行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

景気はどうなる

2008-10-23 23:32:00 | Weblog
米国をはじめ株式市場はジェットコースターのような情況だ。まだ金融問題は解決してないことと実体経済への影響が計り知れないという不安感があるからだろう。ここのところ何人かの碩学の講演に出かけ、ご意見を拝聴した。特徴的なことをあげると、欧米の不良債権の処理には日本の経験を生かせという意見が政府内からも聞かれるが、竹中平蔵氏は「2003年の自分がやった銀行への公的資金投入は資産査定をきちんとやったのでうまくいった。バーナンキFRB議長にも進言した」と言ってた。だけど何故このような金融危機がおきたのかについては一言も言わなかった。米国の金融恐慌で投資銀行が全滅したのは米国が規制緩和を行い本来なら家を買えない人にローンを付けさせ、証券化し、かつデリバティブで儲けさせたのが原因で、いまや米国ではその犯人捜しまでテレビのショ-でやっている。資産査定といっても日本のように不動産担保が主体ならできたが米国の場合次のように簡単ではない。
デリバティブ自体はリスクを分散させることで日本でも天候デリバティブがあるくらいで悪いことではないが、米国投資銀行はデリバティブで巨額な利益を得ようとした強欲(Greed)が今回の危機を深めた。深尾光洋氏によればこれをデリバティブ・バブルだとしている。例えば今回巨大保険会社AIGをつぶせなかったのは巨額なCDSというデリバティブ残高があったからだ。CDSとは企業を対象に「その企業が倒産するかしないか」というデリバティブで対象企業が倒産したら負債を代わりに払うというもので、AIGは簡単に保証料を稼げる。何のことはない丁半賭博と変わりはないがその賭残高5000兆円をこえるという。そしてリーマンブラザーズの倒産でCDSの評価は一気に下がった。そうした不良資産の査定を米国政府はオークションでやるというから不透明さが残り、不安感は払拭できない。
この危機はいつまで続くかということだが、だいだい先生方は2010年ぐらいから回復かといってるが問題が次から次に起きている。金融立国で世界から資金を集め世界でトップレベルの豊かになったアイスランド、3つの銀行(資産はGDPの11倍)が外資の急激な引き上げで国家管理下に入ったが国自体が危ない状態だ。通貨も4割ぐらい下落、国民生活は突然嵐にみまわれている。スイスも2行の銀行だけでGDPの7倍の資産を持っているので公的資金の注入も限界がある。新興国の中にも外資の引き上げやそれに伴い通貨の下落で危険水域に入った国が出てきそうだ。昔、アルゼンチン国債を買ってデフォルト(支払い不能)にあった労組もあり、安全だと思った国債も危ない。
本日の円・ドルは96円、円・ユーロ120円台この3ヶ月で凄まじい円高だ。日本は比較的安定しているという評価だそうだが消費者にはプラスだが輸出企業にとっては大変だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする