行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

命の水

2009-05-10 23:38:25 | Weblog
先週末、ある勉強会で東大生産技術研究所の沖博士から水問題について話を聞いた。私の住んでる昭島市は地下水をくみ上げて水道としているので水が美味しい、それで打ったそばも美味しい、近くには水が湧き出している泉もある。そのため、水には以前から関心はあったが世界的な視野からの講義はおもしろかった。先ず、日本は世界でも水に恵まれてる国だということは認識していたが、1年中雨に恵まれる国は珍しいことが世界気候年間変化シュミレーションで判った。雨の降る地域は限られていて、時間的にも偏在する。インド、バングラデッシュのような南アジアはモンスーンの時だけ大量に雨が降り、洪水になるが他の季節は全く降らない。隣の韓国でさえも6,7,8月に雨が集中している。
日本での農業利用の水は年間570億トンで充分まかない残りは海に流れている。しかし日本はそれを上回る640億トンの水を輸入していると聞いて驚いた。そんな大量の水見たことないからだ。博士によるとヴァーチャルウォーターという概念で日本が輸入する小麦、トウモロコシが必要とする水の量や輸入豚、牛が食する餌が育つための水の量を併せたもので目には見えないはずだ。
飲料水は生きるためには絶対必要でアフリカでは水を遠くから汲むために子供がかり出され、学校にも行けないという問題も起きている。日本人は飲料水で1日1~2リットル、水洗トイレ、お風呂が大口で200~300リットル使う世界平均170リットルより多く、エネルギーの消費量とは逆だ。
洗面も流し放しで使うが欧米でこれをやるとひんしゅくをかうとホームスティ経験者から聞いた。いずれにしても水だけは贅沢に使っているが、設備のメンテナンスで水道事業が赤字の自治体が多く、水道料の値上げは必至だ。
最後に砂漠化の話題が出たがこれも誤解が多いらしい。木を植えれば防げるとばかり中国で植林をしたが地下水を吸い上げて地下の岩塩が表面に出てきて効果がない例だとか、砂漠化の主たる原因は過放牧とのこと、
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