トランプが勝利したとたん、米国の株が上昇、直後に暴落した日本の株もそれに釣られて一気に上昇、あまりの変化に玄人の投資家も大損をしたようだ。米国での株上昇はトランプの経済政策(これだけは真実味があった)が財政の拡大でインフラ投資、減税で企業の投資や消費が拡大といったトランプ効果によるものだ。ついで金利が上昇し、ドル高になり円は107円に下落、これを受けて東証日経平均株価も17500円となった。株屋の予想では年末には18000円とのこと。トランプが勝ったら円高と皆言っていたのにトランプ効果はたいしたものだ。
しかし、これはあくまでも短期の効果で、これから人事が決まり、大統領になってから外交政策などが明確になる。日本にとって重要なのは安全保障の行方で、トランプがどこまで本気に西太平洋の米軍駐留を考えているかに掛かっている。米国人の本音はGDP比5%にのぼる世界一の軍事費を負担してるのに、日本やドイツはGDP比1%前後というのは不公平だと言うことで、トランプはそこを選挙戦で強調した。
米軍が日本から撤退ということも現実味をおびると、戦後長期間米軍が日本に駐留することに慣れた日本人に気付きを与えるかもしれない。確かに世界経済3位の大国が自国の防衛を他国に長期間依存しているという姿は歴史上今まで無かった。日米安全保障条約のおかげで最小限の費用で平和が保たれてきたわけで、この条約を結んだ故吉田茂首相の考え抜いた慧眼だが、戦後71年、トランプの出現で我が国の安全保障について大議論をしなければならない事態になるかもしれない。何ヶ月もTPPを議論してる国会が滑稽に思えてならない。これもトランプ効果。