ギリシャ議会は5日、パパンドレウ内閣に対する信任案を賛成多数で可決した。これにより、EUの対ギリシャ支援策の実施を危うくし、ユーロ圏経済危機の深刻化を招きかねない解散・総選挙は回避されたという報道が流れ、欧米だけでなく新興国までもホッとしたのではないだろうか。
それにしても小国ギリシャにG20が振り回されている様は喜劇に近い。この喜劇は演出がパパンドレウ首相、主演はサルコジとメルケル、観客オバマ、胡錦濤、他、劇場はカンヌ
1,小田原評定でようやく決めたギリシャ支援策だが、肝心のギリシャでは国民の反対が強く、与野党拮抗している議会で受け入れられる見通しもなく、内閣不信任案が出されれば可決してしまう情勢、
2,ここでパパンドレウは支援策の受け入れ可否について国民投票を実施すると発表し、サルコジ、メルケルをはじめG20の首脳の度肝を抜くことに
3,サルコジとメルケルはパパンドレウを呼んで、その国民投票はEU脱退か否かの投票と見なし、結論が出るまで1ユーロも支援しないと迫った。これはパパンドレウの筋書きどおり
4,パパンドレウはそれを持って帰って、与野党国会議員にEU脱退の是非を迫り、国民投票でEU脱退をすれば、さらなる危機がギリシャに迫ることを知っている国会議員はパパンドレウを信任し、国民投票は回避された。
5,3の段階で、パパンドレウはサルコジとメルケルに筋書きを示して協力を求めた可能性が強い。結果的にはパパンドレウはギリシャを救ったことになる。
6,ギリシャの信任投票では、与野党議員の協力を取り付けるために、パパンドレウが首を差し出し、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ作戦が功をそうした。
しかし、この喜劇はまだ終わりそうもない。第三幕に乞うご期待か