日本郵政グループは27日、日本郵政の長門正貢社長(71)が辞任し、後任に元総務相の増田寛也氏(68)が就く人事を発表した。1月6日付。かんぽ生命の保険の不正販売で同日、金融庁と総務省が郵政グループに行政処分を出したことを踏まえ、辞任で経営責任を明確にする。同時に、かんぽ生命と日本郵便の社長交代も発表した。かんぽ生命の植平光彦社長(63)の後任には同社の千田哲也副社長(59)が昇格する。日本郵便の横山邦男社長(63)の後任には、日本郵政の衣川和秀専務執行役(62)が就く。いずれも1月6日付。千田氏と衣川氏はともに旧郵政省出身で、2007年の郵政民営化した当初から郵政グループで勤めている。
この発表に開いた口が塞がらなかった。今回の事件は簡保生命不正販売とそれを追求したNHK報道への圧力、総務次官からの郵政への情報漏れ、など一連の元凶は天下りした鈴木康男副社長にあることは明白だ。一連の責任をとって辞めたのは大手銀行や損害保険会社といった民間金融機関出身者で、一方、新しい3社のトップは増田氏も旧建設省出身で、ともに官僚出身者が就くことになる。官僚達はこの際民間出身の経営者を排除し、天下り先輩を社長に付け、漁夫の利を得てほくそ笑んでるに違いない。元凶の天下りは民間会社にとって優秀な人材を得ることもあるが、会社経営のイロハも知らないわけだから日本郵政グループにとって大きな賭だ。安倍内閣の当初の方針は郵政民営化にあたって、民間企業のベテランを経営者に据えることだったが、どうしてこうした元の木阿弥人事になるのだろうか、これも末期的症状??