行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

トランプが1日で紳士になった

2016-11-11 18:52:09 | Weblog

昨日は金属労協の顧問会議に出席、話題はもっぱらトランプ旋風、米国の自動車労組の拠点で民主党の地盤とされるペンシルベニア州やウィスコンシン州でトランプが勝利し、今更ながら米国労組の地盤沈下を確認した。AFL-CIO(全米労組)のコメントが聞きたいものだ。投票の分析では若者はクリントン、トランプは白人の中高年の支持を得たことが判った。現地メディアはイギリスのEU(欧州連合)離脱を決めた時の衝撃を引き合いに出し、「Brexit(イギリスのEU離脱)よりもさらに激しい怒りと衝撃」などと報じてる。オバマ政権下の7年半で1000万人に上る雇用が増えたが、鉄鋼、自動車など製造業では雇用減が続き、中西部は工場が南部に移ったり、メキシコに移ったりして、衰退し、「rust belt(さびれた地帯)」になってしまったことが貧困白人層を産んだ原因だ。

しかし、選挙二日後に現職大統領と次期大統領が会談するという歴史上初の出来事もあり、オバマ氏は記者団を前に「(トランプ氏の)成功を助けるためにできることは何でもしたい。あなたの成功が米国の成功だ」と同氏に語りかけ、トランプ氏は「いい男だ」とオバマ氏を評し「今後は相談することを含め、オバマ氏とつきあうことを非常に楽しみにしている」等と「オバマは米国生まれでない、大統領の資格がない」等と毒づいていたことなど忘れ、まるでやくざが紳士になったようだ。

外国にも電話をかけまくり、韓国の危機的状態にある朴槿恵大統領には「米国は韓国を守るからご安心を」と力づけたようだ。勝利演説でも監獄に入れると言ってたクリントンに「永年米国に貢献してきた」などと持ち上げている。英国人には我慢ができないのかフィナンシャルタイムズは輝かしい歴代の大統領を汚す「うすぺらなペテン師のようだ」とさえ書いている。

問題はこれから激しい変化を盛り込んだ公約をどうするかだろう。その試金石はNAFTA(米州自由貿易協定)から離脱し、メキシコとの国境に壁をつくるか?対米輸出用にメキシコに多くの工場を持つ日系企業は固唾を飲んで注目している。

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「もしトラ」が「ほんトラ」になった

2016-11-09 22:39:40 | Weblog
英国EU離脱時と同じように大方のマスコミの予想を裏切ってトランプが第45代米国大統領に当選した。そんなことはあるまいと日経ビジネスがもしトランプが大統領になったらという「もしトラ」特集をおもしろおかしく連載していた。しかし誠になった訳でその中からいくつか検証してみた。
 
トランプが日米安全保障条約下で日本の負担を増やせという言ってることについて米国人パックンは「日本が在日米軍の費用の約8割を負担している。では、グアムに移したらどうなるか。米国は10割を負担しなければならない。今なら2割だ。それが10割になってもいいのかと。しかもカバーするエリアが遠くなる分、もっと負担が大きくなる」正鵠を射たコメントだ。

藤本SBI証券アナリストは「米軍の横田基地(東京都立川市、武蔵村山市、昭島市などにまたがり、敷地は714ヘクタール)を民間の航空会社も使えるようになると、旅行などで特需が起きます。格安航空チケットの販売や旅行予約の関連企業には好機になりそうです」昭島の住民としては軍用機が飛ぶより民間機の方が騒音が低く、経済に役立つとなれば大歓迎だ。
 
トランプのポピュリズムの本領発揮、大減税についてみずほ総合研究所安井調査本部欧米調査部長は「法人税35%を15%まで引き下げる案を出しています。富裕層向けの所得税減税も含めて、減税額の規模は10年で6兆ドル(約624兆円)を超えます。トランプ氏は減税に伴う財政赤字の拡大を、規制緩和などの成長促進策によって穴埋めすると公約に掲げています。ですが、そこまでカバーできるほど成長して税収増が期待できるとは思えません」これは共和党でも通らない公約で、トランプに投票した貧乏な白人にとって何も得ることはない。実現は難しい。
 
いずれも選挙用の出任せに近く、実現が怪しいものばかりで、ポール・クルーグマン教授は米国は未知の国になったと嘆く、それだけトランプリスクは不透明で、株や為替は変動が激しい。日本を含め諸外国もどうつき合ったら良いか間合いを計りつつ当分様子見となろう。歳も歳だし、一期4年間しか持たないので、何もできない大統領になる可能性大で、日本の国会で長いこと議論してるTPPも消滅の方向へ。
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受動喫煙による肺がんのリスク確実に

2016-11-08 21:31:09 | Weblog

2012年12月10日のブログで元ロス・インディオス&シルビアの歌手・シルビアさんが肺がんで亡くなったのは受動喫煙ではないかという勝手な推測を書いた。52歳という若さだけに残念だった。ヒット曲「別れても好きな人」は私が良くカラオケで歌ったためか受動喫煙のことが気になって書いた。今でも毎週何件かこのブログを読んでいただいてるのを見るとかなり関心も高まって来ている。

