東京2020オリンピックのサーフィン競技は、千葉県一宮町の釣ケ崎海岸サーフィンビーチで台風8号が接近する中で行われた。サーフィンはハワイやタヒチを訪れたときに見聞きしたが、数メートルの大波の中でサーファーが波を利用しながらボードを操るかっこいい写真やビデオを見せられた。
オリンピック組織委員会広報は「競技が行われるのは自然の海。波の状態は、風の強さや風向き、潮の干満などによって変わる。同じ波は2つとないため、自然の状況を見極めながら選手が互いに高度なライディングテクニックを競うのがサーフィン競技」と紹介している。
しかし、外国メディアは釣ケ崎海岸ではせいぜいおへそぐらいまでの波で、トップサーファーの技量が出るのか疑問を呈していた。
ところが 27日、千葉県全域の沿岸には台風8号による波浪注意報が出された。台風の影響で高くて良い波がくること、風向きが一定でサーフィンに適した波の崩れ方をするなどの判断で、28日の決勝まで27日中に行うことになった。まさに神風、曇天で海の色は青くないが、トップサーファーの迫力有る技量が見られた。
このオリンピック史上最初の競技で、なんと男子は五十嵐カノアが銀メダル、女子は都築有夢路が銅メダルを獲得し、スケボーストリート競技と共に歴史に名を残した。五十嵐カノアはサーフィン王国米国で活躍していたので、事前から活躍が予想されていたが、都築有夢路は地元釣ケ崎海岸ビーチのサーファーで、世界的には無名だった。
次回パリオリンピックではタヒチの名だたるビッグウェーブが舞台(写真タヒチ観光局)、日本のサーファーは都築有夢路の活躍に刺激を受けて挑戦することだろう。