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老後音楽演奏活動の一例  文科系

2024年05月09日 17時00分00秒 | その他
 僕は定年退職後からはじめて、83歳になる今もあるギター教室に通っている。この活動がとても楽しくて、僕の人生の最大価値の一つだったなというほどに、非常に大きな意味を持ってきたと振り返ることができる。その楽しみを求め、究めてきた僕流儀のやり方を書いてみたい。


 美術制作にせよ音楽演奏にせよ、芸術は鑑賞以上に自分が作ったものを自分が味わい、それがだんだん向上し、より楽しくなっていくという楽しみがある。加えて、「音楽」としてのギター演奏には何よりも「和音楽器」の楽しみというものが重なってくる。曲の旋律を和音であれこれと飾って、曲の流れにより感じよく生かしていく楽しみだ。和音楽器は、その王様はピアノだが、ほかにはギター、琴、ハープと、案外少ないもの。ただ、旋律の装飾にあれこれの和音を使っていく楽器演奏は難しくて、この演奏を本当に楽しむためには暗譜で弾けることこそが大事だと退職後の習い始めから決意してきた。年寄りが、楽譜をたどりながらやっと弾けているというのでは、音楽の楽しみも何もあったもんじゃなかろうと予測したからだ。ちなみに、ピアノを習って来た人でも「今ここで一曲弾いて」と言われても案外弾ける曲がないものだと、僕は知っている。

 そこで、習い始めから非常に特殊なならい方をとってきた。
①各曲の習い始めは、最初の一小節から、丸暗記弾きに務めていく。少しずつ覚えるまで何回でも弾いて、その次に行き、暗譜部分を増やしていくというやりかただ。すると、普通の楽譜なら一週間に一ページほどを覚えられる。
②の際、その当時は弾けない技術的難点はそのままにしておき、とにかくまず一曲丸暗譜、それから欠点修正、弾き込みに入るというやり方だ。
③暗譜してからの弾き込みは、音楽の楽しみが全部詰まっている感じがするやりがいのあるものである。
④そうして暗譜した曲の中から、「これは暗譜としてずっととっておこう」という曲を「僕のギター曲暗譜群」の中に繰り入れる。
⑤この暗譜群は、新曲を入れたくなったら旧来のどれかを出すとかしてきて、現在大小24曲ほど。時々の新曲レッスンのほか、暗譜群曲をも定期的にずっと常時弾き回してきたわけだ。
⑥そして今年に入っては、この暗譜群のうち僕の今までの腕には余って発表会で弾いたことがない難曲を総復習している。先ず、アルベニスの「アストリアス」、バリオス作曲「大聖堂」、次いで、ソル作曲「モーツアルトの魔笛による変奏曲」などだ。


 さて、このやり方はいつも、この楽器の代表曲と歴史的に認められてきたものに、直接するというもの。楽しい訳である。きょうも「モーツアルトの魔笛による変奏曲」を3時間は弾いていたかな。まだまだ難点が多く、発表会で弾ける曲ではないなと思いながらだが。


コメント (1)
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