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随筆  僕は老後生活をこう迎えた    文科系

2024年08月22日 14時29分54秒 | 文芸作品
 表題のことを書いてみたい。もちろん僕の場合を振り返ってが中心になるが、「同居の晩年父母を見て」の体験、教訓から「案外長い老後生活」に対して僕の場合は四十代から準備を始めた。その際第一に考えたのが、これ。「家に居ても長くできること」、従って受動的な趣味ではなく「能動的活動」と言えるようなものを考えた。それまでの生活習慣から音楽とスポーツがすぐに浮かんだが、音楽は長く一人習いで弾いていたギターを選び退職前から一人弾き込みを始めて退職後に先生につき始めた。スポーツは、色々やってきたが「老後は有酸素運動を」とずっと考えてきたので、現役時代の五九歳から職場が加入しているスポーツジムで走り始め、若い頃から年期を積んだサイクリングにも入れ込んだ。ランニング記録は知れていて、六十歳の時の一〇キロマラソンが、四十九分台だ。ちなみにこの二つは有酸素運動として相互に好影響を与え合えるものなのだ。そして五十代にもう一つ、何か新しいものを仕入れようと考えてある文芸同人誌の仲間になった。これは現役時代の五五歳の頃である。それぞれ、良かったこと、僕の楽しみ方などを紹介してみよう。

 ランニングはどこでもできるから、旅行でもやった。海外旅行でも、ナポリ、ローマ、昆明、桂林、ソウル、トロント、シドニーなどの街を走っている。距離が長いサイクリングはもっと変化に富んだ楽しみができるもので、三河湾一周とか、電車で彦根までから鈴鹿山脈越え。西から東への峠越えだったが、帰りは関ヶ原経由の電車を使ったいわゆる輪行だ。三河湾一周は、知多半島先端から伊良湖岬まではフェリーを活用して最後は豊橋から国道一号線で帰ってきて、この一日合計実走行距離一七〇キロは、今は亡き若い親友と二人でやった五〇歳前の僕の、人生一日最長距離という良い思い出になっている。濃尾平野西端、木曽三川西隣の多度山山頂までサイクリングして、平野を一望するという「元旦、初日の出サイクリング」は、現役時代に職場の仲間と五年ほどは続いたと思う。息子と娘の大学時代に、彼らの下宿・八王子まで日をかけて乗っていき、南八ヶ岳のリゾートホテル経由で後は小淵沢から中央線経由の電車で帰ってきた輪行もあった。これは箱根芦ノ湖でも一泊したが、ここも、八ヶ岳も権利を持っているダイヤモンドリゾートのホテルを活用したものだ。

 ギターの楽しみは、和音楽器であること。旋律をいろんな和音修飾で色づけていくのが格別の楽しさから、今も続いている。教室発表会にもこの十四年ほど出ていて、今年もこの三一日にバッハの曲(BWVーバッハ作品リストー998番「プレリュード」)で出場する。外国旅行にもギターを持って行き、中国雲南省は麗江、大理の少数民族旅館中庭で日中長く一人弾きしていたのは、とても楽しい思い出になっている。九寨溝の旅館でも弾いたものだ。

 同人誌活動は、文章を書き合い読み合って心知った終生の友を得ることができたと振り返ることができる。毎月書き合うそれぞれの随筆作品などを通じて僕の人生にもいろんな知恵、影響を与えてくれた。文章は、上手く書けたと思えると凄く嬉しいが、年を取るごとに難しくなるから、頭の若さを保つのに役立っているはずだ。

 八十三歳の僕は、他人から若いと言われる。ともすると十五歳ほども若いと言われたこともある。その原因は間違いなく若い頃からの有酸素運動にある。そして、ギターという五感の楽しみと、言語・文字の活動とがあったからなどとも思っているが、老後活動の準備は、四,五〇代からやっておくと良いのだろう。準備期間が長いほどいろんな楽しみ方、知恵も身につくものだ。
コメント
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