行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

庶民の懐、悪夢を見ているのか?

2019-07-10 18:52:09 | 生活
「毎月勤労統計調査」で、ことし5月の給与総額の平均は、速報値で27万5000円余りと去年の同じ月を0.2%下回り、5か月連続でマイナスとなった。物価の変動分を反映した実質賃金も去年の同じ月を1%下回り、5か月連続のマイナスとなっている。また、働く人のうちパート労働者の給与総額は9万6275円と、去年の同じ月に比べて2.2%減少した。
 
もう一つの調査、厚生労働省は毎年、一部の世帯を抽出して所得の状況を調べる「国民生活基礎調査」を行っていて、去年7月、全国6000世帯余りから回答を得た。1世帯当たりの平均所得はおととし、551万6000円と、前の年より8万6000円減少し、4年ぶりに前の年を下回り、所得が平均を下回る世帯は全体の62.4%にのぼり、過去最多となった。子どもがいる世帯の平均所得は743万6000円、高齢者世帯の平均所得は334万9000円、生活の状況についてどう感じているかをたずねたところ「大変苦しい」と答えた世帯が24.4%、「やや苦しい」と答えた世帯が33.3%と、合わせて57.7%が生活が「苦しい」と回答している。
子どもがいる世帯で生活が苦しいと答えたのは62.1%、高齢者世帯では55.1%にも達している。
 
安倍首相が最近ことある毎に、トランプ流のフェイク発言で「民主党政権時代を悪夢だった」と言っているが、今や庶民はアベノミックスの下、悪夢を見ている。当時悪夢を見ていたのは下野した自民党だったのではないか。

生活の豊かさを消費に焦点を当ててみると、実質GDPで民主党時代2010年~12年3年間は平均1.87%伸びたが、アベノミクスになってからは2013年~18年平均1.15%とがた落ちだ。そして民間の消費は民主党時代は平均年1.33%、に対して安倍政権になって0.45%へ落ち込み耐乏生活に入っている。格差社会に入って、適切な言葉ではないが安倍さんの言を借りればどちらが悪夢の時代か明確だ。
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年金生活者のマネー GPIFの運用

2019-07-08 22:51:59 | 年金生活者
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が5日発表した2018年度の運用実績は2兆3795億円の黒字と、3期連続で運用益を確保した。GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を国内外の株式や債券に分散投資している。運用資産額は19年3月末時点で159兆2154億円となり、18年3月末(156兆3832億円)に比べて増加した。このうち市場運用分は158兆3191億円で、アクティブ運用は22.00%を占めた。
3月末時点の積立金全体の資産構成は、国内株が23.55%、外国株は25.53%、外国債券は16.95%、国内債は26.30%。期間の損益率はプラス1.52%(前期はプラス6.90%)となった。18年10~12月期には四半期として最大の14兆円の運用損を計上したが、期末にかけて米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めるとの観測などから海外株式相場が回復したことが貢献した
 
資産構成別の収益の内訳(市場運用分)は外国株式が3兆1411億円、国内債券は5959億円、外国債券は6975億円のいずれも黒字だった。一方、国内株式は2兆732億円の赤字だった。外国株式は2731銘柄を保有しており、全体での時価総額は41兆4933億円だった。時価総額で見ると、マイクロソフトにアップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックと続き、上位をハイテク株が占めた。最も保有しているのは米マイクロソフト株で、時価総額ベースで8388億円保有し、同社株の株数は18年3月末に比べ4%増えた。
 
このGPIFの運用実績から読み取れるものは
1,長期分散投資の見本といえる運用でも昨年度は1.52%の成績で終わった。厳しい情勢だった。
2,国内株の運用は赤字で、これを米国株を中心とした外国株運用の黒字で補えた。
3,内外の債券運用は額は小さいが黒字だった。
年金生活者のマネー運用でも、GPIFの資産構成は参考になるので、ポートフォリオを再考するのに参考となる。
その他の参考となるGPIFの運用
GPIFは17年度から日本株で環境・社会への配慮や企業統治の「ESG」に関係する3つの指数を選定し投資を始めた。18年度は温室効果ガス排出に関する2指数も採用しており、5指数に連動する運用資産額は3月末に合計3兆5147億円と、18年3月末の1兆5379億円から大幅に増加した。17年に本格的に始めた不動産投資などを含むオルタナティブ投資の3月末の時価総額は4327億円だった。電力発送電や鉄道などのインフラや国内不動産に投資しており、18年度には海外不動産への投資を開始した。
 
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セブンペイの教訓

2019-07-06 18:43:57 | 経済
たった4日で900人、5500万円の被害、サービス開始から4日で謝罪会見、何者かが利用者のアカウントに不正にアクセスし、利用者が登録していたクレジットカードやデビットカードからお金をチャージ。セブン-イレブンの店舗で、タバコなど単価が高く換金性のある商品を購入していた被害。
ざるシステムが原因だった。7Payを使うために必要な「7iD」のパスワードを忘れて新たに登録し直す際に、登録したメールアドレス以外のアドレスにパスワードを知らせるメールが送ることができてしまうことや、本人確認のために、SMS(ショートメッセージサービス)に数字などのコードを送って入力させる「二段階認証」と呼ばれる仕組みを採用していなかったことなどが指摘されている。
 
