アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

PCのお引越し、そしてクリエイティブな片付け!

2024年07月01日 | 生活
この記事は、新しいPCで書いております(^^)

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今まで使っていたPCは5年半くらい前に買ったもので、あちこち怪しくなっていたので買い替えようと…しばらく前から思っていたんだけどめんどくさくて延び延びになっていて、ついに購入して届いたのが先月初め。

購入よりさらにおっくうなのが、新しいPCを使えるようにするお引越し作業でして、これがもう、やりたくなさすぎて一日延ばしにしていたので、ようやく「月が替わっちゃうよ!」と昨日よりあれこれやってまして(で、昨日はブログも書けず)、今はとりあえず基本的に使えるようになりました。いくつかインストールしてないものなどありますが特に難しいところはないはず。

今日は何に時間を取られていたかというと、PCの中身の設定よりむしろ周辺。

ルームツアー動画などを見ますと、きれいに片付いたデスクにノートPCがぽつんと置いてあったりして、すっきりスタイリッシュなんですけど、あれってヤラセ? マジであんなふうに暮らしてる人いるの?

私の場合、まぁお年頃なもので、ディスプレイは大きいほうがいいわ、とか、音楽聞くときはPCのスピーカーじゃ話にならないから外付けで、とか、ScanSnapは即使えるようにつなぎっぱなし、とか、

録音機やらGVIDO(電子楽譜)やら随時つなぐために、常にいくつかUSBの口が開いてないといけない、とか…



諸事情あるものですから、配線が只事じゃなくとぐろを巻いていて、スタイリッシュどころの騒ぎじゃないんですの。それで今日は、その「とぐろ」の部分をできるだけ配線隠しbox(百均で購入)に入れてみたり、


↑ 要するに、コードを通す穴があるプラ箱なんですが、余ったコードをごちゃごちゃ突っ込んでフタを閉めればアラすっきり。

そもそもずっと溜まりっぱなしになっていたディスプレイ裏のホコリを拭き取ってみたりと、

周辺をすっきりさせることに尽力していたところ、勢いがついて、デスク回りの文具を整理整頓厳選したりとかをずーっと改善活動やっていました。

まぁそれでだいぶすっきりしたんです…ピアノほとんど弾けなかったけども



わざわざ引き出し開けてペンを出したりしたくないな、と思ってペン立てを設置。紙コップを押しピンでコルクボードにとめたので机上のハバはとらなくてOK

机の下にはクリップでティッシュをぶら下げているのですが、今日突然思いついて消しゴムをそのクリップにくっつけてみました(マグネット)。なんで消しゴムにマグネットが既についていたかというと、アンサンブル練習のときとかに鉛筆と消しゴムを譜面台につけるためだったんですが。実はデスク回りでも、引き出しにしまうと出すの面倒だし、ペン立てに放り込むと埋もれちゃうので、これは便利(^^)

そんな感じで片付け掃除に精を出していたのですが、ふつう洗濯物たたみとかの作業ならドラマ見ながらとか、「ながら」でやるところ、もう全然そんなことはできないという、頭フル回転(PC引っ越しハイ)でした。収納アイディアも次々思いつくし、捨てる決断もスパッと勢いよく。

この勢いが数日続いたらデスク回りの引き出しとか全部いけるけど…それじゃ今週末の発表会がヤバイことになるなw

---- 昨日の録音:
【毎コツbefore/after】ベルガマスク組曲「パスピエ」後半

【27日目】100日で譜読みするカプースチン「8つの演奏会用練習曲」プレリュード
一番弾けてないあたり(5~6ページ目)

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安いと高いは何が違う?

2024年06月27日 | 生活
書道レッスンに行くと、帰りに「街の本屋さん」に寄るのが通例になっている。

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今はほぼ見かけないけど、昔なら商店街に一つはあった、小さな本屋さんがちゃんとあって、その中では人も本もイキイキしているから。

で、入るとつい何かいらない本を買ってしまう…

前回行ったときに買ったのは「くらべる値段」という本で、



たとえば表紙にあるように「盆栽」だったら、まぁ誰が見ても右のほうが高いのかなと思う。
幹が太くて、いかにも「年輪を重ねた」という風情で、緑がみっしり「密」だ。

左は10年もので、右は50年ものだそうだが…そういわれてみると50年丹精込めて育てて50万か…別に高くないのかもしれない。いや私はいらないけど。

値段の違い、というと、テレビで「芸能人格付けチェック」というのをやっていて、バイオリンならストラディバリウスと入門用の楽器を比べたりするが、ストラディバリの値段というと億の単位で、もう比べるも何も、骨董品の値段だからわけがわからない。それにあまりうまくない人が弾くならたぶん実際にストラディバリより100万くらいの楽器のほうがいい結果になるかもしれない、という感じでややこしい話になる。

