たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ミス・サイゴン』(3)

2014年10月29日 08時05分29秒 | ミュージカル・舞台・映画
「アメリカを訪れた、イギリスのチャーチル首相が1946年フルトンの大学での講演で使用した「鉄のカーテン」という言葉に象徴されるように、第二次大戦終結から、1989年12月地中海のマルタ島でソ連のゴルバチョフ書記長とアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領が会談し、終結を宣言するまで、世界はアメリカを盟主とする資本主義(自由主義)の西側陣営、ソ連を中心とする社会主義(共産主義)の東側陣営の二極対立の緊張状態が続いていた。まさに、お互いに核兵器をつきつけてのロシアンルーレットのような緊張を生んでいたのである。これが東西冷戦といわれる状態であり、ヨーロッパの東西で睨み合い、様々な途上国で大国の覇権をめぐる戦争や紛争が続いた。
 ベトナムも例外ではなく、ホー・チ・ミンのベトナム民主共和国は、ソ連と中国がベトナムを正当な政府と認め、武器援助をし、一方アメリカは、フランスとインドシナ三国に武器援助をした。特にアメリカは、「一国が共産化されれば周辺諸国も共産化する」という、猜疑的な「ドミノ理論」という考えを持っていた。」

(『ミス・サイゴン』公式プログラムより引用しています。)


なかなか『ミス・サイゴン』の観劇ブログを書き切れないでいますが、まずは市村正親さんが、無事に11月-12月の『モーツアルト』で舞台に復帰されることになってほっとしました。

市村さんの代役でエンジニアを務められた筧利夫さんのことは、8月13日に書きました。
7月29日、8月13に共に同じ役者さんでみたキャストのことを少し。


クリスは原田優一さん。昨年の『レ・ミゼラブル』では、原田さんマリウスを観ていないので、2011年のレミゼ以来でした。歌、演技力、安定感はさすがだなと思いました。共感するのはむずかしい役だなというのが正直なところですが、彼のように心の傷を背負わなければならなくなったアメリカ兵はたくさん実在するということなんでしょうね。
罪つくりだと思ってしまいます。

クリスと結婚したアメリカ人女性エレンは、木村花代さん。
二幕バンコクのホテルでクリスを訪ねてきたキムと鉢合わせした後に戸惑う気持ちを歌った場面が印象的でした。

クリスの親友ジョンは岡幸二郎さん。
陥落前のサイゴンのクラブで、ジジを冷たく突き放す場面など、共感しやすい感はあります。
二幕始めに、「ブイドイ」を歌われる場面の凛々しさが印象的でした。
歌の上手さはいうまでもありません。
ブイドイの援助活動に従事するジョンを演じられたことをきっかけに、岡さんは基金を立ち上げ、ボランティアもされているそうです。
アメリカ兵とベトナム人女性の間に生まれた混血児のことを歌っています。

 名はブイドイ
 地獄で生まれたゴミクズ
 我々のすべての罪の証拠だ
 忘れない
 彼らはみんな我らの子

 壁に囲まれて
 逃げ場のない子だ
 秘密は隠せない
 彼らの顔

 こんな私でも
 教えられたのだ
 生まれながらに背負う
 罪はないと

 
ジジは池谷祐子さん。『レ・ミゼラブル』ではファンティーヌと取っ組み合いをして工場から追い出してしまう女性を演じられていました。こんなに歌が上手い方なんだとあらためて思いました。
衣装の露出度が高いのにちょっとびっくりでしたが、「我が心の夢」が心に届いてきました。


なんとなく書き足りない感があるのでもう一回書ければと思っています。



8月13日、帝国劇場内の市村さん降板のお知らせ。




8月13日、帝国劇場前です。