ネイマールが凄まじい移籍金、年俸でサウジのアルヒラルに移籍した。ブラジルでは大騒ぎになっていて、こんな評で持ち切りだ。
「世界のフットボールの歴史で、才能を最も無駄にした選手だ」
「バルセロナ、さもなくば他の欧州ビッグクラブへ移籍したかったが軒並み断られ、ただただ金のために都落ちした」
『「自身のSNSでサウジアラビアに関する(肯定的な)ニュースを発信する度に、50万ユーロ(約7900万円)を受け取る」という報道もある』(フランスのスポーツサイト「フットメルカート」)。
ネイマールについては、バルセロナ時代からこのブログで何度もこう述べてきた。
「彼を、現在世界最高リーグであるイングランド・プレミアリーグが取る事は金輪際ないだろう」
「世界のフットボールの歴史で、才能を最も無駄にした選手だ」
「バルセロナ、さもなくば他の欧州ビッグクラブへ移籍したかったが軒並み断られ、ただただ金のために都落ちした」
『「自身のSNSでサウジアラビアに関する(肯定的な)ニュースを発信する度に、50万ユーロ(約7900万円)を受け取る」という報道もある』(フランスのスポーツサイト「フットメルカート」)。
ネイマールについては、バルセロナ時代からこのブログで何度もこう述べてきた。
「彼を、現在世界最高リーグであるイングランド・プレミアリーグが取る事は金輪際ないだろう」
理由は簡単で、彼のプレーがイングランドでは徹底的に嫌われるからである。嫌われるであろう象徴プレーがこれ。子どもらが「ネイマール!」と叫んですぐに倒れる「プレー」。彼のこれを真似するのが、世界的に流行った事が挙げられる。また現在でも実際に同じフランスリーグでネイマールと戦って来た日本の名選手・伊東純也も「彼はすぐに倒れる」と語っていた。こういう選手をイングランドが取ることはけっしてない。現にJリーグゲームでは普通に見られるような「競り合いで倒れるプレー」に、イングランドではブーイングが起こる。
そんなイングランド事情が分かる人に分かってくれば、他国も彼を取ることはなくなっていく。彼自身はバルセロナに行きたいと述べていたようだが、以前いたスペイン二強も結局彼を取らなかった。要するに彼はスポーツ選手としては嫌われたのである。イングランドとスペイン二強以外に彼の年俸を払えるチームはヨーロッパには存在しない。
この問題は、案外根が深くって、国によるサッカー観、スポーツ観の違いが原因だと述べて来た。観る、見せるスポーツ、つまり興行(主)サッカーか、「古のスポーツ精神を強く残している」かという違いだ。この後者がイングランドには根強く残っている。この違いが日本人に分かりにくければ、日本プロ野球のこんな例を挙げよう。
「嫌われた監督」(鈴木忠平)というスポーツ本が最近ベストセラーになって、ここでも書評をやった。『書評「嫌われた監督」(文藝春秋社) 文科系 2022年06月02日』の通りだが、勝つ、勝ち続けている名監督が首になったことを扱っている。ちなみに、あの事件は興行的理由から起こったものと、落合監督解任当時の僕はすぐに理解したものだ。「中日が勝ちすぎて、セリーグ全体の観客数が減っている」、フロントがそう考えたのだろう、と。一方、この本には、スポーツ観点からは首になるはずのない監督だったという内容、「観点」が、あふれていたからこそ、僕にはとても面白かったのである。フロントの非スポーツ的判断・運営に気づいた選手は、どんな向き合い方をしていく事になるのだろうと考え込みながら。
案外見えないのだが実は、日本のプロ野球は今でも興行(主)的観点が強く、この観点からスポーツ的判断を切り捨てることも起こっていると、僕は観ている。
「ネイマール」とは、上手すぎたがゆえに激しい守備にも見舞われて、「商品としての自分」を傷つけるプレーを極端に避けようとした「プレー」によって自分をダメにした、そんな悲劇だったのだと思う。ラフプレーに対するスポーツ本筋論は、対抗して身体を守る技術も身につけていくということだろう。この本筋論が弱くなった国からシミュレーションが多くかつ大げさになっていく。ゴール前でペナルティーをもらおうとするシミュレーションなどは、特に多くなって行くのだ。そんなサッカーをイングランド人は特に軽蔑する。