欧米に較べ、受動喫煙の政府の対策が遅れているのは自明なのだが、東京オリンピックを機会にようやく重い腰をあげるようだ。国立がん研究センターは8月に「受動喫煙による肺がんのリスク評価をこれまでの『ほぼ確実から』『確実に』引き上げた」と発表した。永年の調査でサンプルが統計的に信頼できる水準に達し、受動喫煙によって肺がんになるリスクが1.3倍になることが確認出来たという。これにより、受動喫煙の影響を調べる段階から対策を取る段階になったとがんセンターは強調している。海外ではレストラン、居酒屋はもちろん公共の場での喫煙は禁止されているし、たばこ自体一箱1000円以上もする。


ここまで来ると、我が家へ帰っても愛煙家は自宅の外で吸うことになり、隣近所に煙が流れ込むことによるぜんそくとか健康被害に対する争いも多発する恐れがある。

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定年退職後の賃金、腑に落ちない高裁の判決

2016-11-05 23:56:38 | Weblog

定年後に嘱託社員として再雇用されたトラック運転手3人が、職務内容は同じなのに賃金を約3割引き下げられたのは違法として、勤務先の運送会社「長沢運輸」(横浜市)に是正を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(杉原則彦裁判長)は2日、引き下げは違法として差額の支払いなどを命じた一審東京地裁判決を取り消し、原告の訴えを棄却した。杉原裁判長は「定年後再雇用での賃金減額は一般的で、社会的にも容認されている」と述べた。原告側弁護団は「減額が一般的だとしても、通常は職務内容や責任が変わっている。『社会的に容認』とする根拠は何もない」と批判しており、上告する方針。との報道

この3人の具体的な賃金体系が解らないので、明確には判断しづらいが、賃金の年功部分がどのくらいかによるが、定年後の仕事が全く変わらないのに仕事給や職務給の部分まで下げられたのでは今流行りの「同一労働同一賃金」に対する配慮が欠けた判決だ。「定年後再雇用での賃金減額は一般的で、社会的にも容認されている」と断定しているが、これは管理職、監督職などを解かれた場合であり、全く仕事が替わらない、責任も同じとあっては腑に落ちない。一審の地裁の判決では2013年施行の改正労働契約法20条での、有期雇用社員と正社員との間で、労働条件の不合理な格差を禁じているとして、賃金の引き下げを違法とした。

最高裁では3割という大幅な減額が妥当かどうかが争われると思うが、同一労働同一賃金への判断も入ると思われ、注目したい。

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コスモス最終章 in 昭和記念公園

2016-11-04 17:39:42 | Weblog

我が家の庭に冬を告げるジョウビタキが飛来し、昭和記念公園のコスモスは西花畑のイエローキャンバスがこの週末が最期の見頃だ。花の丘のコスモスは昨日、花摘み行事があり終わった。秋の終わりを告げる行事だ。今年は10月中旬のキバナコスモスが記憶に残る素晴らしさだった。

イエローキャンバスは満開を終えようとしている

白も見かけた

 

花の丘のコスモスはこの後、自由に花摘みができるイベントがあった

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自分の勤め先がブラックと疑う悲しい現象

2016-11-02 18:13:46 | Weblog
連合総研のアンケート調査で、20~30代男性の3割超が自分の勤め先を「ブラック企業」だと思っていることが、分かった。長時間労働、低賃金、上司による労働時間などの管理が不十分と感じている人ほど、「そう思う」割合が高い。調査は10月、首都圏、関西圏在住で、民間企業に勤務する20 ~64歳の男女2千人に、インターネットを通じて聞いた。

ブラック企業を「違法または悪質な労働条件で働かせ、違法な長時間労働、残業代未払い、パワーハラスメント、極端に離職率が高いなどの特徴がある企業」と定義し、自社が該当すると思うかを聞いた。全体では4人に1人にあたる、24、6%が「そう思う」と回答。同様の設問で2013年調査では17、2%だったから悲しいかなブラック企業は増えている。
しかも非正社員よりも正社員の方が「そう思う」割合が高く、非正社員の比率が高くなっていることを考えると正社員に負担がかかっていることが推定される。
 
特に、残業時間が長いほど、「ブラック企業」と思う割合は上昇し、月60時間以上では51%と、過半数が「そう思う」と答えた。上司による管理が不十分と感じているかどうかでも差が生じた。「(上司が)実際の労働時間を把握しているとは思わない」と答えた人(正社員)のうち、ブラック企業だと「思う」と答えた割合は37%で、「思わない」は25%。「労働時間が過重にならないように業務量を調整しているとは思わない」という人では、「思う」62%、「思わない」41%となっている。
 
最近強制捜査された「和食のさと」の事例が、典型的だ。実際100時間も残業させられても、60時間分しか残業手当が払われない。人出が足りないのに一向に改善されない。職場は皆疲弊しきっている。こうした現象が出たらブラック企業と判断した方が良い。
 
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