この本に出てくる対比は、同じメーカーや店で取り扱っている商品であることが多く、つまり「ストラディバリ」的なものを比べるわけではない。ちゃんと理由があって値段が違う、いわば「ふつう」の範囲で違っている。



たとえば楽器についてこの本で出てくるのは「ギター」だが、大量生産体制で作られた4万円のギターと、職人の手作りである60万のギターが紹介されている。
写真だけをじっくり見てもどちらが高いかは当てられそうだし、
ギターを弾けない人でも何か楽器やってる人が、ボロンと鳴らしてみたらば百発百中どちらが高級品かは当てられるだろう。そういう質の違いがある。

一方で、同じ店のうな重で3600円と4200円の違いは、というと…安い方は1匹分、高い方は1.5匹分入ってます、なんてずっこけるようなものもある。同じく「量」の違いであるケースとしては、たとえば「胡蝶蘭」。60輪あるのが5万円、30輪あるのが3万円となっていて、「贈られた側がその胡蝶蘭の値段を推しはかりやすく、返礼する際の金額を気にする企業間のやりとりで重宝された」とか(o_o)

値段で質が違うタイプで納得の商品といえば、Yシャツ、畳、おろし金、羽根布団、靴など。まぁ上質のものがようございますが、予算とかありますよねやっぱり…物が違うなということは思いつつ、安いものでいいやと妥協することは多々あると思います。こういうものについては、何については「高いもの」を買うのかという…そこが個人の価値観ということになるでしょうか。

握り寿司とかになると、高いほうがやや量が多い(11貫に対して14貫)ことのほか、ネタが違う。マグロが蓄養か天然か、エビはブラックタイガーか車エビか、光り物はアジかコハダか。このへんになると、いや別にアジ好きだしなー、とか、5000円より2000円でいいかと(たぶん十分おいしい)

食品はいろいろ出てくるが、明らかに高いほうがおいしい場合と、好みによる場合がいろいろと混じっている。

ちょっとおもしろい比較だなと思ったのが、ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」。ハードカバーが2860円、ソフトカバーが1600円。ふつう、両方あるならソフトカバーのほうを買いがちですよね? いずれにせよ読めるんだし、軽いから。でも…この本だけは、物語冒頭で描写されている、「表紙はあかがね色の絹で、動かすとほのかに光った…」に合わせた装丁ということに意味がある気がして、これだけはハードカバーで買いたくなりますよね(というか、持ってます)

ということで、値付けの背景を知りつつ、自分の価値観について振り返る本でした。

----- 今日の録音:
【毎コツbefore/after】ベルガマスク組曲「パスピエ」3~4ページ目

【26日目】100日で譜読みするカプースチン「8つの演奏会用練習曲」プレリュード
一曲続けて弾いてみた

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男の育児休業/育児退職

2024年06月21日 | 生活
「「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋」の中で、最初らへんがジョブズ本翻訳プロジェクトの顛末なのに対して、

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最後らへんはワークライフバランスの話でした。

元々、なぜ私(と夫)が井口夫妻と知り合いになったのかといえば、「男の育児○○」つながりだったんですよね。うちは「育児休業」、井口さんちは「育児退職」。

今でこそ、男性が育児休業を取ることはそんなに稀でない雰囲気になってますが、よしぞうが取ったころってパンダ(珍獣)扱いだったので、
それで取材とか講演を依頼されるやら、育児休業や育児時間を考えるシンポジウムをするやら、
まぁそんな感じの活動で知り合ったのです。

育児休業は今やすっかり市民権を得て、それって何? とか言う人もいないと思うのですが(取りたいかどうかはともかく)
育児退職とは何か。

このワードを聞くことがあまりないのは…たぶんですが、女性が育児退職する場合はこの言い方しないんですよね。何というでしょうか。そう、「出産退職」です。男性の場合、出産しないので、子供が生まれたことをきっかけに退職するのは育児退職ですね。

もっとも、井口さんの場合は「育児退職」といっても無職になったのではなくて自由業(翻訳)への転職ですが。仕事をしないつもりではない、ただ、リモートワークのような概念もない時代、会社勤めというのは通勤時間を含めて一日の大部分を家庭から離れた状態で固定されてしまうので、夫婦共にそんなんでは保育園の送迎にも実際のところなかなか間に合いません。書類上の勤務終了時刻に毎日きっかり会社出られる人なんてそうはいないですよね。

さらには、子供はしょっちゅう熱を出したりもするし、子供がらみの行事や用事もあるしで、よほどの余裕がなければそこらへんをカバーできません。

育児休業というのは保育園に入れるまでのつなぎであって、その後の長い育児期間を乗り切るためのものではありません。育児休業から復帰後はいったいどうするのか…

私と夫の場合は、両方がかなり家庭に軸足を置いた働き方をすることでそれを組み合わせたらなんとかならないだろうか、ということで乗り切りました。つまり、毎日終業時間ぴったりに会社を出るのはまぁ無理でも、じゃ一日おきならどうだろう? 子供が熱を出して休むにしても、一週間突然会社を休むんじゃなくて、一日おきには出社できるならどうだろうか?

