行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

春闘の賃上げは3.5%以上に

2018-01-13 21:04:51 | 経済
春闘の季節が始まるが、今年は異様な状況だ。安倍首相が3%の賃上げを企業経営者に法人減税という人参をぶら下げて迫っているのも、異様だが、経団連の榊原会長がこれに同調して会員企業に3%賃上げを提案するのも歴史上初めてのことだ。背景にはGDP成長率は今年度3%が予想され、その原動力は輸出と設備投資で、消費だけが不振だからだ。実質賃金はようやくプラスになったかどうかの水準で、政府が来年度のGDPのかぎはこの春闘にありと判断したからだ。
 
企業業績はこれまでになく好調で、相次ぐ上方修正でこの3月期は売上げで6.3%増、純利益で17.1%増と、前回予想の売上げ5.2%、純利益13.6%を上回る。2018年度も世界経済も良く、地政学的なリスク以外はこれと云った障害はない。一方人手不足は今や日本経済の最大のネックとなっており、賃上げへの環境は上々だ。
 
連合の要求基準は4%程度と控えめで、やや物足りないが、官製春闘打破と言っている以上、3%で終わることはないだろう。定期昇給が2%として、物価上昇率が2018年は1.5%くらいが予想されるので、満額とっても生活改善分は0.5%と僅かなものだ。労働組合の存在価値を示すのには石にかじりつてもぎりぎり3.5%以上は獲得しなければならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする