを恥じてほしいものである。
 これだけ金を持っているくせに、国民をまともに食わせることさえできないのか、ということである。
 いまの日本に必要なのは、大企業、天下り特殊法人がため込んでいる金を引き出して、金が足りない人のところに分配することである。それは、決して特別なことではない。先進国として最低限度の雇用政策、経済政策をとるということである。
 世界の10%という莫大な金を持っているのに、たった1億2000万人の国民を満足に生活させることができない、という「経済循環の悪さ」。その点に、為政者、経済界のリーダーたちは気づいていただきたいものである。
 そもそも日本の高い競争力は、誰が担ってきたものなのか?
 日本が誇る高い技術力は、十分な教育を受けた勤勉な多くの国民が支えてきたものである。だから競争力を維持したければ、まずは国民が普通の生活をしていける環境を整えるべきなのだ。
 そして「金がないから進学できない」「金がないから結婚、出産できない」というような若者を絶対に出さないことである。


コメント (2)
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