この方法の利点は、夫婦双方が会社員というポジションを手放さなくて済むということで、それはキャリアの連続ということからも、金銭的にも、メリットが大きくはあるのですが何といってもすべてがツナワタリです…というかこれがあからさまな「無理」にならないためにはいろんな幸運が重ならないといけないといってもいいかもしれません。

そこで「融通」の部分は夫が主に担当できるように、フリーランスになるという案はすごく素晴らしく名案のように思えますが…しかしもちろん現実問題、これなら誰でもできるという話ではなくて、まず経済的な大黒柱になる妻の仕事がしっかりしていること、そして「フリーランス」でちゃんと仕事になるあてがあるということ。そして「フリー」って別に暇という意味ではなくて、組織に守られていない分むしろ融通がきかなくなってこの日この時には他ならぬ自分が這ってでも行かないといけないというような仕事だってあるわけだから、職種を選びますよね。もっといえば、「融通」も「稼ぎ」も本人の能力次第というか。

こういった事情のあれこれについて、私は私で熟知している、のみならず、井口家の事情もよく知っているつもりでいたのですが、今回読んで「おぉ」と思ったのは井口氏が最初育児退職を言い出したときに妻は即座に却下したそうです。「冗談じゃない」

…あとから聞いたら「宇宙に移住しようというくらいありえない提案だと思った」だそうです。えぇそこまで?? なかなかナイスアイディアだと思うけど。井口氏の場合は。

井口夫妻もそんなところからスタートしてるんですねぇ。


いくら育児退職がナイスアイディアでも、その条件を活かしてうまく仕事と育児とつないでいくためには、夫婦のコミュニケーション(といえば聞こえはいいが、果てしない夫婦喧嘩を含む)を取りながらもろもろの細かいことまで現実に着地させていかないといけないので、この本にきれいにまとまっている部分じゃとても済まない部分があったと思うのですが、書かれている範囲でも、参考になるところは大いにあると思います。健康のこととか、子供の教育(というかお勉強ではない様々な体験)のこととか。

一番大事なポイントは、固定観念・社会通念をとっぱらって家族の幸せを真摯に考えるというところかな。



----- 今日の録音:
【23日目】100日で譜読みするカプースチン「8つの演奏会用練習曲」プレリュード
3~4ページ目

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臨書と作品のあいだ

2024年06月18日 | 生活
今日は書道レッスンでした。

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米芾の臨書の続きで、今日書いたのは「種々出枝葉」の五文字です。



臨書というのは、書家の作品をできるだけそのまま真似して書くものですけど、
この部分を見るとかなり極端な特徴を持って書かれていて



太い細い、大きさの違い、出っ張ったところなど、ほんとに忠実に書こうとすると、半紙サイズに入れる五文字としてのまとまりがどうにもつきづらい。

それで、先生が今日は二種類のお手本を作っておいてくれました。

ひとつは、米芾の特徴をできるだけ忠実に反映したもの(半紙にまとめるという制約はあるにしても)

もうひとつは、その特徴を活かしつつ、半紙に五文字収めたときの作品としての美しさ、まとまりを重視して書いたもの。

レッスン中、八枚目くらいまでは一つ目のお手本(忠実タイプ)を見て、
形や筆遣いの練習をしたのち、

二つ目のお手本(作品タイプ)を見て書いてみたら…

とても自然な筆運びで書けて、でも勝手に書いているのではなくて先ほど練習した特徴も意識しつつ、
気持ちよく楽しく書けました。

最後は色紙に(トイレに飾る用)

こういうのもアリなのかなぁ? 臨書って何だろう、というところだけど
元の字を意識しながら、自分にとって自然で、美しいと思えるところに寄せて作品としてまとめるというのがとてもおもしろいと思いました。


-----
ところで、昨日と今日はピアノを弾く時間がありませんでした。
昨日は「脳神経外科クリニック」に行って仕事に行って
今日は書道レッスンに行って(もちろんランチとかして)「呼吸器内科クリニック」に行ったので
いろいろと滞ってます。