スマホ決済ではそのスマホが本人のものでないと決済できないと言うことが基本中の基本だ。それにはSMSで認証コードを送り、本人がそのコードを返信することによって本人確認が出来る。タクシー呼び出しアプリなどでも、そうしないと登録できない。犯人は事前に7Payの欠陥を知っていたとしか思えない。
記者会見のテレビを見ていたが、「どうして二段階認証を採用しなかったのか」という報道陣の質問に対して、7Payの小林強社長が「二段階認証?」と聞き返し、記者が説明するといった醜態で、運営会社トップがキャッシュレス決済の安全の基本を知らなかったことが露呈した。王者セブンが出遅れたので、焦って拙速気味だったようだ。客はそうとは知らず、満を持して7Payを出してきたと思ったのだろう。
 
先月、先進北欧を訪れたが、コーヒー一杯からすべてVISAカードで支払った。4桁の暗証番号を入力するだけで済むので、日本でも当分これで決済するのが安全だ。セブンイレブンはセブンカードで支払っており、何の不自由もない老舗は保守的が似合う。また、既存のカードスイカの利用範囲が拡がるのを私は待つ。今回の教訓だ。
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イージス・アショアの謎

2019-07-04 22:55:23 | 政治
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(約4000~6000億円)の配備をめぐり、秋田県への説明資料に誤りがあった。また山口県でもデータに誤りがあった。秋田の場合、他の候補地は山が高くてレーダーの照射に邪魔になるから適さないと説明し、候補地新屋を正当化した。ところが、現地で実測せず、衛星地図ソフト「グーグル・アース」を使用したが、標高と水平距離の縮尺が異なることに気付かず、候補地から付近の山頂を見上げる角度を実際よりも大きく(即ち実際より高く)表記したまま、秋田県側に提示した。おまけに説明会で防衛省職員の居眠りをして佐竹敬久知事、穂積志市長はを硬化させている。
 
9カ所の内訳は、青森県内2▽秋田県内5▽山形県内2で、そのうち秋田県男鹿市の「秋田国家石油備蓄基地」は、男鹿半島にある本山山頂への仰角が約15度とされていたが実際は約4度で、他の8カ所も仰角が5~2度過大だったという。防衛省深沢審議官らは適地とする仰角の条件について「10度未満が目安」と説明。訂正後もインフラや住宅地までの距離など他の条件から「新屋以外に適地はない」と主張している。
 
山口県むつみ演習場を適地と結論づけた報告書も記載された数値と国土地理院データなどとのずれが判明し、ブースターの落下が住宅地にという恐れが出てきた。配備計画反対を表明している花田町長は「配備は町の生き残りをかけた定住政策を根底から覆すことになる」と抗議した。
 
いくら官僚が政治に忖度するとはいえ、あまりにもお粗末なデータ提出だ。沖縄の辺野古で近隣に利用できる空港があるのに何故自然破壊だとブログに書いた。(注1) 同じことが秋田と山口で起きようとしているのではないか?つまり最初から決め打ちで、理屈はあとから適当に付けてごり押しをしようとしている。官僚もそれならわざわざ現地に行って実測することはぜずに、国家の防衛だというのにグーグルで間に合わせたのではないか?何故だろう。この謎の共通点は米軍がらみだということだ。拒否できない米軍の意向が背景にあるのではないか?新屋はハワイ防衛に、むつみはグアム防衛に適している(ミサイルを捕捉しやすい)というAERAの記事が真実味をおびてくる。

注1  https://blog.goo.ne.jp/ajimayukuo/e/f2d88dc531fa2d29900e71954a5dd411

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今月のワイン クルーズ船で出会ったラマンチャのワイン

2019-07-02 17:12:58 | ワイン
先月6日、ヘルシンキからストックホルムへのクルーズ船内のスーパーで求めたワイン。たまたまテンプラーニョとシラーという組み合わせに目が引かれ、飲んで見たら8ユーロ弱にしては味も濃いし、香も良い。お土産に買い込みたいくらいだった。
 
帰国してからも、一本ぐらい持ってかえれば良かったと後悔した。このワインクルーズ船を運行するタリンクライン社が30周年記念で特注したもので、ラベルも素敵だ。調べたら、スペインラマンチャ「ティネード」ワイナリーが生産者、1742年創業の伝統を持つアルバレス・アレーナス家だが、2002年に引き継いだ子供達が全ての葡萄の樹をテロワールの違い毎にふさわしい赤ワインの樹を植え替え、しかもオーガニック栽培を始めた。このアレグランサはスペイン注目の新進気鋭の新世代ワイナリーで生産されたものだ。批評家のコメント「あるかすかに紫がかったクリアなルビー色。ブラックチェリーやチェリー、完熟いちごのアロマにエキゾチックなスパイスやユーカリの香り。柔らかなタンニンと長い余韻を楽しめます」
アレグランサ  テンプラニーリョ & シラー
ALLEGRANZA Tempranillo Shiraz
 
ネットで調べたら楽天ワイン専科でラベルは違うが同じものが市販されている。値段は1380円+送料、もちろんこちらは2018年ものだろう。
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