行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ジープのクライスラー破産

2009-05-03 23:06:05 | Weblog
クライスラーは4月30日米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。クライスラーと言えば「ダッジ」「ジープ」のブランドが浮かぶ、特にジープは4輪駆動車の代名詞のような存在で、「コンバット」「史上最大の作戦」などで米国陸軍車として登場し、ジョンウェイ扮する歩兵隊の御用達車として記憶に残っている。そのためか頑丈な車というブランドで戦後長い間信頼を集めてきた。
しかし、石油ショック後の大型車不信で経営が傾き、79年には米政府が破綻回避に向けて15億ドルのローン保証を提供し、アイアコッカ氏をCEOにむかえ、ミニバンの先駆的投入などで黒字回復をなんとか果たした。
今回の経営危機はその教訓を生かせず、生産の7割が大型車、しかもほとんどが北米市場依存ということでガソリンの高騰と追い打ちをかけた金融危機でとどめを刺された。
従業員は54000人、代表する労組UAWは再建を早めるため、退職者医療基金への会社負担を株式で受け取り、早期再建で雇用を守ることを優先したが、結果55%の大株主となり、これからの経営責任と組合員の生活を守るという難しい立場になった。オバマ大統領は政府も出資を表明、全面的に再建を支持し、60日以内に再建を目指すという力の入れ方だ。新会社の残りの株は米国とカナダ政府が10%、残りの35%をフィアットが持ち、戦略的提携関係と発表した。北米市場依存を脱するべくフィアットが世界中に持つディーラー網を活用するとのこと。
哀れだったのが旧会社の80%の株主の買収ファンド、サーベイランス、全て無となったがウオール街の復讐があるのだろうか
エコという世界的な流れに取り残され、遺産のブランド力にしがみついたメーカーの見本で、日本の企業も同じようなことにならないように・・・
コメント
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