「どうすれば
自分の影から 逃れられるのか?
自分の過去から 解き放されたい
心捨てれば 忘れられるのか
自分の影から 自由になりたい
不安で一杯 のしかかる重り
何を聞いても答えてはくれないのに
何処かで見てる 息がつまりそう
いつかアイツに 殺されてしまうだろう
自分の影から 逃れられるのか?
自分の定めを 拒めるのだろうか?
殻を破り 生まれ変われるのか?
自分の影から 自由になりたい
運命に
従う他ないのか
絶対に
無理なのか
影から
自由になりたい」
(ヴォルフガングが歌う「影から逃れて」より)
2014年12月16日夜の部のキャスト
ヴォルフガング・モーツアルト:山崎育三郎
レオポルト(モーツアルトの父);市村正親
ナンネール(モーツアルトの姉):花總まり
コンスタンツェ(モーツアルトの妻);平野綾
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:春野寿美礼
コロレド大司教:山口祐一郎
コンスタンツェの母:阿知波悟美
コロレドの部下:武岡惇一
シカネーダー(劇場の支配人):吉野圭吾
11月27日昼の部とキャストが違うのはヴォルフガング、ヴァルトシュテッテン男爵夫人とアマデの子役ちゃんの三人だけでした。
この日は、終演後に山崎さんによるお見送りイベントというのもあり、舞台衣装のまま観客を見送ってくださいました。間近で拝見する山崎さんは美しかったです。
幼い頃の自分の影アマデと生涯葛藤し続けるヴォルフガング。
自由奔放な井上さんヴォルフガングとアマデの対決にはすごく緊迫感があってどきどきしましたが、山崎さんヴォルフガングはもう一人の自分アマデを拒みながらも、より二人で一人といった雰囲気だったでしょうか。
生きるのが下手で、危なっかしくていつもはらはらさせられるヴォルフガング。
ラストの自らの胸に羽ペンを刺してアマデと共に旅立つ姿は、緊張と共に心に残っています。
アマデを演じる子役ちゃんもまた演じる女の子によって、雰囲気が違いました。
この日は、より柔らかくヴォルフガングにいつも寄り添っている感じのアマデでした。
ヴァルトシュテッテン男爵夫人は春野寿美礼さん。
香寿たつきさんのヴァルトシュテッテン男爵夫人はヴァルフガングの背中を押す雰囲気でしたが、春野さんは見守っているという雰囲気だったでしょうか。
「星から降る金」をていねいに美しく歌われていました。宝塚の男役時代は一度しかみたことがなく、2012年の「エリザベート」で拝見して以来でした。
同期の花總さんとこうやって同じ舞台に立たれているのも、なんだか感慨深いものがあります。
同じ役で同じ歌、台詞なのに演じる人によって、舞台全体の雰囲気も変わってきます。
だからダブルキャスト、トリプルキャストになると一回では終われなくなってしまいますね。
心のエネルギーチャージのためにはこんな時間も必要でした。
今夜もすごく寒いですね。
自分にふりかかってきたことも日本でおこっていることも世界の中でおこっていることも、いろんなことが混沌としすぎていてどう受けとめればいいのかわからないことの連続でおいついていかない。
ドライにも機械的にもなれない私は、どこに漕ぎだせばいいのかわからず戸惑いながら、ようやくまた少し書いてみました。
こんなこと言っている私がもちろん私が甘いのですが、なんだかほんとうにわからない感じがするばかりです。正直ベースで生きていけないとすごく息苦しいけど、正直ベースではたぶんむずかしい・・・。わかならいです。
35年の生涯で、そうとは知らなくても今も私たちの耳にしみ込んでいる曲を残してくれたヴァルフガングのことをまた書ければと思います。
(写真は全て東宝の公式フェイスブックから転用しています。)
山崎さんヴァルフガングとアマデ
「魔笛」の場面、山崎さんヴァルフガングと吉野さんのシカネーダー
春野さんのヴァルトシュテッテン男爵夫人
姉ナンネールと父レオポルトが見守る中皇帝の前で演奏するアマデ
ヴァルフガングがザルツブルグの家の飛び出してしまった後の姉ナンネール
「私はプリンセスで弟はプリンス」と歌うのが、二度目ではとてもせつなく響きました。
キャストボード
上演時間のお知らせボード