病院ギライの私がそんなせっせといくからには何かあったんでしょう、ってほんとあったんですよすごいのが。

日曜夜に頭痛の大発作があって、痛さは陣痛の最高潮レベル、でも陣痛と違って波がない(痛いまま)先が見えないのでほんとどうなるかと思いました。
頭痛は「一次性咳嗽性頭痛」、咳のほうは「アレルギー性咳嗽」
両方でたんまり薬をもらったので、
朝昼晩の薬と朝夜の薬と食間の薬と寝る前の薬あるとか難易度高すぎません? 自信ないんだけど

とにかく昨日、薬を飲んでからは頭痛発作起きず落ち着いてます。

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世界同時発売ってそういうこと!?(「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋)

2024年06月15日 | 生活
「スティーブ・ジョブズ」伝記本はものすごい勢いでベストセラーになったらしいけど…すまん、読んでない。

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驚異のプレゼン」のほうは読んだ。内容もたいへんおもしろかったし、翻訳もすごいよくできてるなと思った。私の「推し」はスティーブ・ジョブズではなくて、翻訳者の井口耕二のほうなので…

今回、読んだのは「「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋」(井口耕二著)


井口氏は、私の友人の夫であり、そして私が会社員のころは(仕事の領域は遠いけど)同じ業界の人だった。同じ回の「JTF翻訳祭」にスピーカーとして参加していたこともある。

知り合ったきっかけは、井口氏が「育児退職」した関係だけれども、その話はまた別記事に譲るとして、とにかく「スティーブ・ジョブズ」伝記本を世に送り出したときの話がすさまじかったのでそのご紹介。

書籍の世界同時発売というのはどういうことかというと、原文(この場合英語)のまま出版する国はいいとして、他の国では翻訳する時間が必要となる…しかし本というのは中身の鮮度というか時機が非常に重要なのだから、翻訳のための期間を悠長に取っていていいものでもない、と…

つまり…??

殺人的なスケジュールで翻訳していかなくてはいけないということ。(「殺人的」と書いたが実際あまり比喩でない)

もちろんそのことは意外でもなんでもなく、井口さんだって引き受ける前からわかっていたことだけれど、それでも引き受けたいと思う仕事だったから積極的に取りに行ったわけです。ジョブズ本は売れる見込みがあるだけに、翻訳出版権の取り合いも熾烈だったらしいが、それで決まった会社が、特に井口さんがそれまで付き合いのあった会社ではなかった。そこへ井口さんが名乗りを上げて、別のジョブズ本の翻訳実績があることと、それからたぶん…手土産にした鹿角が効いたのかな?

鹿角というのは、鹿が落としていった角を探して拾うという「趣味(?)」によって井口さんがたくさん所有していたものなんだけど、その中で小ぶりで形のいいものを選んで打ち合わせに持参したそうだ。まぁ意表を突く、印象に残るという意味もあるけど、そんなあてもなく野山を駆け巡るようなことができるメンタリティーと体力。そう、最後は体力、としかいいようがない過密日程になるのでそこが大事だったんじゃないのかなぁ(個人の推測です)

当初の予定では、11月21日刊行、分量は15万ワード、原文が届くのは6月半ばということで、そもそもが出版翻訳の常識的なスケジュールを大きく逸脱している案件だったんだけれど、翻訳の怖いところはなかなかどうしてその予定どおりにすら行かないというところ。

・原文が届くのが遅れる(それも大幅に)
・言ってたのより分量が多い(それも大幅に)
・あとから原文が追加・変更される
…そして刊行日は絶対延びない。

ハイ。私の関わっていた(産業)翻訳でもそのへんのことは日常茶飯事だったのでなんとなくわかります。でもそれだけじゃなかった! 原文が機密保持のためといって紙で来るとか、同じ理由で翻訳原稿のメール送付が禁止だとか…そして極めつけが

ジョブズの死により刊行前倒し(o_O)

え??? いやいやいや現状も無理へんに無理かさねて突っ走っているのにそんな…でも、やるっきゃないんですよね??

翻訳期間を縮めるためのワザはいくつかあることはあるけど、いずれも「質」とのトレードオフになるもの。そこをかいくぐって、あるいは努力と根性と智慧で、質をなんとか確保しつつ突貫工事。優れた翻訳者がほかにいないわけじゃなくても、こんな離れ業ができるのは他にいない(たぶん)。少なくとも、やりたい、かつ、やれる人はいない。そんな井口さんでも、終了時には抜け殻というか体調絶不調になって、打ち上げの飲みもできない(吐いてしまう)ぐらいだったそうなんだけど、まさに命を削るとはこのこと。

こんなこと一生に一度で十分ですよね? え、またやったの!? (イーロン・マスク)


この本では、最初の1/3強がジョブズ本翻訳の顛末に割かれているのですが。その中で書かれているいろいろな工夫がそもそもどうして成り立ったのか(と、読んでて不思議に思うだろうと思います)ということについては本の後半でおいおい腑に落ちてくるでしょう。

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